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4月13日付のアセットフォー日記となります。
今日の練馬・板橋は曇り時々雨。
たまには雨らい降りますよね・・・。
板橋区蓮根1丁目『FPの家 I邸』では、朝から地盤補強工事を進めています。
今回採用したのは、小径鋼管による地盤補強です。
Φ101.6mm×9.5mの鋼管杭を24本貫入する予定でした。
この地域、地盤が弱いんです。
支持層は深いし、腐植土が多いので、柱状改良は適しません。
まあ今回は仮設水道も無いし、ちょうど良かったかもしれません・・・。
こんな杭を使います。
先端に羽根がついているので、回転を加えることで抜き差しが出来るのが良いですよね。
事前に挿しておいた杭芯を示す釘を目安に、鋼管杭を貫入します。
これが、今日の作業となります。
作業員は3名です。
杭打ち機のオペレーター×1名。
杭を運んだり、溶接したりする人×2名。
これに交通誘導員が加わります。
そして、監理者です。
私と監理者が見守る中、作業が開始されました。
その手順は割と簡単です。
①まず杭打ち機で杭を吊るし、杭芯に合わせて立てます。
その際に、杭芯から500mm離れたところにX・Y軸ともペグを打っておくのがポイントです。
杭を立てると、杭芯が見えません。
ペグからの距離で確認するしかないんです。
②杭を立てたら、杭が垂直かどうかを確認します。
杭に水平器を当てれば簡単です。
③垂直が確認出来たら、貫入を開始します。
杭の長さは5500mm。
これを4500mm程度貫入したら、一旦作業を中止します。
ここで隣の杭の貫入に移りますが、その手順は①~③と同じです。
でも、ここからは作業を分担して行います。
なるべく遊びがないように、あっちに行ったりこっちに行ったりを繰り返しています。
あまりの効率の良さに、関心しました。
④杭を貫入するのをチラ見しつつ、鋼管杭の頭頂部にソケットを挿し込みます。
⑤継手用の鋼管杭を吊るして、ソケットに挿します。
⑥鋼管の垂直を確認。
⑦ソケット部分を溶接します。
これで2本の鋼管が繋がり、長さ9500mmの杭に変わりました。
これを更に貫入します。
⑧天端の高さを確認しつつ、貫入を終えます。
終えた頃には別の杭の段取りが終わっているので、次々と作業を続けられます。
この調子なら、割と早く終わりそうだな・・・。
そう思った矢先でした。
一本の杭がスーッと入っていったんです。
GLから9000mm位でしょうか?
支持層に当たる深さですから、本来であれば礫と杭の干渉音がする筈です。
かなりの圧を掛けなければ、杭が入らない筈なんです。
それが、スーッと入ってしまいました。
おかしい・・・?
監理者の判断で、その杭の周りの杭を集中的に貫入してみました。
どうやら、所々に支持層の深い箇所があるようですね。
残念ながらSS試験では、発見出来ませんでした。
SS試験は、あくまでも調査したポイント(5ポイント程度)の地盤強度を確認するものです。
調査しなかったポイントの強度は、推定に過ぎません。
その性質上、こうした事態も起こり得るんですよね・・・。
そうそう、あるモノでもありませんが・・・。
結局監理者判断で、支持層の深い所は12mくらいまで鋼管杭を貫入する事にしました。
もちろん材料が足りなくなります。
急遽、継手用の杭を手配して貰いました。
逆に9500mm貫入しようとしても、地盤が固くて入らない箇所もありました。
『高止まり』と言いますが、こうした場合は1m程度鋼管を切断して、貫入を途中で止めています。
貫入を終えた杭の頭です。
最後に、キャップを被せて作業完了となります。
でも、最近はキャップをしないで終わらせる事が多いんです。
キャップを付けても、基礎工事の根切りの際にユンボの爪を引っ掛けて外してしまう事が多いからなんだそうです。
キャップを杭の本数分だけ預かり、根切完了時に被せてハンマーで打ち込みます。
基礎業者も「作業が増える!」と文句を言いそうですが、不思議と納得するんですよね・・・。
と言うことで、24本全ての杭を打ち終えたら作業完了です。
杭周りに盛り上がった土を平らに均して、重機や工具を片付けます。
隣の敷地では、基礎コンクリートの打設を行っていました。
道路には生コン車と杭打機、そして交通誘導員×2名が忙しく働いています。
雨降らないで良かった・・・。
地盤補強、無事完了です。
すぐにでも基礎工事を始めたいところですが、隣地のコンクリート打設の影響で、土曜日まで着工出来ません。
そろそろ、工事車両用の駐車場も探さないとなぁー・・・。