鉄砲で撃てて電動ドライバーで引き抜くことが可能なんです。(続)

昨日の朝の拙ブログの続きです。

リユースネイルという釘のようなネジを使う理由について、書いてみたいと思います。

その前に見てもらいたいのがコレ

とあるグラスウールメーカーは、カタログの中でこんな事を書いています。

断熱材は、その製造・運搬・廃棄等に伴うCO2 排出量と運用に伴うCO2 排出量を比較したLCCO2削減効果で評価する必要があります。

地球温暖化防止の取り組みのためには、断熱材を断熱性能だけで選ぶのではなく、断熱材自体の LCCO2 削減効果を考えて選ぶことが重要です。

そして上図を用い、旧省エネ基準から次世代基準へ断熱強化した場合の硬質ウレタンフォームとグラスウールのLCCO2を比較しています。

双方の断熱性能を同等にするために、ウレタンを薄くグラスウールを厚くして比較している訳です。

ここでは、前者の断熱性能をまったく評価していません。

そして、製造時のCO2排出量を槍玉に挙げているんです。

仕方ないと思います。

確かにこうした評価方法もアリだと思いますから・・・。

だからこそ、こんな取組みはいかがでしょうか

築23年目のお宅を建て替えた際の、弊社の取組みです。

廃業した工務店が23年前に建てられた『FPの家』を解体しています。

当初は、リフォームを考えていました。

でも、ホームエレベーターの設置が必須条件だったんです。

でも既存建物には地下室があり、これが既存不適格に当たります。

行政と協議を続けましたが、結局費用面を考えて取り壊すことになりました。

そこで考えたのが、FPパネルの再利用です。

だって勿体ないでしょ

パネルって高価だし、製造時には沢山のエネルギーを消費します。

そしてCO2を発生するんです。

本来であれば、あと27年位は使えたち思います。

せめてパネル位は、再利用しないと・・・。

そう考えたんです。

手壊しを行い、柱間に充填されたパネルを1枚1枚外していきます。

パネル外周部の木枠から、太くて長い釘が一定間隔で躯体に留め付けられています。

これを1本1本抜くのは、大変な作業でした。

私も作業に参加しましたが、2度とやりたくないと思いました。

この時に思ったんです。

釘ではなく、ビスならすぐに抜けるのに・・・。

でもビスだと、留めるのに時間がかかるんですよね。

バンバンと鉄砲で撃てる釘と比較すると、倍以上手間が掛かってしまいます。

その時に出会ったのが『リユースネイル』だったんです

発プラ系断熱材は経年で断熱性能が低下すると云われています。

でも6面全てをスキン層に包まれた『FPウレタン断熱パネル』の経年による断熱性能の低下は、極めてゆるやかなんです。

過去の築古建物の解体時に、証明されています。

実際に壊した建物から採取したウレタンは、見た目に問題はありませんでした。

収縮することもなく、当初と変わらず105mmの厚さを維持。

試験センターに持ち込んで計測してもらうと、断熱性能の低下もわずかである事が判っています。

当該工事では、全てのパネルを再利用する事は出来ませんでした。

写真は、再利用出来なかったパネルの成れの果てです。

木枠とウレタンを分離しないと、処分場では引き取ってくれません。

担当者からも、壊すのが大変だったと聴きました。

2018年にリサイクルせず、埋め立て・焼却したプラスチックごみは前年を14万トン上回り、2000年以来の増加に転じています。

中国が輸入を規制した影響で、日本国内の廃プラが行き場をなくしているそうです。(R02.01.28/日本経済新聞より)

現在使用している発プラ系断熱材も、いつかは廃棄される事になります。

再利用を考える必要があると思いませんか

どうせ使うのなら、再利用が可能な断熱材にした方がよいのでは

こう考え、まずはリユースネイルの採用に踏み切った次第です。

大きな一歩も、まずは小さな一歩から

というでしょ。

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