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2月22日付のアセットフォー日記です。
ニャン・ニャン・ニャンで『猫の日』の今日、練馬・板橋の天気は晴れでした。
しばらく天気は安定するようですね。
良かった・・・。
昨日、練馬区桜台1丁目に建つ『FPの家 K邸』では、高濃度ホウ酸による『木材劣化対策』が行われました。
木材劣化対策?という方も多いと思います。
特に変わった事をしている訳ではありません。
言葉の通り、建物の主要構造部に使われている木材の劣化を防ぐための対策を取っているだけなんです。
要は、どんな対策を取っているかですよね・・・。
一般には防蟻・防腐処理と言った方が、通りが良いようです。
でも、防腐・防蟻剤を塗布して終了!という訳ではないんです。
今回は、この対策について簡単に書きたいと思います。
まず知って欲しいのが、コレです。
一般的にシロアリ被害はGLから1.0m以下に発生すると言われています。
そのため、建築基準法で義務付けられている防蟻範囲もGLから1.0m以下なんです。
解体現場の劣化状態を調査した結果を挙げてみました。
横軸が解体建物の築年数、縦軸がGLからの高さ、そして丸印は劣化の種類を示しています。
でも実際には上図のように、シロアリや腐朽菌による被害は少なからず発生しているようです。
雨漏りによる腐朽や水漏れによる腐朽は問題外としても、イエシロアリ・ヤマトシロアリによる被害は意外でしょ?
2階部分の被害も1階ほど多くは無いものの、ゼロではありません。
これを見る限り、少なくても2階床下部分の防蟻・防腐処理は必須と言えるでしょう。
もし可能であれば、小屋梁までの防蟻・防腐処理を行いたいところです。
そこで弊社では、2つのレベルを設定しています。
この図では、以下の3つのレベルが示されています。
①基礎天端より1.0m以下を処理する標準処理
②2階床梁まで処理する1階全部処理
③構造材全てを処理する全構造材処理
でも弊社では、①は行っていません。
ご提供するのは、②③のみとなります。
そして、安心で安全で効果の長持ちするホウ酸を使った処理を行います。
ご存知でしたか?
欧米では使用を許されていない『合成殺虫剤(農薬)』を使う防腐・防蟻処理が日本では当たり前なんです。
でも合成殺虫剤は揮発します。
揮発した殺虫成分って、危険じゃないの?
程度の差こそあれ、昆虫やシロアリに危険な成分は人間にも危険を及ぼす筈。
床下や躯体に塗布してもも大丈夫なのかな・・・。
地面に流れた殺虫剤が周辺の生態系に影響を与えなければいいんですけど・・・。
そして何より問題なのは、その効果が3~5年で無くなってしまう事だと思います。
殺虫剤も有効成分が揮発すれば、単なる着色剤の混じった水ですから。
しかも生物には耐性が備わっています。
こうした薬剤に触れていれば、いつしか耐性を持ったシロアリが生まれてくるに違いありません。
効果が無くなれば、再施工すれば良いのでは?
という方もいるでしょう。
保証の切れる6年目を目安に、再施工を実施している方々も多くいると思います。
でも、床下や壁の中の再施工はかなり難しいんです。
その分、費用が掛かります。
でも費用の割に、効果は期待出来ません。
だって建物の一部を壊さない限り、塗れないところがいっぱいあるでしょ!
しかも施工後に健康被害が現れるケースも少なくないんです。
新築時の処理って、上棟後すぐに行われます。
その為、ご入居までの間にかなりの有効成分が揮発しています。
でも再施工の場合には、揮発した大量の有効成分を住人が吸収する事になります。
怖くないですか?
その点、ホウ酸は安心です。
鉱石由来のホウ酸は揮発しません。
だから空気を汚す心配がないんです。
そして効果がいつまでも続きます。
周辺環境への影響も少ないんです。
弊社では『ティンボアPCO』というホウ酸塩粉末をお湯に溶いた液体(以下、ホウ酸水溶液)を塗布しています。
水ではないところがミソなんです。
水よりもお湯の方が、より多く溶けるでしょ?
ホウ酸水溶液なら、なんでも良い訳ではないんです。
シロアリや腐朽菌等の木材劣化生物には、ホウ酸の毒性閾値というものが存在します。
これ、簡単に言えば『効果の現れるホウ酸の濃度』です。
つまり、この値以上の濃度でなければ効かない訳。
だから、水よりも多く溶けるお湯を使うのが得策なんです。
現場に運ばれて来たホウ酸水溶液です。
ポリタンクを触ってみると、かなり熱いのがわかります。
このまま放っておくと、そこに白い粉が沈殿してきます。
飽和水溶液を冷やすと、保持出来なくなったホウ酸が結晶化するからです。
これが高濃度ホウ酸水溶液の証です。
逆に言えば、結晶化しない水溶液は心配なんですよね・・・。
ちなみに、こんな噴霧器を使って塗布します。
良く見ると、そこら中が真っ白でしょ?
これ全部、結晶化したホウ酸塩なんです。
朝一番に納品された『FPウレタン断熱パネル』です。
1階壁用と1階床用パネルを全て、ホウ酸水溶液を塗布した後の土台&大引きの上に並べました。
全てのパネルの6面にも、高濃度ホウ酸水溶液を塗布する為です。
塗りながら、パネルをひっくり返したり動かしたりします。
結構な作業量なんですよね。
乾くと、こんな感じになっていました。
1階部分に使う間柱や筋交い・半柱も用意しておいたので、一緒に塗布してもらいます。
乾くと、こんな感じになっていました。
白いのは、もちろん結晶化したホウ酸です。
基礎も、この通り・・・。
まだ土台や柱は濡れていましたが、乾くと白くなる筈です。
2階床梁の側面上端まで塗布します。
天端には合板が張られているため、塗ることが出来ません。
今回は1階全部処理の為、合板の裏面に高濃度ホウ酸を塗布して完了です。
ホウ酸って素晴らしいですよね?
でも、なんでメジャーにならないんだろう?って思いませんか。
合成殺虫剤に比べて、価格が高いからかもしれません。
でも、これだけの事を行っているんだから仕方ないと思います。
しかも、効果が長持ちします。
因みに弊社では、15年保証を付与しています。
そして、雨に弱いのがネックになっていると思うんです。
揮発しないけど、雨に濡れると溶脱して効果が薄れてしまうんです。
だから施工後に躯体を濡らす事が出来ません。
だから、雨養生が必要となります。
これが、結構面倒なんです。
風が吹くとバタバタ音がして、ご近所からクレームが入ります。
作業がしずらいと、大工も零すんですよね・・・。
そして、効果の出る濃度になっているかどうかがわかりにくいんです。
せっかく塗布しても、濃度が低ければ意味がありません。
樹種によっては、吸込みにくいモノもありますし・・・。
そこで、こんなテストをしてもらっています。
施工後に、任意の部材に試液を噴霧してもらうんです。
黄色い試液が赤くなれば、充分な濃度である事を示しています。
色が薄ければ濃度不足ですから、増し吹きしてもらいます。
問題が無ければ、こんなシールが貼られます。
もちろん、施工済証だって貼られます。
ここまでしてくれなければ、安心なんて出来ません。
あっ、これだけじゃありません!
こんな対策も実施しているんです。
基礎の打ち継ぎ部にある巾止め金具回りに白いモノが詰められています。
これはボレイトフィラーというパテ剤です。
ホウ酸を扱いやすいように粘土タイプの基材に混入し、防蟻性能を持たせています。
害虫侵入防止材や 気密・充填材として、屋外・屋内を問わず使う事が出来る便利グッズと言えるでしょう。
基礎を貫通する排水管の回り
給水・給湯管の回り等に充填しています。
配管回りから侵入するケースって、割と多いんです。
シロアリや腐朽菌の被害って、思った以上に多いんです。
だからこそ、徹底的に対策を取る必要があると思います。
2階では、FPウレタン断熱パネルの施工が進められています。
柱間に、厚さ105mm×巾803mm×高さ2450mmのパネルを充填している様子を撮ってみました。
相変わらず、凄い音が響き渡っています。
このピッタリさが、様々なメリットを生むんですよね・・・。
もう間もなく、2階部分のパネル充填は終わります。
続いて1階部分のパネル充填に移行する予定です。
野地合板の上には、下葺き材が敷かれました。
毎度お馴染みの透湿ルーフングです。
posted by Asset Red
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