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6月12日付のアセットフォー日記となります。
今日の練馬・板橋は晴れ。
暑いですねー。
身体を動かすと、ドッと汗が噴き出ます。
風通しの良い日陰で涼んでいたいなぁー・・・。
でも板橋区蓮根1丁目に建つ『FPの家 I邸』では、FPウレタン断熱パネル(以下、FPパネル)の施工が行われています。
1階の大引きを撮りました。
白い粉はホウ酸の結晶です。
たっぷりと高濃度水溶液を噴霧したので、乾くとこうなっちゃうんです。
床下もきれいでしょ?
箒と塵取りを使って、清掃しました。
だって、これから大引き間にFPパネルを充填するんだもん・・・。
木屑やゴミが落ちていたら、シロアリの餌になってしまいます。
床下をきれいにするのは、当たり前です。
FPパネルを大引き間に入れたら、リユースネイルで固定します。
パネルの4辺には木枠が入っているので、釘を斜め打ちして大引きに留め付けます。
FPパネルを充填すると、こうなります。
厚さ105mmの硬質ウレタンフォームですから、載っても大丈夫!
さすがに固いもので叩いたり、尖った物を刺したりするのはNGです。
大引きに直交するように、厚さ24mmのネダノン合板を張ります。
ちなみに1階では、実付タイプを採用しています。
床合板の施工が終わったら、FPパネルを柱間に充填します。
写真は、厚さ105mm×巾803mm×長さ2,600mmサイズの開口無しタイプとウレタン掛矢です。
掛矢と言えば、ケヤキ製の掛矢が一般的だと思います。
でもパネルを打ち込む場合には、ウレタン製がオススメです。
その理由は、あとで説明したいと思います。
FPパネルの縦枠には、写真のようなウレタンスポンジが貼られています。
厚さは2.0mmというところでしょうか?
柱-柱の寸法が910mmの場合、105mm×105mmの柱を使っていれば柱間の寸法は805mmとなります。
これを柱の内法寸法(うちのりすんぽう)といいます。
いっぽう805mmの柱間に入れるFPパネルの巾は、803mmです。
その差2.0mm。
そう、クリアランスは2.0mmしかないんです。
しかもパネルの縦枠には、厚さ2.0mmのスポンジが2枚貼られています。
また土台-梁下間の寸法は2,600mm、ここに入れるパネルの寸法はぴったり2,600mmです。
クリアランスは、まったくありません。
こんなパネルを入れるんですから、大変です。
えっ、何が大変かって?
①狭い現場を大きなパネルを持って運ぶのが大変です。
ちなみに、パネルの木口には写真のような品番が書かれています。
この品番とパネル図面を見比べて、パネルを充填場所まで運びます。
パネルの上部には、写真のような『合格印』が押されています。
この印が無ければ、工場出荷時の製品チェックを通っていない事になります。
1枚1枚合格印がある事を確認しつつ、これが外側になるように充填しなければなりません。
FPパネルを柱間に合わせたら、掛矢で叩いて入れていきます。
右下→左下→右上→左上
という具合に、少しづつ叩いて入れていきます。
入れ過ぎると、パネルが斜めに入ってしまいます。
こうなると、叩いても入らないんです。
仕方ないですよね、スポンジの厚さを入れれば柱間よりも2.0mm大きいんですから。
スポンジを潰しながら、少しづつ叩き入れる・・・。
ひたすら、この作業を続けるしかありません。
この時使う掛矢が問題なんです。
木製掛矢の方が軽くて、作業効率が上がります。
でも、パネルを叩く際の音が大きいんです。
音が大きいと近隣からクレームが来ます。
そこで、ウレタン掛矢を使うようになりました。
重くて作業は大変だけど、音は小さいんです。
と言っても
ドン!ドン!ドン!
という振動音は、かなり凄いんです・・・。
事前に挨拶回りをしているとは言え、クレームを戴くことはあります。
特に中間期は多くなります。
窓明け通風をしているご家庭が多いですから・・・。
私も午前中だけ、パネル叩きをして来ました。
腕がパンパンになります。
1枚当たり60回程度も叩かなければならないからです。
叩き入れたら、リユースネイルで固定します。
外ら見ると、こんな感じになります。
工場で一枚一枚オーダーメイド加工されたパネルが運ばれて来ます。
だから、窓開口をする必要がありません。
妻壁の3角形や台形パネルも同様です。
入れるのは大変ですが、一旦入れてしまえば隙間もありません。
躯体との取合い部分に気密テープを貼れば、気密処理も完了です。
朝一番、写真のパネルが運ばれて来ました。
『EXハイパー』という耐力パネルです。
このパネルも、専用工場でプレカットされています。
だからパネル図面の通りに配置して、専用釘で留めるだけなんです。
専用釘も、一緒に入って来ました。
こんなパネルです。
様々なメリットがあるので、少し前から標準的に採用するようになりました。
その特長を挙げてみます。
①石膏系のパネルですから、従来の木質パネルと比べて『火』に強いんです。
②耐力パネルの目的は、地震や風による建物の変形を抑えることにあります。
これを断熱材の外側に張るケースが多い訳ですが、素材によっては躯体から発生する水蒸気の移動を妨げてしまう物もあります。
断熱材内の水蒸気が抜けないと、壁内結露の原因になるかもしれません。
FPパネルは水蒸気を含みにくい素材ですが、工事中の雨水が表面に残っているかも知れません。
うっかり、この上にパネルを張ってしまえば、パネルとパネルの間の水蒸気はどこにいくのでしょうか?
弊社も以前は採用していましたが、『構造用合板』や『木質系パネル』の多くがこれに該当するんです。
水蒸気の通しやすさを『透湿抵抗』と言いますが、この値が小さい程、水蒸気移動を妨げません。
EXハイパーの透湿抵抗は『0.66』、木質系パネルの『8.1』と比べると1/12以下になっています。
これを見ると、セメント系パネルも意外と水蒸気を通しにくい事がわかります。
実験結果を見て貰った方が、わかりやすいと思います。
でも石膏系のパネルって、水に弱そうですよね?
濡れたら崩れてしまいそう・・・。
そんな心配はいらないようです。
③実際にサンプルを水に漬けてみましたが、石膏ボードのように吸い上げることはありませんでした。
④しかも石膏ボードは木質繊維を含みません。
シロアリや木材腐朽菌の被害も無いんです。
当然、防蟻・防腐剤を塗布する必要もありません。
防蟻・防腐剤に含まれる『界面活性剤』が、透湿防水シートの防水性を損ねてしまうという問題も、解決してくれるんです。
ただし、良い事ばかりではありません。
重いんですよね・・・。
大工さんには、ご迷惑をお掛けしています。
でも罪滅ぼしに、以下の対策を実施したんです。
①搬入時に荷揚げ屋さんを手配して、大工さんの手を煩わせないようにしました。
②パネルのプレカットを行い、現場加工をゼロにしました。
③パネルの残材をゼロにして、ゴミ詰めや運び出しもゼロにしました。
あくまでも、耐力パネルと断熱パネルについてだけなんですが・・・。
それでも、大工さんには好評です。
FPパネルと耐力パネル、どちらも弊社の建物には必須の部材です。
工夫を凝らすことで、省力化・合理化・規格化が図れればと思います。
コストが下げられれば言う事ナシですよね。
もちろん、頑張ってみます。