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4月1日付のアセットフォー日記となります。
今日の練馬・板橋は曇り、でも気温は23.9℃もあります。
もはや、初夏ですよね・・・。
練馬区桜台6丁目に建つ『FPの家 y邸』のグラスウール施工を挙げたいと思います。
先日の拙ブログの続きとなります。
今回ユニットバス回りの断熱材として採用したのは、裸のグラスウールです。
高性能グラスウール16Kに該当する断熱材となります。
16Kとは、密度を示しています。
そう、1.0m×1.0m×1.0mの体積(1.0㎥)の重量が16kgとなる断熱材なんです。
一般的なGWは袋に入っていますが、弊社が使う場合は大抵、裸タイプを使います。
まずは、この写真を見てください。
柱-間柱間に断熱材を充填しました。
断熱材を壁内に充填する場合、まず最初に行うのが寸法合わせです。
高さ・幅を梁-梁間及び柱-間柱に合わせて裁断しなければなりません。
高さ方向であれば、梁-梁間寸法よりも5mm程度長く切ります。
そして幅方向は柱-間柱間よりも10mm程度大きく切ります。
次に、裁断した断熱材を柱-間柱間に充填します。
写真の場合、断熱材の向こう側には石膏ボード(以下、ボード)が張られていました。
ここが最初のポイントです。
断熱材を充填する際には、背中にボード類があった方が作業性及び精度が上がります。
なぜなら断熱材を一旦、後ろのボードに押し付ける事で、断熱材とボードの間の隙間を無くすことができるからです。
隙間があると、イラストのように空気の通り道になってしまいます。
通り道があれば、上昇気流が発生して熱対流による熱移動が起こります。
だから断熱材を、一旦ボードに押し付けて隙間を無くす必要があるんです。
押し付けた断熱材は少し凹みますが、じきに戻ります。
でも先程の写真のように、柱や間柱に接している部分は戻りにくいんです。
柱-間柱間より大きく裁断しているので、摩擦抵抗で戻りません。
そこで、カッターや差し金を使って戻す必要が生まれます。
柱や間柱と断熱材の間にカッター等を入れ、少しづつ断熱材を戻すようにします。
こんな感じに仕上げます。
是正前の写真です。
是正後は、こうなります。
是正前の写真です。
ちょっと分かりにくいので、イラストにしてみました。
平面的には、こんな納まりになっています。
入隅部分にボード受け材を入れている為、断熱材と受け材の取合いに隙間が生じていました。
これを解決するには、ちょっとコツがいります。
用意するのはカッターです。
イラストのように、ボード受けに沿って切目を入れます。
そしてカッターで断熱材を戻してあげます。
受け材裏の断熱材を戻すのが面倒なんですよね。
なんとか、終わりました。
チクチクしない断熱材で良かったと思います。
繊維系断熱材って、値段の割に性能が高いんです。
でも施工が完璧でなければ、本来の性能を発揮出来ません。
上表の一番上が、正しい施工方法となります。
100mm厚の断熱施工で熱貫流率0.366W/㎡・Kとなります。
グラスウールの寸法が著しく大きく、押し込み過ぎた状態が2番目の施工です。
この時の熱貫流率は0.438W/㎡・K、本来の性能の84%しかありません。
逆に小さすぎて、柱との間に隙間ができた状態が一番下の施工となります。
その熱貫流率は0.569W・K、本来の64%にしかなりません。
でも外皮性能は、本来の性能で計算してるんですよね・・・。
やってみるとわかりますが、こうした施工って意外と時間がかかります。
袋入りの断熱材を使っていれば、かなり難しいと思うんです。
でも関東地方の多くの現場では、未だに袋入りが主流なんですよね。
不思議で仕方ありません。
今日から、省エネ基準の適否を設計者が説明する制度が施工されました。
図面や外皮仕様に基づき、外皮性能や建物燃費を計算。
これが現行省エネ基準に適合しているのか、していないのかを判定し報告しなければなりません。
また適合していない場合には、適合させるための方法を伝える必要もあります。
でも、これって、あくまでも正しい断熱施工がされている前提なんです。
しかも気密性能なんて、お構いなしだったりします。
これって、どうなの・・・?
もっと暖かいと思ったのに・・・。
とか
思ったよりも電気代かかるんだね。
なんて事にならなければ、良いんですけど・・・。