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久々に木育ネタを書いてみたいと思います。
「木材って、濡らしちゃいけないんでしょ?」
こんな質問を時々受けます。
施工中の雨による影響を心配していると推察します。
可能であれば、濡らさない方が良いと思います。
そう答えるようにしていますし、もちろん濡らさない為の工夫もしているつもりです。
でも濡らしたら、即アウト!
という訳でもないんです。
木は元々雨晒しの中で育ちます。
濡れてすぐに腐っていたら、育ちません。
濡れたら、乾かす。
これが重要です。
木材と乾燥のメカニズムを簡単に説明してみます。
木材の代表的な水分状態の様式図を挙げてみました。
a.生材状態~木の中に自由水・結合水が共にが存在する状態です。
この状態から乾燥していくに従い細胞内の自由水は減少していきますが、結合水は減少しません。
b.繊維飽和点~乾燥が進み、細胞内の自由水が存在しない状態です。
この状態でも、結合水は飽和状態となっています。
c.気乾状態~さらに乾燥が進むと、結合水の減少が始まります。
大気中の湿度と平衡状態になった状態を気乾状態と言います。
d.全乾状態~さらに乾燥が進み、細胞中の結合水がほぼ無くなった状態です。
乾燥が進み、a~bの状態では木材に収縮は発生しません。
さらに乾燥が進み、cやdの状態になった木材には収縮が起こります。
自由水の出入りは簡単に起こりますが、結合水の出入りは中々起こりません。
だからこそ、木材を気乾状態・全乾状態にするのは大変なんです。
施工中の雨等による濡れは、木材中の自由水の量を増減させる事になります。
自由水の出入りは簡単に起こりますから、天気の良い日が何日か続けば大丈夫!
風通しを良くすれば、さらに安心です。
自由水の出入りによる木材の収縮もありませんから、ご安心を!
でも合板類は、少し心配なんですよね。
濡らさないように、心掛けた方が良いと思います。