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今回は『土壌処理』について書きたいと思います。
弊社では、べた基礎であれば土壌処理は行いません。
でも布基礎であれば、行わない訳にはいきません。
ちなみにここで云う土壌処理とは、地面に防蟻・防腐剤を散布することを指します。
板橋区徳丸1丁目の『スケルトンリフォームI邸』が、正にこれに当たります。
布基礎で防湿コンクリートを打設していません。
現場で、シロアリ防除薬剤(土壌処理剤)を撒いている様子を挙げました。
良く見てください。
ホースの先から、かなり勢いよく水溶液が出てるでしょ?
「随分と撒くんですね、散布量はどの位なんですか?」
作業を行っている方に聞いてみました。
「全面散布の場合、100倍希釈した水溶液を3ℓ/㎡撒くようにしています。」との事。
「えっ!? 3ℓ/㎡・・・。」
今回の場合、1階床面積は35.60㎡ですから106.8ℓも撒くことになります。
3ℓ入りのペットボトルで言えば、36本分です。
「凄い量ですね。」
確かに、基礎内がぬかるんでいました。
今回は、住化エンビロサイエンス株式会社の『天然ピレトリンMC』という世界で初めて開発に成功した『天然除虫菊のシロアリ防除剤』を採用しました。
天然除虫菊(シロバナムシヨケギク)から抽出した成分を天然ピレトリンと言います。
その特徴は以下の通り。
① 天然成分(植物原料)です。
② シロアリに対しての効果は高く、また忌避性にも優れています。
③ 天然ピレトリンは薬事法でも承認されており、(社)日本しろあり対策協会の認定を取得していることから、その安心と効果には 裏付けがあります。
また天然のピレトリンを分析して、その成分のどこの部分が殺虫に効果があるのかを調べ上げて、その部分を取り出して合成したものが『合成ピレスロイド』です。
キ●チョー●や蚊●線●など、一般的な殺虫剤がこれに当たります。
人間に害が少なく、昆虫類には速効性の毒性を示す殺虫剤です。
でも、効果が長続きしないんですよね。
そこで『MC製剤』化しています。
マイクロカプセル製剤とは、有効成分を樹脂の膜で覆い、水中に分散させたもの。
この膜がデリケートな天然素材を、環境中の水分や太陽光線・土壌中の微生物から守ってくれます。
有効成分は、シロアリが噛み付くまで外に出ないようになっているんだとか・・・。
イメージとしては、潜水艦対策として水中に設置する機雷たいなモノでしょうか?
機雷(きらい)とは、水中に設置されて艦船が接近・接触したときに自動または遠隔操作により爆発する水中兵器をいいます。
予め地中に数多く配置した風船爆弾に、シロアリが接触することで風船が弾けて爆発する感じです。
その特徴は以下の通り。
①効果か長持ち。
②住む人にやさしい。
無駄に成分が出ないので、空気汚汚染が少なく、地中に流出する量も少ない。
③作業者にやさしい。
こんな防腐・防蟻剤です。
「えっ!ホウ酸じゃないの?」
と言う方も多いのではないでしょうか?
私自身も、合成殺虫剤と同様に天然ピレトリンを躯体の防腐・防蟻処理に使いたいとは思いません。
有効成分が揮発してしまい、効果が長持ちしないからです。
そもそも、昆虫に効いて人間に効かない薬剤があるとも思えません。
要は致死量の問題だと思うんです。
ホウ酸で土壌処理をしたい!
そう思います。
でも残念ながらホウ酸は、「非接地・非曝露」が原則の防蟻・防腐剤なんです。
だから、地面に触れている場合や雨に当たる場所での使用は出来ません。
仕方ありません・・・。
マイクロカプセル製剤であれば効果は長持ちするようだし、有害成分もそれほど揮発しないようです。
土壌の上には防湿シートを敷き込むし、その上に砂利を敷き並べます。
床断熱にすれば、床下はあくまでも外になります。
もしも有害成分が揮発しても、室内に侵入する事はありません。
もちろん、躯体の防腐・防蟻処理はホウ酸を使います。
非接地・非曝露でも使えるホウ酸があればいいのに・・・。
誰か開発してくれないかなぁー。
天然ピレトリンMCの事を詳しく知りたい方は、メーカーHPをご確認ください。
https://www.guntoner.jp/pyrethrin-mc/
posted by Asset Red
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