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何日か前に、弊社事務所の前に置いた端材の話です。
緑掛かった105mm×105mm×450mmの木材。
実はこれ、国産檜の芯持ち材にACQを加圧注入した土台材なんです。
同じ時期に、少し茶色掛かった端材も並べました。
こちらも、105mm×105mm×450mmの木材。
国産檜の芯持ち材を人工乾燥させた土台材でした。
こちらは、既にご近所の方が持ち帰っています。
色が悪いんでしょうね。
なんだか、可愛そうな気もします。
元は同じ種類の木材なのに・・・。
売れ残っている木材を良く見ると、芯に向かって割れています。
これ、干割れと言います。
一般的には乾きすぎてヒビが入ったり割れたりすることをいいますが、木材の場合には乾燥するときにできる割れや裂けを指します。
また、割れ・裂けが乾燥工程のどのタイミングで生じるか、木材のどの部分にできるかによって、表面割れや内部割れ、木口割れなどでいくつかの呼び名があります。
また家を建てた後も木材は乾燥し続けるため、化粧材として見える場所に用いる場合は、あらかじめ見えなくなる裏側に「背割り」という溝を入れて、木材の変形を逃がすようにしています。
この干割れ、人工乾燥材には見られませんでした。
でも、加圧注入材はパックリ割れています。
これは両者の乾燥具合の違いだと思われます。
前者はしっかりと乾燥させている為、干割れが発生しません。
でも後者は未乾燥材の為、干割れが発生したと思われます。
檜の芯持ち材は、元々腐朽菌やシロアリに強い木材です。
でも、絶対大丈夫とは言えません。
だから、ACQという防腐・防蟻剤を材の中まで浸透させるようにします。
これが、加圧注入材です。
一方人工乾燥材には、防腐・防蟻剤が加圧注入されていません。
その為、現場にて高濃度ホウ酸水溶液をたっぷりと吹き付けます。
重要なのは、効果が長く続くかどうか。
そして塗り残しがないかどうかです。
効果が長続きするかどうかについては、どちらも心配ないと思います。
でも塗り残しの有無については、随分と違うんです。
現場塗布の場合は、うっかりミスが心配です。
そして、水溶液の濃度がカギになります。
薄くては、効果が期待出来ません。
施工後の水濡れを防ぐ事も大事です。
雨で流れてしまえば、全く無意味ですから・・・。
一方加圧注入材には、あまり心配な点はありません。
なんと言っても、工業製品ですから。
でも、先程の写真を見ていると心配になります。
表面から芯まで届く干割れの中には、防腐・防蟻剤は浸透していません。
ここは、唯一の弱点に当たります。
腐朽菌やシロアリに狙い打ちされなければ、良いんですが・・・。
ACQの加圧注入材って、未乾燥材が多いんです。
だから写真のような干割れは、現場でも発生していると思われます。
大丈夫なのかな?
もっとも弊社の場合は、割れ目に高濃度ホウ酸水溶液をたっぷり塗布しているから問題はありません。
でも世の中には、これを大量に使い現場塗布を行っていない建物もあるようです。
干割れ対策、どうしているんだろう?
干割れが発生すれば、隙間だって増えますよね?
未乾燥材であれば、反ったり曲がったりもするでしょう。
気密性を損なわないのかな?
人工乾燥材に加圧注入すればいいのに・・・。
でも、あまり見掛けません。
技術的な問題なのかな?
それとも、価格の問題?
いずれにしても、なんとかして欲しいと思います。
そう思いませんか?
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