blog
昨日の拙ブログで天然ピレトリンの事を書かせて戴きました。
家庭用殺虫剤概論Ⅲ 日本家庭用殺虫剤工業会に関連する記事を見つけたので、ご紹介したいと思います。
以下、抜粋となります。
地球上で昆虫は石炭紀(約4億年前)の昔から生息しており、数百万年前に出てきた人間の歴史より古く、虫の方が先住者ではあります。
しかし、人が快適で健康な生活を守るためには、生活の場に侵入してくる、刺したり病気を媒介したりする害虫を排除することが必要となります。
生活の場に侵入してくる虫対策は、古くは蚊帳が紀元前のエジプトの記録に見られ、日本では奈良時代に中国から伝来しましたが、蚊帳の一般への普及は江戸時代で、それまでは蚊遣り火として、ヨモギやカヤの葉、ミカンの皮などをいぶして虫を排除していました。
明治の初め旧ユーゴスラビアからシロバナムシヨケギク(除虫菊)が輸入され和歌山県で栽培され始めました。
最初は粉末で使用していましたが、そのうち棒状に成形され、蚊遣り火がたいへん煙たいものであったのに対して、少ない煙で効果的に殺虫成分を拡散させられるようになりました。
明治30年代になって渦巻き型の蚊取り線香が製造されるようになり、輸送にも便利で長時間燃焼できるようになりました。
第2次大戦まで、防除剤といえば除虫菊を原料としたノミ取り粉、蚊取り線香、殺虫液が主体でしたが、戦中・戦後の食糧難で除虫菊の栽培はほとんど姿を消してしまいました。
戦後、米軍によりもたらされたDDT(ジクロロジフェニルトリクロルエタン)は、当時たくさんの患者をだした発疹チフスやコレラの媒介者であったシラミやハエなどの退治に、卓越した効果をあげました。
その後日本国内で次々新たな化学合成薬剤が使われDDT、リンデン等の塩素系薬剤に続き、有機リン系薬剤が使用されるようになりました。
同じころ、除虫菊の研究もおこなわれ、除虫菊の有効成分であるピレトリンの研究により、昭和20年代後半にはピレトリンの類似物であるピレスロイドが作り出されるようになりました。
一時は万能薬とされたDDTでしたが、その後、環境への残留性が判明し、日本では昭和46年にDDTやBHC(ベンゼンヘキサクロリド)の使用が禁止されました。
近年、時代とともに衛生環境は急激に改善され、虫により媒介される伝染病は減りましたが、なくなったわけではありません。
グローバル化に伴う、人、物の国際的移動の進展により、デング熱(蚊が媒介)や重症熱性血小板減少症候群(SFTS、マダニが媒介)の発生に代表される、衛生害虫が媒介する感染症の脅威が広く認識されるようになり、より安全で効果的な薬剤が求められていることは、今も変わりありません。
ちなみに天然ピレトリンおよびピレスロイドは忌避性・即効性の高い成分です。
微量でも害虫によく効き、速い効力を示します。
例えば、キ●チョー●をハエに吹きかけるとすぐにノックダウンします。
蚊取り線香や電池式蚊取りを使った場合、蚊を殺すだけでなく薬剤濃度の薄い場所では蚊が嫌って近づいて来ないという効果もあります。
害虫の皮膚や口から入り、神経に作用しマヒさせて虫を退治します。
また哺乳類・鳥類など恒温動物の体に入っても、ピレスロイドは速やかに分解され、短時間で体外へ排出されてしまいます。
動物の体内だけではありません。
自然界においても、光・空気・熱に触れると他の殺虫剤よりも分解しやすい性質があります。
必要な時に必要な場所で効力を発揮して、その役目が終われば、すぐに分解されて消えていく・・・。
環境に優しい殺虫剤の有効成分なんです。
殺虫剤としては有効ですよね。
でも、防除剤としてはどうなんでしょうか?
すぐに分解されては困るでしょ?
結局МC製剤化して、地面に散布するのが一番効果的なんだと思います。
posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分