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間もなく新しい現場が始まります。
『FPの家 N邸』
練馬区富士見台1丁目の住宅地に建つ、2階建て専用住宅。
工務店仲間から紹介され、家づくりのお手伝いをする事になったお宅です。
ここでは、地盤補強工事として弊社初めての工法を採用します。
その名も『RES-P工法』。
パイルド・ラフト基礎工法の一種なんだそうです。
何それ?
早速調べてみました。
「パイルド・ラフト(piled raft)基礎」を直訳すると『杭付きべた基礎』となります。
でも、『杭併用べた基礎』の方がニュアンスとしては、正しいようです。
解説書を見ると、『杭基礎と直接基礎の併用』という記述が多く見られます。
あれ、『直接基礎』と『杭基礎』を併用したら『異種基礎の併用』にならないの?
昔は同じ建物に杭基礎と直接基礎を用いると、『異種の基礎の併用』とされていました。
これって不同沈下の原因となる恐れがあるので、避けるべきだとされていたんです。
でも1980年代の初め頃から、パイルド・ラフト基礎の研究・開発が始まり、2000年以降その適用対象が超高層建物にまで広げられるようになりました。
『建築基礎構造設計指針』にも正式に取り入れられているそうです。
へぇーっ、そうだったんですね。
パイルド・ラフト基礎では建物の重量を杭基礎とべた基礎が分担します。
過大にならない程度の不同沈下が生じた時に、基礎の底面に地盤反力が作用することが必要です。
その為、べた基礎でなければダメなんだそうです。
実際には、弱い地盤に細径鋼管を貫入して地盤とパイプの複合作用で地盤を強くして沈下を防ぐらしい・・・。
使う細径鋼管って、足場に使う単管なんですよね。
先端加工も行わずに、これをそのままグリグリと回転させて圧入するようです。
沢山の細い杭の上に載る丈夫な板、これって剣山を地盤に挿すようなイメージでしょうか?
鋼管の先端に開いた孔からは、土がドンドン入ってきます。
鋼管の内外に詰まった土と鋼管には、かなりの摩擦力が働くと思われます。
沢山の杭が刺さった分、地盤だって圧密されて硬くなると思われます。
よく考えられていますよね?
材料だって、足場用の単管でしょ?
絶対安いと思います。
廉価な地盤改良工法だと思っていたんです。
じつは以前から、その名前と施工方法は知っていました。
でも、採用には至りませんでした。
だって、安くないんだもん・・・。
でも、今回は採用しました。
現場の前の道路が狭くて、曲がりくねっています。
大型車両が入る事が出来ません。
この点で、鋼管杭は除外されました。
91.16㎡の敷地に建築面積53.82㎡の建物を建てます。
柱状改良をしたくても、プラントおよび固化剤を置くスペースがありません。
よって、柱状改良もアウト!
結局、RES-P工法しか残りませんでした。
小さい重機で済むのもメリットのひとつらしい。
弊社向きの工法ですよね。
今から施工を見るのが楽しみです。
でも心配もあります。
前面道路の巾は4.0m。
一方通行路ですが、車の通りが意外と激しいんです。
杭や重機を降ろしている間に、車が来たらどうしよう・・・。
じつはもうひとつ、小さな心配がありました。
草ボウボウだったら、どうしよう?
と思っていたんです。
数年前に購入した土地だと言います。
でも、大丈夫らしい。
そう聞いていました。
甘かった・・・。
草刈りをしなければ、地縄も張れません。
刈った草を端において、地縄を張り、杭芯を出してもらいました。
青いテープを括りつけた5寸釘が杭芯です。
一般的な地盤改良に比べて、本数が多いでしょ?
基礎の立ち上がり位置に関わらず、バランス良く杭を配置します。
杭天端の高さは、砕石事業の下端になるようです。
これなら、杭天端が邪魔になり重機が入れないなんて事も無さそうですね。
仮設水道も間に合ったし、建築確認もギリギリ下りる予定との事。
連休明けには、地盤改良工事を行えそうです。
posted by Asset Red
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