合板と言えば昔はラワンもしくはシナでした・・・。

先日、拙ブログにて合板のJASマークについて書かせて戴きました。

合板と言えば、以前はラワン合板もしくはシナ合板が当たり前だったんです。

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でも最近は、針葉樹合板が当たり前

今回は、合板の原木の変遷について書いてみようと思います。

我が国における合板製造の歴史は100年以上前から始まっています。

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その草創期には国内産の各種針葉樹・広葉樹を原木としていました。

その後、産業の効率化や高度経済成長の中で、より効率の良い高収益の見込める原材料を求めて原木も変遷しています。

我が国にラワン材が登場するのは、大正10年頃と言われています。

その優れた材質や大径木であることによる高い歩留まり、安価であること、豊富な資源である事などの理由により着目されました。

特に第2次世界大戦後の国内の住宅復興期と、それに続く対米合板輸出の繁栄などにより大量に輸入され消費されます。

その時期は我が国の高度経済成長期の始まりであり、産業振興・生産性重視などの効率面にのみ大きな注意が払われ、その消費がもたらす地球環境の破壊などは顧みられることはありませんでした。

その供給地は最初フィリピン、次いでボルネオ島のサバ・サラワク・カリマンタン、さらにスマトラなどへと移っていきました。

やがて韓国・台湾などの国々でも合板製造が開始され、ラワン材の消費は加速度的に増加しています。

昭和47年頃、インドネシアの合板製造本格化に伴い消費はさらに増加、今ではラワン合板の主生産地と言えばインドネシアとなっています。

このような変遷の中、地球温暖化が心配され始めました。

その主因といわれるCO2の固定に大きな力を発揮すると思われる熱帯雨林産広葉樹(=ラワン材)が、重要な保全対象として注目を集めるようになったんです。

昭和52年、フィリピンから始まったラワン材の輸出禁止措置は、昭和57年に全面禁止となります。

昭和60年にはインドネシアにも波及、全面禁止措置を取るに至りました。

これらの原木輸入の削減は、我が国の合板業者にとって死活問題となります。

アフリカ材・パプアニューギニア材など他地区にその供給先を求めてみたものの、それらは新しい樹種であり、対応が難しかったようです。

わずかに残されたカリマンタン島(旧ボルネオ島)の北部サバ・サラワク地区の広葉樹『メランティ材』に期待が集まります。

しかし、ここにも各種環境保護の問題が及びました。

結局、世界的な環境保全の動きと共に、ラワン材などの熱帯雨林産材の入手は困難となりました。

平成4年、地球環境サミットで環境保全のための世界的規模での取り組みが話し合われました。

環境問題が身近な問題であると同時に、地球規模で考えなければならない問題である事が確認された訳です。

広葉樹は温帯であれば、その生育に100~200年以上必要です。

熱帯でも、少なくても50年以上の歳月を必要とします。

それもうまく発芽し、かつ生育環境に恵まれた場合に限るんです。

生態系に未解明な部分が多い為、発芽・移植・生育環境の整備が難しく、人間による補助・育成は大変困難と言わざるを得ません。

ラワン材は、そうした樹木のひとつであり、別の見方をすれば有限の資源です。

今もいくつかの地域で人工造林が試みられていますが、既存の生態系との共存など難しい点が多いようです。

これに対して針葉樹は、世界各地で古くから人工的に繁殖(=造林)が行われており、比較的その生態も解明されています。

再生可能な樹種として期待されている訳です。

生育も早く、比較的短期間で利用可能な成木が得られるのも魅力です。

昔は安物の代名詞だったラワンも、今では高級品の仲間なんですよね・・・。

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