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5月20日付のアセットフォー日記となります。
間もなくお引渡しとなるお宅があります。
練馬区富士見台1丁目に建つ『FPの家 N邸』です。
弊社の場合、全てのお宅でお引渡し前に行う事がいくつかあります。
その中のひとつが『室内空気環境測定』です。
なんだか難しそうな測定でしょ?
でも、たいして難しい事ではありません。
写真のような2つの測定バッジを用い、次の6つの化学物質の室内放散濃度を測定します。
①ホルムアルデヒド
②トルエン
③キシレン
④エチルベンゼン
⑤スチレン
⑥パラジクロベンゼン
①のみ、赤い袋の上に置かれたバッジを使います。
そして②~⑥の物質は、全て緑色の袋の上に置かれたバッジを使います。
室内には色々と『空気を汚す物質』が含まれているんです。
先述の6物質は、建築工事に関わる『空気を汚す物質』なんです。
これらをお引越しの前に測っておいた方が良いでしょ?
測定方法は、至って簡単です。
まずは、取り扱い上の注意点です。
・測定バッジは35℃以下の常温で保存しなければなりません。
・赤いバッジの保証期限は製造日より6か月、緑のバッジの保証期限は製造日より1年となっています。
また輸送や在庫の都合上、製造日から1~2か月程度経過したバッジが届くこともあるので、注意が必要です。
なお弊社では、測定予定日の1週間程度前に届くように発注するようにしています。
・測定バッジは、袋を開封すると測定が開始されます。むやみに開封してはなりません。
それでは、測定方法です。
①家中全ての窓と扉を一旦開放します。目安は30分程度です。
②室内扉は開放状態のまま、全ての窓を閉鎖します。24時間換気システムは稼働状態を保ちます。
③厚生労働省の指針では、室温は25℃にする事になっています。必要であれば、エアコン等で温度調節を行ってください。
④測定バッジは、部屋の中央付近で、床から1.2~1.5mの高さに設置します。
弊社では、写真のように脚立天端にバッジを2つ挟むようにしています。
⑤この状態で、最低8時間、出来れば24時間測定をします。その時間帯は任意となりますが、24時間未満の測定であれば、14~15時が測定時間の中央になるように開始・終了時刻を設定してください。
なお、8時間以上40時間以内でなければ、分析・報告は出来ません。
⑥測定が終わったら、速やかに測定バッジを袋に戻し、ファスナーをしっかりと閉め、分析機関に送付します。
以上です。
概ね1週間~10日程度で、分析結果報告書が手元に届きます。
そこには、先述の6化学物質の室内放散濃度が書かれているので、これを厚生労働省の指針値と比べてください。
そうそう、測定中に室内へ入るのは厳禁です。
だから、こんな貼り紙をして玄関ドアの工事キーを持ち帰ります。
なお室温が25℃の時の指針値は、以下の通りとなります。
ホルムアルデヒド・・・0.08ppm
トルエン・・・0.07ppm
キシレン・・・0.05ppm
エチルベンゼン・・・0.88ppm
スチレン・・・0.05ppm
パラジクロベンゼン・・・0.04ppm
※1ppmとは、空気1㎥あたりに1㎤の化学物質が含まれている濃度=0.0001%を指しています。
この指針値は「健康な人が、その化学物質による健康被害を受けないであろう値」であり、この数値を上回ると直ちに健康への被害がある訳ではありません。
また、現時点ではあくまでも指針値であり強制力を伴うものでもありません。
この値を下回ることが望ましい状態にである事は確かですが、かと言って、これを上回ったとしても換気促進を図るなど濃度低減は可能です。
また、入居後の家具やカーテン等から放散される化学物質の量もバカになりません。
これらの放散を極力減らす対策も重要となります。
若干の費用と少しの手間で、室内空気に含まれる代表的な化学物質の放散量は確認できます。
また数分で計測できる簡易測定器も、購入することが可能です。
写真はクリーニング屋さんから持ち帰った洗濯物の上に簡易測定器を置いて、ホルムアルデヒド濃度を測定した時のものです。
見事、指針値を大きく超えてしまいました。
この時は、慌てて窓を開けました・・・。
もちろん、換気システムは稼働していました。
測ってみるとわかりますが、有害物質って色々なモノから放散しているんです。
だから、換気って重要なんです・・・。
posted by Asset Red
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