躯体に残っているホウ酸の濃度が重要なんです。

弊社ではホウ酸による木材劣化対策をお勧めしています。

その理由はシンプルです。

一般的に行われている合成殺虫剤による防蟻・防腐処理に比べて安全・安心ですから・・・。

でもホウ酸であれば良い訳ではありません。

各種木材劣化生物による劣化を抑制できるホウ酸量を挙げてみました。

イエシロアリであれば、毒性閾値は3.0kg/㎥BAEとなります。

ヤマトシロアリは、それより少なくても良いらしい・・・。

木材腐朽菌やアメリカカンザイシロアリの毒性閾値に至っては、1.0kg/㎥BAE

これを見る限り、3.0kg/㎥BAEのホウ酸が躯体に残っていれば問題ないようです。

でも3.0kg/㎥BAEのホウ酸量と言われてもピンと来ません。

例えば柱1本の体積は105mm×105mm×3000mmですから、0.105m×0.105m×3.000m=0.033075㎥。

小数点第4位以下は四捨五入するので、0.0331㎥となります。

ちなみに、この値を材積なんていう事もあります。

0.0331㎥に3.0kgを掛けると0.0993kgになります。

つまり99.3gのホウ酸が含まれていれば、OKという訳

ホウ酸塩を木材保存剤として利用するには、木材にホウ酸塩水溶液を含浸させる必要があります。

シロアリや食材甲虫がこの木材を摂食すると、細胞中のホウ酸濃度が高まり死にます。

また食材甲虫がホウ酸塩処理した木材中に産み付けた卵は、孵化率が低下するそうです。

腐朽菌が木材に侵入した際には、ホウ酸塩が細胞膜を通して拡散し代謝阻害を引き起こします。

そのためには木材中のホウ酸塩濃度が一定の値を超える必要があります。

この値を毒性閾値といい、その量は先程挙げさせて戴きました。

つまり先程の量はホウ酸量ではなく、ホウ酸塩の量だったんです。

生物の細胞中では、ホウ酸塩はすべてホウ酸の形で作用します。

このためホウ酸塩の濃度は、同じ量のホウ素を含むホウ酸に換算して表します。

これをホウ酸換算濃度(Boric Acid Equivalent  BAE)といい、通常、BAEを付けます。

でも木材に含まれるホウ酸塩濃度なんて、わかりませんよね

施工業者を信じるしかないのかな

でも人間ですから、うっかりミスだってある筈。

施工後の雨で流れちゃう事もあるでしょ

濃度が低くて効かない

なんて事になったりして・・・。

そんな心配をしたくない方には、コレをお勧めします。

 

日本ボレイトの『ホウ酸チェッカー』です。

中にはクルクミン水溶液が入っています。

クルクミンとは、カレーの中に入っている黄色いスパイス。

そう、ウコンです。

これを木材に噴霧すれば、良いんです。

充分な量のホウ酸塩が含まれていれば、濃いオレンジ色に変色します。

含まれているホウ酸塩が不十分であれば、黄色いままとなります。

試してみたい部分に噴霧して、数分待てば確認出来ます。

簡単ですよ・・・。

弊社の現場には、工事完了と同時に、こんなステッカーが貼られています。

そして私の手元には、ホウ酸チェッカーがあります。

だから、現場のアチコチにこれを噴霧します。

そして、充分な量のホウ酸が含まれているかどうかを確認ます。

万が一、雨等で流れてしまっていたら・・・。

そんな時は、手元にある高濃度ホウ酸水溶液をたっぷりと噴霧するんです。

面倒だと思っても、必ず実施します。

ホウ酸って、濃くないと効かないんです

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