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所変われば、品変わるという言葉があります。
先日の北海道ツアーで、痛感しました。
旧荒谷邸の南側外観写真です。
先日の拙ブログにも、少しだけ書かせて戴きました。
43年前に建てられた、パッシブ設計を採り入れたお宅です。
日当たりの良い面なので、大きな開口部を設けていました。
1・2階窓の上にあるのは庇です。
夏のキツイ日射を遮ることで、室温上昇を抑えます。
また高度の低い冬の日射を採り入れることで、無償で室温を高めることも出来ます。
しかも、窓自体に工夫がしてあるんです。
この窓、手作りの木製トリプルサッシなんです。
木の枠に3枚のガラスを嵌めた木の障子が納められています。
しかもガラスの内側にアルミ被膜を貼った、手作りのLow-Eガラスなんですよね・・・。
話を聞いて、ビックリしました。
工夫は、それだけではありません。
写真を良く見るとわかりますが、窓の上に木製ガラリがついているんです。
こんなガラリです。
冬季は裏に蓋をして、これを閉じます。
そして夏は開きます。
雨が降っていなければ、窓を開けても構いません。
開けば、室内に風が入ります。
北海道と云えども、夏の昼間は30℃程度にはなるそうです。
さすがに「通風だけでは凌げない」と仰っていました。
でもナイトパージする事で、快適に暮らせるとの事。
ちなみにナイトパージとは、「夜の涼しい空気を家の中に取り込み、家を涼しくさせること」をいいます。
昼間は暑いけど夜になると涼しい日ってあるでしょ。
そんな日は、夜の涼しい空気を家の中にため込めば良いんです。
暑気の侵入を防ぎ蓄冷することが可能であれば、家全体が過ごしやすくなります。
北海道の夜は涼しいので、ナイトパージは有効です。
これも、地方らしさを生かした工夫でしょ?
まさに最近流行のパッシブ設計だと思います。
東京と北海道は違います。
一番の違いは、北海道では頻繁に雪が積もる事。
だから庇をつくる際に十分な配慮が必要になります。
木材で作った庇が、正にコレなんです。
一般的な庇は、鉄板等を葺いて屋根をつくります。
当然、雪が積もります。
でも写真の庇は、木製のルーバーです。
だから雪は、そのまま落ちてしまいます。
でも日光も素通りしてしまいます。
ポイントはルーバーの角度らしいですね。
夏の陽射しをカットして、冬の陽射しを邪魔しない角度にするとGOOD!
凄い工夫だと思いました。
これだと庇を深くしても、風の影響をあまり受けません。
でも木製なので、腐食したら交換が必要になります。
都度、防腐塗料も塗り直しているようです。
セルフメンテナンスで対応しているとの事。
つくづく頭が下がります・・・。
もっとも、こうした工夫をそのまま真似たからといって、快適さを再現できる訳ではありません。
それを支える基礎技術がちゃんと実現出来ていなければ、快適さとは程遠い家になってしまいます・・・。
この辺りの事は、別の機会に書いてみたいと思います。
むしろ私的には、こっちの方がショックだったんですよね・・・。
ちなみに外壁も地元のカラマツを張っていました。
脳天から釘を打って留めているので、腐食した部分のみを張り替えるそうです。
長期使用を考えた家づくりに『メンテナンス・フリー』はあり得ません!
いつでも入手可能な部材を用い、簡単に取外し・取付けを行える納まりにする!
これしか無いと思います。
弊社商圏でも、こんな家づくりが出来ればいいのに・・・。
でも、無理なんですよね。
建物回りに脚立を立てるスペースなんて、かなり難しい。
外壁に木板を張るのも、色々と大変なんです・・・。
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