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たまには、建築用材としての『木』と『鉄』を比較してみようと思います。
なんて書くと・・・。
まず思い浮かぶのが『鉄は木よりも強度が大きい』とか『鉄は木よりも火に強い』でしょうか。
確かに、そんなイメージがありますよね?
でも、本当かな?
横濱コーポレーション株式会社のHPから抜粋した次のデーターをご覧ください。
このグラフでは、鉄・コンクリート・木材それぞれの引っ張り強度・圧縮強度を比較しています。
これを見ると、引っ張り・圧縮共に木材の方が強いんですよね。
以外でしょ?
でも、これは比強度って言って強度を重さで割った値です。
つまり、同じ重量の木と鉄の強度を比較している訳です。
同じ断面形状であれば、当然鉄の方が強くなります。
でも重量がとんでもなく大きくなるので、地震には弱くなったりします。
結局、色々な事を踏まえて計算してみないと分からないんです。
イメージって、結構いい加減だったりするんですよね・・・。
木は鉄より火に弱いと言うのも、間違いです。
次のグラフは、各素材の燃焼温度による強度低下割合を示しています。
こちらは日本オーガニックアーキテクチャー株式会社のHPから抜粋しています。
これを見て貰えばわかるように、加熱と共に鉄の強度は急激に弱くなっていきます。
燃焼スタート後、ほぼ垂直にグラフは下がります。
そして、わずか20分で10%を切っているでしょ?
一方木材の方は、ゆるやかに強度低下しています。
そして10%を切るのに40分も経過しています。
木って、意外と火に強いんです。
でも時間の差こさあれ、いずれも加熱されれば強度低下は否めません。
だからこそ、耐火被覆が必要なんです。
そう言えば、以前こんな話を聞きました。
たしか『ウッドライフアドバイザー』の研修だったと思います。
「木材の風化速度は年間に0.03mmです。100年間風雨に晒されたとしても、表面からほんの3mm程劣化するだけ。」
もちろん、腐朽菌やシロアリ等の虫害が無ければの話です。
「一方、鉄の劣化は1年間で0.05mm。一般的に使用されている2.3mm厚の鉄骨が両面から錆びると、計算上、わずか25年足らずで錆びの塊になります。」
これだって同じでしょ?
だからこそ、防錆処理や防腐処理が必要となります。
私はこれを見て、『木は鉄より凄い!』と言い切るつもりもありません。
どんな生活を、どの位のコストで何年続けたいか!
その上で、構造材に木を使った方が良いのか?
はたまた鉄を使った方が良いのか?
もちろん、木の良さは他にも沢山あります。
それらを総合的に判断して、住み手に判断して貰えば良いと思います。
弊社は木造住宅をお勧めしていますが・・・。
でも、ここで言いたいのは、言い方・書き方でイメージ操作は簡単に行えるということなんです。
データーは正しく使わないと、間違ったイメージを与えかねません。
「鉄筋コンクリート住宅は100年もつけど、木造住宅は28年くらいで建て直さなければならない!」
なんて言われたりしますよね。
かと思うと、「法隆寺は1400年も持っている!でも鉄筋コンクリート造は、そんなにもたないでしょ?」
なんてバカな話をする人もいたりして・・・。
同じ土俵の上で争わないと意味ないと思います。
科学的根拠を示すのは良い事です。
でもミスリードはよくないと思うんです。
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