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今回は悲しい話をひとつ、ご紹介したいと思います。
木製サッシって良いですよね。
でもやっぱり高いので、中々採用できません・・・。
性能が高い分、冷暖房の消費エネルギーは少なくなるけど、初期投資分を回収するのは難しいんです。
防火対応品であれば、なおさらです。
予算があれば、インテリア性を加味して、部分的に採用する方は時々います。
そんな弊社OBのお話です。
先日、電話を戴いたんです。
25年前にFPの家を建てた方からの電話でした。
「輸入木製サッシが腐食しています。」
「やはり木製だから、普通のサッシに比べて長持ちしないんですか?」
初めてお話する方でした。
早速、現状を確認すべくお邪魔して来ました。
マーヴィンのアルミクラッドサッシでした。
片側がfixで、もう片側がスライドする『スライディング・パティオ』と言われる窓です。
複層ガラスが入っていました。
外側のアルミ部分を残して、隅部の木製障子がすっかり腐食でなくなっています。
凄い・・・!
木製サッシの採用経験の少ない私自身、初めて見ました。
こんな事になるんですね。
特に雨漏れは発生ししていません。
状況を確認しつつ、ご主人の話を伺ってきました。
「とにかくガラスの結露がひどくて・・・。」
「だから、これを貼ったのよ。」
ガラス下部には、フェルトテープが貼ってありました。
カーテンを締めっきりだったようですね。
久し振りに開けたら、腐っているのを発見したそうです。
他の窓も見てみましたが、やはりカビが発生していました。
幸い腐朽に至っていたのは、この窓だけでしたが・・・。
社に戻り、当時仕入れた問屋に連絡を入れてみました。
すでに25年以上経過している為、メーカーによる対応は当然有償になります。
「どんな対応が出来るの?」
「継続品であれば、障子交換となります。」
「でも、スライディング・パティオは既に廃盤になっています。」
「部品の提供も出来ません。」
「腐朽部にウッドパテを充填し、硬化後平らに切削し、木目を書くしかありません。」
窓をそっくり交換する事も可能です。
足場を架け、外壁&内壁を壊し、サッシを交換。
そして、壁を復旧し足場を撤去します。
費用も時間も掛かります。
確かに現実的な方法とは思えません。
ほったらかしという訳にもいかないでしょ?
これでは、気密も確保出来ていない筈。
ご主人は、最も安価に済む方法を提案して欲しいと仰っています。
早速、補修の線で見積をお願いしました。
ネットを見てみると、当時の輸入サッシでは当たり前に起こっている現象のようですね。
同じような写真を発見出来ました。
腐食している部位も、ほぼ同じです。
「ここが危険!」
なんて投稿もありました。
「木製サッシは、定期的なメンテナンスが必須です。」
「25年もほったらかしていれば、腐朽するのは当たり前なんですよね。」
確かに、そうだと思います。
でも、それを使用者側に任せっ放しというのもおかしいですよね。
採用の際に、キチンとアナウンスしたのかな?
ご入居後も定期的に、メンテナンスの必要性を訴える必要もあったでしょう。
弊社の落ち度も、ありそうですね。
しっかりと対応して、今後の良い糧にしたいと思います。
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