隙間の在り方

今回も気密に関する話を書きたいと思います。

建物の内外において圧力差が生じる要因としては、次の3つが考えられます。

①内外温度差(空気の比重量差)による浮力

②外部風による風圧力

③送風機などによる機械力

これらの要因によって、建物の開口・隙間の前後に圧力差が生じると、開口・隙間に風が流れます。

また、この時に流れる通気量は、次式(通気特性式)で求める事が出来ます。

通気量(㎥/h)=圧力差1㎩時の通気量(㎥/h・㎩の1/乗)×圧力差(㎩)の1/

ここで重要になるのが『隙間特性値(n値)』です。

ちなみにC値同様、気密性能測定をしなければ確認する事ができません。

この値は開口部や隙間の大きさ・形状などにより異なります。

単純開口だとn=2くらい、毛細管のように細く経路が長いとn=1に近づきます。

この値が1に近ければ、C値が小さくなるとは限りませんが気密施工の良し悪しの目安にはなりそうです。

C値とは、建物外皮にある無数の隙間の合計面積を建物床面積で除した値です。

例えば、床面積100㎡の建物の外皮面積にある隙間の合計が10㎠の時のC値は0.1㎠/㎡になります。

隙間の内訳は問われません。

1㎠の隙間が10個あっても良いし、0.1㎠の隙間が100個あっても良い訳です。

でも双方を比較すれば、後者の方が隙間風は少なく感じます。

また気密施工の観点から言えば、前者は明らかな施工忘れだと思われます。

n値を見ると、なんとなくではありますが、これを判断する事が出来るんです。

C値だけでなく、n値も重要視するべきだと思います。

弊社では、1.4位を目安にしています。

これを超えた場合は、原因を探ります。

大抵はエアコン配管の隙間や、アンテナや電話線を通した後のCD管の塞ぎ忘れが原因です。

完成気密測定でない場合は、玄関ドアに貼られた養生ダンボールが枠と干渉して、締まりが悪い場合もあります。

みなさんも気密性能測定の際には、是非ご確認ください。

気密施工の向上に繋がると思います。

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