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今までは、コーナー札幌㈱の気密測定技術者に気密性能測定を依頼していました。
当然、毎回それなりの費用をお支払いしています。
でも、これは必要経費だと思っています。
建物の品質を維持する為に一定以上の気密性能は欠かせませんから・・・。
そう言えば、新築住宅全棟で気密性能測定を行うようになって随分と経ちました。
以前は中間時に、そして最近は完成時に測定を行っています。
中間時に測定していたのは、万が一不備があっても、その場ですぐに是正が出来るから。
完成時測定で不備があっても、是正する事は出来ません。
場合によっては、壁や天井の一部を壊す羽目に・・・。
でも最近は、測定時に是正する事なんてありません。
測定もすぐに終わってしまいます。
だったら、完成時測定に切り替えてもいいんじゃない?
そう思い、実行しました。
気密性能測定では、本来あってはならない施工不備による隙間の大きさを測定し『C値』を示すことが出来ます。
本来あってはならない隙間とは、あっても良い隙間以外を指します。
では、あっても良い隙間とは?
例えば、エアコンのドレンホースの穴です。
レンジフードの吸排気口や自然給気口・換気システムの排気口も、コレに当たります。
中間測定であれば、これらの穴をテーピングして測定を行います。
給排水配管やガス配管も同様です。
でも完成時であればテーピングはしません。
ドレンホースの穴はそのままだし、レンジフードの吸排気口や自然給気口はシャッターを閉めるだけ。
さすがに換気システムの排気口にはテーピングを行います。
そして衛生設備や給排水設備は水栓を締め、排水に水を張った状態にします。
その結果、中間時と完成時では若干の差異が生じることになります。
具体的に言えば後者の隙間の方が大きいんです。
最近『FPの家グループ』では、お引渡し後の経年C値を測定するようになりました。
こんなグラフもHPで公開しています。
これはご入居前のC値とご入居後のC値を比較する事で、経年による隙間の変化がどの位あるかを把握するのが目的です。
継続する事で、大地震の前後で比較すれば、その差異を知ることも可能でしょう。
でも、ご入居前の値が中間時なのか完成時なのかで、その結果には若干の違いが出て来ます。
おそらくこのデーターは、新築時の多くが中間時測定であったと思われます。
よって経年C値とはある程度の差が出ます。
この辺りの評価が難しいんですよね。
完成時に測定したC値の方が比較しやすいのでは?
これが弊社が完成時測定に切り替えた理由です。
気密施工に慣れ、不備が少なければ問題は無い筈です。
そうは言っても、中間時にも測定した方がより確実な筈・・・?!
でも、その為には測定会社に2回来て貰う必要があります。
まさか、その費用をお客様にお支払いいただく訳にもいきません。
随分悩みました。
そして熟慮の結果、気密測定器を購入する事にしました。
この測定器なら、意外と購入しやすい価格だったからです。
しかも、減圧法と加圧法の両方で測定する事が可能です。
そして『気密測定技能者』の研修を受け試験にも合格。
これで、自分で好きな時に測定が可能です。
疑問に思うところも、徹底的に突き詰めてみようと思っています。
と、言う事で現場に測定に来ました。
東京都練馬区平和台1丁目に建つ『FPの家 H邸』です。
現場前に車を停め、測定機材を建物内に搬入。
戸締りをして、一旦駐車場に車を停めに行って帰ってきました。
往復で10分以上掛かるんですよね・・・。
そして早速測定を始めようと準備を進めていたら、大きな問題が発生しました。
ガーン!?
外皮の貫通部に気密測定用のテーピングがされていません。
そうだった!
完成時に測定する積りだったんで省略していた事を忘れていました。
慌てて、テーピングを行いました。
レンジフードの排気ダクトです。
こっちはエアコンのスリーブです。
内側からテーピングを行うのが基本ですが、出来ない場合は外側から行います。
水道配管です。
換気システムのダクトです。
第1種換気の為、OA・SA・RA・EAの4本それぞれを塞ぎます。
この他にも、電話線やTVアンテナ用の空配管等にもテーピングを行いました。
続いて測定器の据付です。
初めての経験なので、マニュアルを見ながら組立て&設置を行いました。
無事据付完了です。
ジャーン!
こんな感じです。パソコンを持ち込み、接続してコントロールするようになっています。
機器を収納する専用ケースも用意されていません。
この辺りが安い理由なんでしょうね。
マニュアル通りにファンの暖気運転を行い、いよいよ測定開始です。
あれ?!
動きません。
よく見ると、エラーメッセージが出ています。
どうやら、ネットに接続する必要があるようです。
でも、そんな事マニュアルには書かれていません。
WIFIルーターなんて、持って来てないよ・・・。
事務所まで取りに行く時間も無いので、今日はここまでとしました。
午後は打ち合わせがあって、測定出来ないんです。
残念!
諦めて測定器を片付け、現場から撤収して来ました。また日を改めて、出直すつもりです。
でも今度は、機器の設置からで大丈夫!
少しだけ慣れたから、次はもっと早く出来ると思います。
減圧法から始めて、加圧法も試してみる積りです。
スモークマシンもあるので、途中でサッシからの漏気の様子も確認してみたいと思います。
楽しみです。
今後は、この測定器を使って、以前に行っていた気密測定見学会を随時開催しようと思います。
測定技能者を1日中現場に拘束するのが難しくて断念していましたが、見学者からの評価は中々高かったんです。
気密測定の必要性も世に広められますしね・・・。
もっと気密測定が当たり前にならなければなりません。
スモークマシンを利用して、サッシの気密性もアピールしたいと思います。
メーカーによる違いもありますが、形状による違いも大きいんです。
これを見た方は、結構ビックリすると思います。
完成時の測定は、従来通りコーナー札幌㈱の測定技能者に測ってもらいます。
経験豊かな測定技能者の方が、より安心でしょ?
測定系・検査系の作業は第3者に依頼した方が公正さを確保出来ると思います。
ある程度の経験を積んだら、お金を貰って気密性能測定を請け負うのも良いかも?
他社の気密性の程度や、有効な気密施工を知ることが出来るかも・・・。
posted by Asset Red
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