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先日、北海道立総合研究機構建築研究本部/建築性能試験センター・北方建築総合研究所で、見掛けた展示をご紹介したいと思います。
こんな所にひっそりと展示されていました。
同行した方々の中には、気付かなかった人もいると思います。
こんな問いかけをしています。
Q、私達が食べ物に、どのくらいのエネルギー(化石燃料)を使っているか、知っていますか?
①お米(1合)
②トマト/夏と秋につくる(1個)
③トマト/工場で1年中つくる(1個)
④トマト/熊本産を北海道に運ぶ(1個)
⑤どらやき(1個)
⑥ポテトチップス(1袋)
⑦北海道の住宅の暖房(1時間)
⑧車で1キロ走る(燃費10キロ/ℓ)
食の生産だけではなく、加工や貯蔵、お湯を沸かす事、容器・包装などに多くのエネルギーが必要です。
皆さんも、考えてみましょう!
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⑥⑦の設問が中途半端ですよね?
つくるのかな?
運ぶのかな?
地元の原材料を使い、北海道でつくった場合なの?
でもスルーして、解答を見てみましょう。
①46ml
②18ml
③67ml
④21ml
⑤90ml
⑥85ml
⑦168ml
⑧90ml
ふーん・・・。
そうなんだ。
答えを見ても、ピンと来ません・・・。
多いんだか、少ないんだかわからないでしょ?
でも、燃費10km/ℓの車を1キロ走らせるエネルギーと、どらやき1個つくる(と仮定しました。)エネルギーが同じというのは驚きです。
ポテチも結構エネルギー使っているんですね。
トマトの比較も、面白いと思いました。
自分でつくる場合と工場でつくる場合、そして熊本で購入して運んでくる場合を比べるなんて・・・。
工場でつくるのが一番エネルギーが掛からないイメージでしたから、ちょっと意外でした。
でも、こんなデーターをみると納得出来ます。
木造住宅の木材輸送過程のCO2排出量を比較したグラフです。
ここでは化石燃料の量ではなく、消費することで発生するCO2を比較しています。
地域産材を地元で使う場合と、国産材を使う場合、そして欧州から輸入する場合を比べると、一目瞭然でしょ!
やはり輸送時のエネルギーがバカにならないようです。
もっと、わかりやすくすればいいのに。
そう思いました。
わかりにくい原因のひとつは、単位のmlにあると思います。
たぶん、コレ灯油換算なんでしょうね?
北海道のエネルギーと云えば断然、灯油なんだそうです。
「ひと冬に使う暖房エネルギーは灯油1,500ℓ」なんて、表現します。
ちなみにこれ、一般的な住宅がひと冬に暖房で使う灯油の量らしいですよ。
灯油用のポリタンクの容量が18ℓですから、84個分に相当します。
さすが北海道!
とは思いますが、やはりピンと来ないでしょ?
東京の暖房と云えば電気だと思います。
都市ガスの家も多いかも?
いずれにしても、灯油を使う家は少ない筈!
ピンと来なくても仕方ない・・・。
ちなみに東京の一般的な住宅の暖房エネルギーは、灯油300ℓ分に相当するそうです。
ポリタンク✖17本分です。
比較出来ないでしょ?
電気だったら比較しやすいのに・・・。
そう思った方もいたと思います。
灯油300ℓって、電気何kwhに相当するの?
では、一次エネルギーで比較してみましょう。
一次エネルギー?という方もいますよね。
エネルギーは、生産されてから実際に私たちエネルギー消費者に使用されるまでの間に、様々な段階・経路を経ています。
大まかにみると、原油・石炭・天然ガス等の各種エネルギーが供給され、電気や石油製品等に形をかえる工程(発電所、石油精製工場等)を経て、最終的に消費されるという流れになっています。
これらの家庭で生じるロスまでを含めた我が国が必要とする全てのエネルギーの量という意味で「一次エネルギー供給」の概念が用いられ、最終的に消費者に使用されるエネルギー量という意味で「最終エネルギー消費」の概念が用いられています。
難しい話は置いておきます。
簡単に言えば灯油・ガソリンやガス・電気などをMJという同じ単位を用いて比較できるので、便利だったりします。
例えば灯油300ℓを一次エネルギーに換算すると、11,100MJになります。
また、これを9.76MJ/kwhで割れば、電気に換算することが出来ます。
答えは、約1,137kwhになります。
これって1.4kwの電気ストーブ×2台を1日8時間×50日稼働するくらいです。
思ったよりも少ないかも・・・。
ねっ、やっぱり電気に換算した方がピンとくるでしょ?
そんな事を、この展示を見て思いました。
おそらく、出題者の意図とは、まったく違うと思いますが・・・。
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