防蟻対策・防腐対策

昨日、弊社現場近くの道路に停まっていたトラックの荷台を撮ってみました。

〇〇工務店の躯体を運んでいるようですね。

枠組壁工法のパネルと思われます。

緑色のランバー材が組まれていました。

〇〇工務店の木材は『ACQ』という安全性の高い薬剤を使っています。

そして、その薬剤を『加圧注入』している為、シロアリ対策はばっちりなんだそうです。

ACQとはヒ素やクロム化合物を含まない、JISおよびJAS規格の安全な防腐・防虫剤です。

木材に塗布するのではなく加圧注入するため、木材内部に浸透し防腐・防虫効果が長持ちします。

薬剤が固着すると揮発や流出がなく、汚染の心配もないので人にも安全です。

緑色は、成分中の銅に由来しているそうです。

また加圧注入とは木材を注薬管と呼ばれる釜に入れ、高い圧力をかけながら薬剤を木材内部に深く浸透させる方法です。

保存処理方法の中では、最も効果が高いとされています。

深部まで浸透するため、腐りやすい辺材部分(木材の外側の白っぽい部分)全体を保護します。

建築基準法で定める一般的な防腐・防蟻の処理範囲は、地面から1メートルの高さまでとなっています。

『シロアリによる食害はGLから1.0m程度しか発生しない。』

こんなイメージをお持ちの方が多いからだと思います。

でも解体現場を調べてみると、そんな事はありません。

ヤマトシロアリ・イエシロアリに関わらず、かなりの高さまで被害は及んでいます。

これを見る限り、防蟻・防腐の常識を変える必要があると感じます。

その点、〇〇工務店はさすがですね。

床下と1階の構造材のほぼすべて。

そして、バルコニー・破風板にも防蟻・防腐処理を施しています。

最近は2階構造材にも処理を行う仕様があるそうです。

外部に接し、シロアリや腐れの影響を受けやすい構造材及び下地材には隙間なく徹底的な処理を施すことが重要です。

〇〇工務店の家は、組み合わせると見えなくなる部材の面も工場で丸ごと処理。

躯体の組み立て後に薬剤を表面塗布する一般的な現場処理とは異なり、シロアリの入る弱点をつくりません。

でもトラック上のパネルを見ると、上枠は緑色をしていません。

上下2段とも、木材色をしています。

そう言えば以前、SNS上に〇〇工務店オーナーの記事が投稿され、一部で騒がれていました。

その投稿によれば、躯体の一部にACQと異なる防蟻・防腐処理が施されているらしい・・・。

しかも加圧注入ではなく、薬液に浸漬させる方法を採用しているとの事。

不審に感じたオーナーは、〇〇工務店にの質疑を投げかけたそうです。

その質疑に対する〇〇工務店側の回答は以下の通りだったそうです。

「ACQばかりがアピールされる〇〇工務店の防蟻対策ですが、その防蟻対策はかなり戦略的に考えられています。

ACQの他、アリピレス・ニッソーコートAWなど複数の薬剤をその特性にあわせて組み合わせ、各部位に使用する事で、高い防蟻性能を実現しています。」

 

〇〇工務店の現場写真を見ると、場所によって色々な種類の防蟻剤が使われていることがわかります。

担当者の言うように、その防蟻剤の選択は非常に合理的です。

簡単に説明すれば、2012年6月上棟以降のメイン商品に使用されている薬剤は「忌避性(シロアリが嫌がる成分)」に着目しています。

アリピレスという薬剤が、これに該当します。

シロアリはアリピレスを塗った木材(正しくはアリピレスを満たしたプールのような所にドブ漬けしている木材。)には近づきません。

ピレスロイド系殺虫剤は、ACQに比べて即効性の高い殺虫剤です。

近づいてきて木材の表面に触れる(正しくは舐める)と、シロアリはすぐに死んでしまいます。

加圧注入すれば、もっと良いのに

表面から多少は染込むものの、所詮は表面処理なんでしょう

と思われる方も多いでしょう。

でも残念ながら、ピレスロイド系の薬剤は加圧注入に向きません。

ACQのように木材内部に沁み込んでくれないんです。

一方、ACQはシロアリの忌避性が低いため、ACQ処理された木材は食べられてしまいます。

食べてから死ぬまでの時間も短くありません。

これはACQ自体がシロアリを殺すのではなく、中に含まれる殺菌成分がシロアリの体内にいる『木材を分解する細菌』を殺すことで、シロアリをいわば餓死させるからです。

シロアリは体内常在菌に木材繊維を分解させることで、栄養に変えています。

餓死ですから、ACQがシロアリを殺すためにはそれなりの時間がかかります。

忌避性もありませんから、その間の食害を防ぐことはできません。

仮にACQが木材表面に塗られただけであれば、表面の木材が食害され、そこに穴が明いてしまいます。

そして、次のシロアリがその穴から入り込んでしまいます。

これを一点突破と言います。

だからこそACQは、加圧注入が必須となります。

木材の表面だけではなく木材内部にまでACQを浸透させ、シロアリの食害にあっても、防蟻効果が維持できるようにする。

これが必要不可欠なんです。

でも忌避性の高い薬剤であれば、その必要はありません。(とはいうものの、一点突破の危険性は残るんですよね・・・。)

そしてシロアリは木材だけでなく、断熱材やコンクリートなどあらゆるものを侵食します。

そこで〇〇工務店は、断熱材にも防蟻処理を施しています。

でも使われている薬剤は『ニッソーコートAW』です。

遅効性・非忌避性をもつネオニコチノイド系の殺虫剤ですが、欧米では使用する事が出来ないんです・・・。

特に妊娠中の方や乳幼児へ影響が懸念されています。

ミツバチがいなくなった原因として、問題視もされています。

色々と書かせて貰いましたが、〇〇工務店の防蟻・防腐対策って凄いですよね

ここまでやっているのに、なんで上枠は処理しないんだろう

本当に不思議です。

防蟻・防腐処理に用いられる代表的な薬剤と、その特徴を挙げてみました。

従来の防蟻・防腐剤は忌避性・即攻性のものがもてはやされました。

でも最近は、非忌避性・遅効性の薬剤を使う傾向にあります。

忌避性の高い薬剤は、塗りムラがあればすぐにわかってしまいます。

そもそも、忌避性の高い薬剤ってヒトにも悪影響を与えるんです。

即効性があれば、食べたシロアリはすぐ死んでしまいます。

仲間だって「あっ、ここヤバイと、すぐにわかります。

非忌避性薬剤を使用する事で安全性を高め、遅効性薬剤を使う事で巣に帰ったシロアリの死骸を食べた仲間のシロアリが死ぬ事を狙う。

実に合理的でしょ

注目して欲しいのは、薬効のある期間です。

5年で薬効が切れてしまったら、その後どうなるの

大きな判断基準と言えそうです。

弊社では、ACQもアリピレスもニッソーコートAWも使いません。

えっ、何を使っているかって

それは、次の機会にご紹介させて戴きます・・・。

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