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レンジフードの風量が思ったほど出ません。
お住まいの方より、弱と中および強の差があまり無いという電話が入りました。
早速メーカーに相談してみると、基盤以上で風量の調整がうまくいかない場合があるとの事。
伺って調整、必要であれば基盤の交換をしてみます。
と言われました。
その後の話です。
風量測定器を持って、お宅にお邪魔してきました。
そして、弱・中・強の3段階の風量をそれぞれ測ってみました。
それぞれの風量は、350㎥/h・390㎥/h・430㎥/hとなっています。
でも添付資料の『静圧-風量曲線』は、こんな感じです。
なお抵抗曲線は、Φ150mmのスパイラルダクトの状態を示していると書かれてます。
現場も、Φ150mmのスパイラルダクトを使っているから問題ない筈。
ちょっと風量を確認してみましょう!
東京都は50Hzなので、実線の風量が該当します。
ダクト長は、およそ6.1mです。
グラフの5mの線より、少し悪いくらいかな?
これを見ると『弱』で310㎥/hくらい、『中』で520㎥/hくらい、『強』で600㎥/hくらいに見えます。
あれれ?
全然足りない・・・。
風量が落ちる原因が他にあるのかな?
考えられるのが、90度の曲がりダクトです。
Φ150mmの場合、1個当たり約3.0mのダクト長さに匹敵するそうです。
こちらのお宅では、これが2個使われていました。
よって、3.0m×2=6.0mの延長となります。
また外部フードも風量を落とす原因になります。
例えばバクマ工業のFD付U型フードΦ150mm(BD-150UV)の場合、直管相等長は22.3mとなっています。
これらを加えた、6.1m+6.0m+22.3m=34.4mが、直管相当長になるようです。
実際の配管長と比べると、随分と長くなりました。
この長さだと、先程のグラフには該当する線がありません。
「御社の静圧-風量曲線には、直管相当長25mまでしかありません。これが35mくらいあると、風量はどうなりますか?」
レンジフードメーカーにレンジフードの品番を告げ、質問してみると、しばらくして回答がありました。
「設定していないので、ご自分で計算してください。」との事。
ちぇっ!
計算したくないから、電話したのに・・・。
『弱』で290㎥/h『中』で380㎥/h『強』で420㎥/hくらいになるようです。
ナルホド・・・。
350㎥/h・390㎥/h・430㎥/hであれば、特に問題ないようですね。
そもそもコンロ使用時のレンジフードの必要風量は、330㎥/h程度しかありません。
『弱』で必要充分なんです。
でも煙が出れば、より大きな風量にしたくなります。
でも弱・中・強の風量って、予想外に大差ないんですよね。
風量を350㎥/hから430㎥/hに増やそうとすると、80㎥/hほど風量を増やさなければなりません。
ダクト径はΦ150mmで変わりませんから、その分流速を上げる必要があります。
でもダクト内を流れる空気の速度のが上がれば、圧力損失は速度の2乗に比例して大きくなります。
つまり、効率が落ちるんです・・・。
消費電力は、75W・95W・100Wと上がるのに・・・。
でも30円/kWhで1時間稼働しても、2.25円・2.85円・3.00円の差しかありません。
やはり問題は、風量かな。
いっその事、中なんて無くして弱と強の2段階でも良いのでは???
そうすれば、レンジフードの価格を下げられるかも知れません。
そう、思いました。
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