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12月25日付のアセットフォー日記です。
今日の練馬・板橋の天気は晴れ時々曇り。
でも朝は雨が降っていました・・・。
雨です、雪ではありません。
ホワイトクリマスにならなくて良かった・・・。
板橋区弥生町の『FPの家 S&N邸』に、外壁用防水シートが届きました。
写真中央の水色をした巻物が外壁用防水シートです。
巾3.0m×長さ30.0m巻が3本、巾1.5m×長さ30.0mが2本あります。
こっちは、専用のフラッシングテープです。
以前はタイベック・シルバーを採用していましたが、最近は『ウェザーメイトプラス(以下、WP)』を採用しています。
なぜ、変更したのか?
それを今回は、書きたいと思います。
販売元によれば、次世代透湿・気密・防水シートらしいです。
一般的な透湿防水シートと、どこがどう違うと思いますか?
以下、カタログからの抜粋となります。
WPは、下記の5つのパフォーマンス分野に優れたハウスラップとして米ダウケミカル社が開発した、不織布・非穿孔性ポリオレフィン系ラップ素材です。
①防風性・気密性(一般的なハウスラップの約1.5倍)
TAPPI T-460のテスト結果では、一般的なハウスラップの約1.5倍の数値を示しています。
これは防風性・気密性に優れた素材であることの証です。
WPは外部からの空気の流れを抑えることで高い気密性を維持し、省エネ(断熱)効果も期待できます。
②防水性
水の浸透を抑え、構造体の乾燥を保ち、壁体内の腐食・劣化やエネルギー損失のリスクを軽減します。
ASTM D779のテストでも、防水性能値55オーバーと高い数値を示しています。
③透湿性(浸透・透湿)
水蒸気の通りやすさ(透湿性)は、結露による壁体内の腐食・劣化を招く可能性があります。
WPは冬季の室内からの湿気を外に逃がし、夏季は外からの湿気侵入を調湿します。
④耐久性・引き裂き強度(一般的なハウスラップのほぼ3倍)
WPは、特殊加工により薄く強い素材を実現しています。
その引き裂き強度は一般的なハウスラップのほぼ3倍です。
強風が吹くとステップルで留めている部分に力が加わり、裂ける原因になりがちですが、WPなら大丈夫。
⑤耐紫外線・耐防蟻剤及び透視性
紫外線に強く、UV劣化に対する耐久性は、外壁仕上げをせずに120日間剥き出しのままでも耐えることが実証されています。最近話題になっている防蟻剤による防水性能の劣化もありません。
また透視性があり、後ろが透けるので施工時の作業性向上に繋がります。
①②については、特に説明の必要はないと思います。
防風性・防水性は高い方が安心でしょ!
強いて言えば、防水シートで気密性を高めることが出来るのもありがたいと思います。
③については、少しだけ補足させて戴きます。
透湿防水シートは、その名の通り『湿気は通すけど水は通さない』シートです。
壁内からの水蒸気を排出しつつ、雨水の侵入を防ぐことが出来ます。
その為、通気層とセットで『通気層工法』なんて言われます。
今や『壁内結露』を防ぐための常套手段と言っても過言ではありません。
でも、これって冬季に限った話なんです。
上図のように、冬季は水蒸気が室内から外に進みます。
だから、外側に透湿性が必要です。
でも夏季は、水蒸気が外から室内に進むんです。
だって外の方が湿度が高いでしょ。
この場合、従来の透湿防水シートは、なんの障壁にもなりません。
そして、透過した水蒸気は石膏ボードの手前にある防湿シートに触れ、冷たい室温に触れて結露します。
これを『夏型結露』といいますが、この現象を防ぐことが出来ないんです。
でもWPには調湿性があります。
夏季の水蒸気侵入を防いでくれるんです。
④の説明も不要ですよね?
強度が大きい方が、施工しやすいし安心です。
でもひとつだけ挙げておきたい事があります。
日本の防水シートは、10年しか保証してくれません。
タイベックシートは20年保証です。
しかも、実際には30年まで大丈夫との事!
この差、凄いですよね。
WPの耐久性は、タイベックシートと同程度と言われています。
⑤の説明をします。
なんと言っても、これが一番のアピールポイントなんですよね。
タイベックの資料を抜粋しました。
ここには、防蟻剤に含まれる『界面活性剤』の影響で、防水性が低下するメカニズムが説明されています。
比較的この影響をうけにくいタイベックシルバーでも、15%程度は防水性が低下するようです。
ちなみに白いタイベックシートの場合はもう少し低下するようですね。
でも、一般的な防水シートは82%も低下するそうですから、比較になりません・・・。
でもWPなら大丈夫!
界面活性剤による影響はまったく無いそうです。
だから安心して防蟻処理が出来ます。
この違いは、大きいでしょ?
だから弊社はWPに変えました。
試験データーを挙げておきます。
興味のある方は、ご確認ください。
施工方法自体は大差ありません。
一般的なシートと同様に、下から上に張り上げていきます。
でも重ね寸法が若干違うんですよね。
上下の重ね90mm/左右の重ね150mmが一般的ですが、WPの場合は120mm/210mmになります。
少し大きいんです。
シート自体が高額なのに、ロス率も大きいんです。
だったら、重ねを少なくすれば良いでしょ?
そこで巾3.0m品を使う事にしました。
これなら3階建てであっても、重ねは2箇所しかありません。
一般的な1.0m品であれば、重ねが8箇所になってしまいます。
この違い、大きいんです。
重ねが少ない方が、漏水の危険性も低くなりますしね。
妻壁やバルコニーの内外用に、巾1.5m品も用意しています。
先程の図には、ステップルの留め付け位置も描かれていました。
重ね部分は、上下・左右ともに300mm間隔に留める事。
その他の部分に関しては、適宜留める事。
ステップルとは、ホッチキスの針の少し大きいモノと思ってください。
接写してみました。
よく見るとわかりますが、シートに穴を2個明けています。
そして、この穴が少しづつ拡がる可能性があるんです。
そう、風です。
風でシートがバタつくと、穴回りに力が加わるからです。
また、施工中にシートを引っ張ることで、穴が拡がる事もあります。
ここから雨水の侵入があるかも知れません。
心配でしょ?
だから念には念を入れて、留め方を工夫します。
タッカー=ステップルです。
横に留めると、落ちて来る水滴を留めてしましまい。
そして穴から侵入します。
斜めに留めれば、水滴が流れやすくなる分だけ、侵入を減らすことが出来ます。
縦に留めれば、より危険は少なくなります。
でも、縦に留めるのはNGなんです。
シートが裂けやすくなるそうです。
聴いた話によれば、ハリケーンの多い国では、ステップル留めはNGらしいですよ。
必ず上から防水テープを貼らされるそうです。
それが面倒ならば、スティンガーキャップを使わなければなりません。
樹脂製キャップ越しにステップルを打てば、針回りの穴から雨水の侵入を防ぐことが出来ます。
またキャップ全体でシートを押さえるので、シートの破れもなくなります。
問題は施工性です。
いちいち留めるのが面倒なんじゃない?
私も、最初はそう考えました。
でも、こんな工具があったんです。
専用のステープラーです。
写真のキャップがロール状になったモノとステップルをマガジンに入れれば、後はトリガーを引くだけでOK!
普通の釘打ち機同様に使えます。
仕上がりは、こんな感じです。
従来の留め方に比べると、全然しっかり留まっています。
気密性もより高まるようです。
なにより、安心感が違うんです。
もちろんコストは掛かりますが、雨漏りするよりマシでしょ?
日本にだって台風があります。
このキャップを使った方が良いと思うんですよね。
WPとセットで使えば、なおさら安心だと思います。
防水シートの施工は月曜日に行います。
なんとか年内ギリギリ間に合いました。
posted by Asset Red
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