合板の基礎知識⑦

弊社では無垢フローリングや無垢の建具&枠をお勧めしています。

シート貼り建材や合板フロアーはお勧めしません。

でも合板を否定している訳ではありませんし、下地や構造部材としては有効活用を図っているんです。

数回に分けて合板の基礎知識をご紹介していますが、6回目の今日も構造用合板の話です。

ホルムアルデヒドとは、合板用接着剤の原料等として用いられる化学物質の名称です

常温では無色の気体で刺激臭があり、その37%程度の水溶液をホルマリンと呼んでいます。

住宅の高気密化等に伴い1990年代にシックハウス症候群が社会問題となり、厚労省(当時の厚生省)は平成9年に、我が国初の『化学物質の室内濃度指針値』を策定しました。

その化学物質がホルムアルデヒドであり、数値は100μg/m3(0.1mg/m3)となります。

なお室内濃度指針値とは、『ヒトがその濃度の空気を一生涯に渡って摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される数値を算出したもの』/厚労省「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書-第8回~第9回のまとめ」であり、シックハウス症候群とは直接関係がある訳ではありません。

指針値を超えたら直ちにシックハウス症候群を引き起こすものではなく、また指針値以下だからシックハウス症候群にならないというものでもない訳です。

特に『化学物質過敏症』と呼ばれる人については、指針値により健康被害を判断する事は困難であり、医学的な対応が求められます。

平成15年7月からは、シックハウス対策としての建築基準法改正により、建築材料および換気設備に関する規制も行われています。

その主な内容は、以下のようになります。

①ホルムアルデヒド発散建材の内装仕上げ材への使用面積制限と同時に換気設備の設置義務化

②防腐剤としてのクロルピリホスの全面禁止

ホルムアルデヒド対策としては、室内濃度が厚労省濃度指針値を上回らないようホルムアルデヒドを放散するおそれのある建築材料については、換気回数と当該建築材料のホルムアルデヒド発散速度に応じて、内装仕上げの使用面積が制限されています。

またシックハウス対策としての建築基準法改正と連動して、平成15年に合板のJAS規格におけるホルムアルデヒド放散量区分も表15のように改正されています。

表示記号についてはJIS規格との整合性が図られ、放散量区分は『F』と『☆』の数の組合わせとなっていて、基準に合格したものだけに図3に示すJASマークの表示が認められています。

JAS規格におけるホルムアルデヒド放散量試験には一般に『デシケーター法』と呼ばれる方法が採用されています。

これは水中に吸収されるホルムアルデヒド量を測定する方法で、単位はmg/Lとなります。

そして基準値はデシケーター法による放散量の程度に従い区分されています。

合板のJAS規格におけるホルムアルデヒド放散量区分と建築基準法のホルムアルデヒド規制は表16のように対応しています。

最上位F☆☆☆☆の製品は内装仕上げとして無制限に使用する事が認められています。

F☆☆☆およびF☆☆製品は換気回数に応じて使用可能面積が制限されます。

またF☆製品は内装仕上げ材としては使用できません。

なお、天井裏などにはF☆☆☆の使用が認められています。

7回に分けてご紹介した『合板の基礎知識』ですが、今回で終わりとなります。

日本個合板工業組合連合会・公益法人日本合板検査会編/構造用合板の手引き から引用・抜粋させていただきました。

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