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外壁の防水には、1次防水と2次防水があります。
1次防水とは外壁仕上げを指します。
サイディングやモルタル、タイル等々。
雨水の建物内部への侵入を防ぐ、第一の砦というところでしょうか?
2次防水は、外壁材の下に張られる透湿防水シート等を指します。
1次防水で防ぎきれなかった雨水の侵入を防ぐ、最後の砦に当たります。
意外と思うかもしれませんが、多くの1次防水は、ある程度の雨水の侵入を前提にしているんです。
侵入した雨水が2次防水によって、上手に排出する事を想定していますから・・・。
でも、その割に防水シートの長期性能を意識していません。
従来の外壁材の雨水侵入に関する保証期間は10年です。
この間に起きた漏水は、無償で是正しなければなりません。
でも、11年目以降は有償修理で対応します。
モルタル壁であれば、ひび割れの補修&再塗装。
サイディングであれば、目地の打ち替え&再塗装といった感じです。
でもモルタルやサイディングを剥がして、防水シートの張替えを行うケースは極めてレアなんです。
防水シートの保証期間も10年なのに・・・。
しかも防水シートの劣化が原因の漏水って、多いんです。
1次防水には手を加えても、2次防水には手を加えない。
直した方が良いことはわかっているけど、費用が嵩むんだよね・・・。
そうした考えの方が多いんでしょう。
でも、問題ですよね?
確かに、2次防水に手を付けるのは大変です。
モルタル壁やサイディング壁を撤去するか、これらの上に防水シートを張って、その上に仕上げ材を張る必要があります。
費用も時間も掛かります。
だったら、せめて30年くらいは雨水の侵入を防ぐことの出来る防水シートを採用すべきでしょう。
昨日の拙ブログにも書かせて戴きました。
国内の防水シートは、10年しか持ちません。
弊社が採用していたタイベックシルバーのデーターを挙げてみました。
このデーターに見れば、一目瞭然でしょ?
あまりの性能低下振りに、呆れてしまいます。
しかも施工中に当たる紫外線により、その寿命は更に短くなる場合もあります。
サイディング等の仕上げ材を張らない状態では、2か月が限度なんだそうです。
それ以上の期間紫外線に晒せば、シートはすぐにボロボロになってしまいます。
防蟻剤が付着するのも厳禁です。
防蟻剤に含まれる界面活性剤による防水性低下のメカニズムを挙げてみました。
これも、タイベックシルバーの資料を転載させて戴きました。
タイベックシルバーの、防蟻剤による防水性低下は15%。
でも一般的なシートの低下は82%にも及びます。
試しにタイベックシートを紙の上に置き、界面活性剤を含む家庭用洗剤を散布してみました。
タイベックシートを取り除き、紙を見ると濡れています。
そう、家庭用洗剤がシートをすり抜けてしまったんです。
15%低下するだけで、この体たらくです。
82%も低下したら、防水シートとは言えません。
そろそろ、防水シートの選択方法を改めないとまずいのでは?
本気で心配しています・・・。