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昨日、無事お引渡しとなりました、練馬区富士見台1丁目に建つ『FPの家 N邸』の話です。
今回は『住宅気密性能試験』の様子をご報告したいと思います。
と言っても、失敗談なんです。
面目ありません・・・。
完成現場における気密測定の為、事前に準備が必要となります。
①壁に設置された自然給気口の蓋を全て閉めます。
閉め方が甘いと隙間が出来てしまい、測定結果に響いてしまいます。
テーピングを行う工務店もあるようですが、弊社では蓋閉めただけ・・・。
せめて、帯だけでも外した方が良かったかも?
ちなみに施工中に行う測定であれば、そもそもテーピングをした状態で行うため、こんな心配はいりません。
②天井に設置された排気口にテーピングを行います。
排気口は蓋をする事が出来ません。
換気システムを通じて外気に繋がっていますから、穴を塞がなければ全て隙間になってしまいます。
③今回は全てのエアコンが施主施工となったため、急遽エアコンスリーブに蓋を付けました。
蓋を付けないと壁にポッカリ穴が明いている状態なんです。
念の為、ここにもテーピングを行っています。
④レンジフードおよび給気口にもテーピングを行いました。
⑤衛生設備の排水口にも、念の為テーピングを行いました。
⑥全てのサッシ及び玄関ドアを閉めました。
これにて、準備完了です。
あっ、測定器の設置は別の人が行っています。
いつも来て戴いている気密測定技能者のK氏に試験をお願いしました。
小窓に送風機を設置、計測器はすぐ脇に据え付けています。
気密試験には、加圧法と減圧法があります。
イラストのように、窓に設置した送風機を使って外気を導入するのが加圧法。
反対に室内空気を排出するのが減圧法です。
双方にメリット・デメリットがありますが、木造住宅の場合には後者が一般的です。
今回も減圧法を採用しました。
まずはN様夫妻に、K氏を紹介します。
そして試験装置を見て貰いながら、気密性能試験についてレクチャーしてもらいます。
その後、試験を開始。
風量を増やしながら、内外気圧差を測定します。
途中、窓に張られたフィルムに触ってもらいました。
測定前はダラーンと垂れていたフィルムですが、測定開始後はピーンと張ってきました。
測定終了間際は、風船のようにパンパンに張っていました。
異なる5つの風量時の差圧を測定して、気密測定完了です。
しばらく待っていると、レシートが出て来ました。
ここに相当隙間面積やn値等が書かれています。
相当隙間面積αA=42㎠
隙間特性値n=1.68
その他、いくつかの値が記載されていますが、ここでは割愛させて戴きます。
えっ!
うそ?
こんなにヒドイの・・・。
数値を見て、少し狼狽えてしまいました。
床面積は100㎡ありますから、C値は0.4㎠/㎡になります。
マズイ・・・。
0.3㎠/㎡くらいだと思っていたのに・・・。
この後2回測定を行い、3回の平均値をC値とします。
その値は、3回とも、ほぼ同じでした。
結局、C値は0.4㎠/㎡になりました。
どこが悪かったんだろう?
隙間特性値を見ると、ある程度のまとまった隙間があるようです。
隙間特性値が1.5を切っている場合は、小さい隙間がたくさん集まっている事を示しています。
でも、この値が1.5を超えている場合は、大きい隙間がある事を示しているんです。
塞ぎ忘れた穴があるのかも?
慌てて、原因箇所の特定をしました。
経験上、犯人はだいたい想像が付くんです。(だったら、最初から気付けよ!)
ここかも知れない・・・。
そう思って手を当ててみると、手のひらに風を感じました。
犯人発見です。
2階リビングのエアコン配管の回りから、ピューピュー風が入ってきます。
2階の為、ここだけは足場撤去前にドレン管&冷媒管を配管していました。
でも室内機&室外機の取付は施主手配となります。
蓋をしようと思いましたが、配管が邪魔で、ここだけは蓋が出来ません・・・。
でもエアコンスリーブの設置時に、その回りの防水&気密施工はしっかりとしています。
問題ないだろう・・・。
そう思ったんです。
でもよく考えてみれば、配管とスリーブの間の隙間には何も詰めていません。
いつもは取付工事の最後に、現場発泡ウレタンをたっぷりと充填していますから・・・。
上図の『後日埋める隙間』が問題の隙間です。
この隙間、およそ8㎠。
ダメじゃん!
これを42㎠から引けば、本来の相当隙間面積(34㎠)になります。
この時のC値は、0.3㎠/㎡です。
これなら合格!
事情を説明し、N様にご理解戴きました。
「エアコンの施工をする際には、必ず丁寧に隙間を埋めさせてください。」
「そしてエアコンの施工が完了したら、もう一度測定させてください。」
そうお願いして、気密性能試験完了です。
いつもの報告シートを見せながら説明するK氏と、熱心に説明を聞くN様。
申し訳ありません。
あまり後味の良い結果とは言えませんでしたね・・・。
反省・・・。
そのやりとりを見ていたK氏は呟きます。
「いや、この値なら全然問題ないんです。」
「普通なら、自慢しても良いくらいの値です。」
「アセットフォーさんは、厳しいんですよね・・・。」
いえいえ、そんな事はありません。
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