C値についての質問

先日、弊社を訪ねてくれたお客様から戴いた質問です。

「日本のC値って、どの位の内外圧力差で測定するんですか

えらくマニアックな質問でしょ

話を聞いてみると、パッシブハウスを見学してきたようです。

パッシブハウスジャパンの会員さんによる、レクチャーをきちんと受けてきたようです。

気密性能の重要性は、ご理解戴いているとの事。

ナルホド・・・。

納得です。

各国における気密性能の基準値は、上表のように表示方法が異なります。

例えば室内外圧力差では、4~50Paとかなりの幅があるんです。

基準値についても、色々あります。

通気量そのものを表示する場合。

通気量を外皮面積で割った値で表示する場合。

換気回数(漏気回数)で表示する場合。

等々・・・。

ちなみに日本の場合は、圧力差9.8Pa時の総相当隙間面積を実質床面積で割った値を採用しています。

これらを比較するのは難しいですが、ある仮定に基づいて基準化すると上図のようになるそうです。

因みに、相当隙間面積1.0・2.0・5.0㎠/㎡は、およそ1.5回・3.0回・7.5回/h(圧力差50Pa時)の換気回数に相当するそうです。

住宅の気密性能の表し方として、古くから換気回数(住宅内の全空気量が1時間に入れ替わる回数を示します。)が採用されていました。

これは換気回数が換気量と連動し、換気による熱損失を計算するのに便利だからなんだそうです。

でも換気回数は、換気量が風速や内外温度差により大きく変動します。

つまり、建物そのものの『一定の気密性能』を表していないんです。

住宅の気密性能を高め、計画換気を実施しようとすれば、住宅の気密性能そのものを正確に表す必要があります。

『相当隙間面積(C値)』は、住宅の総相当隙間面積(㎠)を実質床面積(㎡)で割った値。

床面積1㎡当たりの隙間面積を表します。

この値が小さい程、高い気密性能であることを示すんです。

C値と漏気による自然換気回数の関係は、隙間の位置や形状によって必ずしも対応するとは限りません。

でも、おおよその見当はつけられます。

目安を挙げておきます。

実質床面積が130㎡前後で隙間が均等に分布している住宅についての、C値と内外温度差による漏気回数を示しています。

また、自然換気量に対する風の影響も忘れてはいけません。

でも気密性能が高い住宅においては、住宅密集地であれば5М/S程度の風であれば、ほとんど影響を受けないそうです。

一方、気密性の低い住宅では大きな影響を受けてしまいます。

気密性能って、重要なんです。

なお弊社では、9.8Pa時のC値と50Pa時の漏気回数の両方を提示するようにしています。

前者は0.1~0.3㎠/㎡くらい、後者は1.5回/hくらいに収まることが多いですね。

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