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今回も興味深い話をひとつ、ご紹介したいと思います。
人間のような高等動物は、口から摂取する食物を原料として体をつくっています。
樹木はどうでしょうか?
土の中の養分と水分を根から摂り入れ、それを原料として木材をつくっている?
これ、全くの勘違いなんだそうです。
なぜなら根から水と一緒に吸収される養分は、窒素・リン酸・カリウムなどの無機物。
これに対して、木材の主要化学成分であるセルロース・ヘミセルロース・リグニン。
全て、炭素を含んだ有機化合物だからです。
無機物と水をどう組み合わせても、有機化合物にはなり得ません。
この世において、無から有は生じません。
では、樹木はどこから炭素を調達しているのでしょうか?
ここで思い出して欲しいのが、理科の授業で習った『光合成』です。
「植物は空気中の二酸化炭素を摂り入れて、酸素を放出する。」
覚えていましたか?
CO2を摂り入れてO2を放出すれば、残るのはCだけ。
このCが木材の原料になっている訳です。
葉緑素が光エネルギーを使って水と空気中のCO2からブドウ糖を合成する。
この作用が『光合成』です。
樹木は光合成でつくられた糖を体内部に行き渡らせます。
そして、それを原料として細胞壁をつくります。
人間にこの機能があれば・・・。
水を飲みながら日光浴をするだけで生きていけるのに・・・。
人間より植物の方が高等生物なんじゃないの?
科学の力で光合成を解き明かして欲しいですよね。
そうすれば、食料問題も解決できるのでは?
いまさら人には聞けない木のはなし
林知行 著
日刊木材新聞社 刊
から、一部を抜粋させて戴きました。
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