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弊社に声を掛けて戴いた方には、原則事務所に来て頂きます。
そして、状況に応じていくつかのパワポによるプレゼンを聴いていただきます。
例えば、こんなお話をさせて戴くんです。
第一条
この法律は、建築物の敷地・構造・設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命・健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
建築基準法第1条を抜粋・転載しました。
ここには基準法の目的が
『安全で安心して暮らせる社会を築くために、みんなで守らなければいけない最低限の基準』
である事が明記されています。
でも残念ながら、国民の生命・健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資するための必要十分な性能を満たした建物を要求している訳ではありません。
これって、世界標準なんでしょうか?
例えば世界保健機関(WHO)は、2018年11月27日に発表した『住宅と健康に関するガイドライン』の中で、次のような事を云っています。
持続可能な公平な未来のために健康的な住宅を促進するための推奨事項
住宅条件の改善は、命を救い、病気を防ぎ、生活の質を高め、貧困を減らし、気候変動の緩和に役立ちます。
住宅は、都市の成長・高齢化・気候変動の観点から、健康にとってますます重要になっています。
WHOの住宅と健康のガイドラインは、安全でない標準以下の住宅による健康への負担を減らすための実践的な推奨事項を提供する最新の証拠をまとめています。
新たに委託された系統的レビューに基づいて、ガイドラインは、不十分な居住空間(混雑)・室内の低温と高温・家庭での負傷の危険、および機能障害のある人々の住宅のアクセシビリティに関連する推奨事項を提供します。
以下略
ここで云う『安全でない標準以下の住宅』が日本の『最低基準をクリアした住宅』で無い事を願いつつ、先に進めさせていただきます。
英語を読める方は、原文を是非ご確認ください。
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/276001/9789241550376-eng.pdf?ua=1
ガイドラインの4章には以下のように書かれてます。
原文の抜粋です。
冷気は肺炎を起こし、循環を阻害し、喘息発作の症状や呼吸器疾患の悪化も引き起こします。
血管の収縮の誘発・虚血性心疾患を引き起こす可能性もあります。
心血管疾患にかかる率および死亡する率は、夏よりも冬の方が高くなります。
寒い室内は健康に悪影響を与えます。
健康への負担として、特に高齢者は呼吸器疾患と心血管疾患。
子供は呼吸器疾患が挙げられます。
室温18度未満の住宅に住んでいる人は、18度以上の家に住んでいる人よりも健康結果は悪くなります。
そして、断熱強化された住宅に住む事で結果は向上します。
室温は最低18度以上必要です。
そして高齢者・子供・病気(特に心肺疾患)の人は18度よりさらに暖かくする必要があります。
翻訳間違いについては、ご了承ください。
どうせ家を建てるなら、世界標準の家にした方が良いと思いませんか?
建築基準法を準拠した家は、決して『国民の生命・健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資するための必要十分な性能を満たした建物』ではありません。
個人的には、戦後の焼け野原に住処もなく困っていた国民のために、取り敢えず『雨風が凌げれば良い』というレベルの建物を示しているに過ぎないと思っています。
世界標準を踏まえた現在の暮らしに基ずく新しい法律が必要だと思うんですよね。
皆さんは、どう思いますか?
posted by Asset Red
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