板橋区弥生町の現場で、外壁のラス網施工が始まりました。

板橋区弥生町の『FPの家 S&N邸』で、ようやく外壁のラス網施工が始まりました。

ちなみにラス網とは、モルタルの剥落を防ぐための下地です。

モルタルに含まれる水分やアルカリ性に対応する為に、最近は亜鉛メッキ鋼板を原料としたラス網が主流なんだそうです。

今回採用した外壁材も『スイス漆喰』です。

その下地はモルタルになります。

よってラス網の施工が必要となる訳です。

ちなみに弊社では、毎回、ニッケンのW-ラスを採用しています。

従来のラスとは違い縦・横に力骨をいれ、『本来の正しいラス工法に合致する製品を目的に開発された最高級品質のラス、理想のラス』を目指した製品なんだそうです。

これメーカーの受け売りなんですけど・・・。

近くで見ると網は、こんな形状をしていました。

確かに縦・横ともに力骨が入っています。

その特徴は以下の通り。(メーカーHPより一部を抜粋しています。)

①丈夫なカ骨をセット

150mmピッチで縦横に力骨(1.6mm径の亜鉛鉄線)を配置し、それぞれの接点をスポット溶接してあります。

工場で一貫生産される為、ムラの無い均一な仕上りとなります。

②ラスとモルタルを一体化する波付

丈夫な壁をつくるには、モルタルとラスが完全に一体になることが必要です。

力骨には150mmピッチで波付が施されております。

このためラス網がモルタルの中心に入り、確実な施工ができます。

③亜鉛めっき材を使用

力骨の鉄線もラスの鋼板も、腐蝕に強い亜鉛めっき材を使っています。

たとえメタルラスが腐食しても太くて丈夫な力骨がモルタルの剥落を防ぐ為、モルタル壁を長持ちさせる事が出来ます。

④簡単にできる施工

張り方はごく簡単、力骨にエアータッカー釘を打ちつけるだけです。

もちろん折り曲げ、切断も自由にできます。

完成検査が確実にできるのも、その特長の一つです。

⑥すぐれた経済性

施工に特殊技術を全く必要としません。

だれにでも簡単に施工でき、経済性にすぐれています。

そして、このラス網と裏打紙を独自の技術で一体化したのが通気ラスです。

湿式通気工法の左官下地として使われます。

先程の写真のラス網です。

外壁と躯体の空間をしっかり確保して、木造住宅の耐久性を高める為の必需品

しかも、折り曲げや切断が簡単で、わずらわしい役物も必要ありません。

安心して、現場の作業員にお任せできるラス網なんです。

しかも、この裏打紙も普通の紙ではありません。

真ん中にローンアスファルトを挟んだクラフト紙なんだそうです。

試しに剥がしてみました。

訂正させて戴きます

確かにアスファルトを2枚のクラフト紙で挟んでいます。

これをターポリン紙と言うそうです。

意外と防水性があるようですね。

熱で軟らかくなるため、タッカー穴からの漏水を長期に渡り止めてくれます。

だから透湿防水シートの上に張ることで、雨水の侵入を更に防いでくれるんです。

しかもラス網の裏にモルタルが廻り込むように鏝で押し付けても、これが通気層の圧迫を抑えてくれます。

地味だけど、良い働きをしてくれる紙なんです。

そして、この裏打紙の効果を高めてくれるのが『補助胴縁』です。

青い防水シートの上に留め付けられた木材は、通気胴縁です。

そして、その間にある灰色の部材が問題の補助胴縁です。

今回は厚さ30mmの胴縁を採用しているため、補助胴縁も同じ厚さにする必要があります。

でも残念ながら、メーカーでは対応する部材を用意していません。

15mmと18mmしか、無いそうです。

仕方ないので、15mm品を接着して30mm品にしてもらいました。

これを、455mmピッチに留め付けられた胴縁間に取り付けます。

そもそも通気胴縁の役割は、ラス網をタッカー針で固定するための下地です。

そして、ラス網と透湿防水シートの間にある通気層を確保する役目も担っています。

一般的には455mm間隔に設ける事が多い通気胴縁ですが、モルタル下地の場合にはマズイ現象が起こります。

ラス網にモルタルを塗り付けた際に、ラス網裏にあるシートが通気層側に孕んでしまうんです。

通気層内にシートが孕めば、当然空気の流れに支障を来します。

そうならない為に取り付けるのが補助胴縁なんです。

間隔が狭くなれば、押しても撓む寸法は小さくて済むでしょ

現場の様子を撮ってみました。

この職人さんの現場って、面白いんです。

いつも一人で作業をしている年配の方なんですが・・・。

現場に行くと、いつも写真のようにラス網が足場にぶら下がっているんです。

見えるでしょうか

針金で作ったS字フックを足場に引っ掛け、それにラス網を数枚づつ吊っているんです。

これが一定間隔で並んでいるので、いちいちラス網を取りに下まで降りなくても良いんです。

2~3人が組んで行うラス屋さんであれば、下からラス網を手渡しする事が出来ます。

でも一人だと、誰も手伝ってくれません。

サイディングの場合は足場の上に立てておけますが、ラス網はしなるので、立て掛けても落ちてしまいます。

こうしておくのが最も効率的だと思うんです。

風が吹いても、吊るしておけば大丈夫でしょ

すごい工夫ですよね

いつも感心しています。

水切上の防水紙を増し張りしている様子を撮ってみました。

水が回りやすい部分には、さらに防水対策を施しています。

黒いのはアスファルトフェルトです。

以前は透湿防水シートではなく、黒い紙をラス網の下に張っていました。

防水性は高いんだけど、水蒸気を通さないので建物を傷めてしまうんですよね・・・。

そして、使われなくなってしまいました。

でも、こんな使われ方なら問題ありません。

サッシ廻りにも、同様の処理を行います。

サッシ廻りからの漏水も多いですから。

もちろん、土台水切の上にも張っています。

増し張りを終えたら、いよいよラス網の施工に入ります。

下から上に、左から右に・・・。

順番に張っていきます。

まだまだ仮留めの段階です。

ラス網の施工にも、たくさんの注意点があります。

機会を設けて、その辺りのことも書いてみようと思います。

お楽しみに・・・。

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