ラジオメーターを使って、日射量を比較してみよう!

本日、板橋区弥生町の『FPの家 S&N邸』で完成現場見学会を開催します。

板橋区弥生町 完成見学会

開催時間は、午前10時から午後17時まで。

完全予約制にて、1組づつ1時間掛けてご案内させて戴きます。

既に満員御礼状態の為、新規のご案内は出来ません。

あしからず・・・。

 

今回は、こんなモノを会場に置いてみました。

ラジオメーターという、ガラスの中の羽根が光で回転する不思議なオブジェです。

1870年代に英国物理学者クルックスによって考案されました。

当初は太陽エネルギーを運動エネルギーに変える実験器具だったそうです。

でも今は心を癒してくれる不思議なガラス工芸品として、愛されています。

太陽光(赤外線)を浴びると、ガラス内の4枚の羽根が回転します。

だから陽当りの良い窓辺に置けば、羽根がくるくる回ります。

光が強いと回転する速度が上がり、弱ければゆっくり回ります。

原理はややこしいけど、実にわかりやすいんです。

陽当りの良い窓かどうかを判断出来る訳。

面白いですよね。

 

昨今、窓に使われるガラスは熱貫流率を重要視します。

そのために、2枚のガラスの内側に特殊金属膜をもったLow-Eガラスが使われるようになりました。

ダブル・トリプルを問わず、この膜のお陰で断熱性は格段に向上しています。

でも、この膜のお陰で日射取得性は低下します。

これが問題なんです。

ちなみに外側ガラスの内側に膜があれば日射遮蔽型ガラス、内側ガラスの中空層側に膜があれば日射取得型ガラスなんて言い方をします。

断熱性重視がいいのか、日射取得性重視がいいのか

少しだけ考えてみたいと思います。

 

アルゴンガス入りトリプルガラスで比較してみましょう。

例えば、合計20.0㎡の窓がある家の場合です。

内外温度差:25℃(外:0℃/中:25℃)という環境で試算してみます。

熱貫流率(Ug値)が0.63W/㎡・Kと0.83W/㎡・Kのガラスそれぞれから逃げる熱量は、315Wと415Wとなります。

これを補うには100Wの白熱電球×3個、あるいは4個必要となります。

そう考えると、大したことないのかな・・・。

でも逃げる熱量が多くなれば、当然暖房費が嵩みます。

チリツモで、お財布に効いてくる筈・・・。

これだけ見れば、前者を選びたくなりますよね

 

でもガラスは熱を逃がすだけではありません。

暖かい太陽熱を室内に届けてくれます。

例えば1月の東京の南面であれば、平均600W/㎡の日射熱を得る事が可能です。

でも断熱性能の高いガラスは日射取得率が低いので、この熱をそのまま得ることが出来ません。

例えば先程の2種類のガラスの取得率は、33%と58%でした。

逆に言えば67%・42%の太陽熱を反射する訳、勿体ない気がします。

仮に全ての窓が南面であれば、それぞれの取得熱は3960Wと6960Wになります。

電気ストーブで言えば、700Wタイプが6台と10台分に相当します。

凄い違いでしょ

ここから逃げる熱を引いても、3645Wと6545Wになります。

つまり、700Wタイプの電気ストーブ×5もしくは9台分の熱を只で貰える訳です。

絶対、後者を選ぶべきでしょ

ここで、ふと考えます。

もっと熱貫流率が低くて日射取得率の高いガラスって無いのかな

そんな都合の良いガラスなんて、ないでしょ・・・。

でも、実はあるんです。

Ug値が0.61W/㎡で日射取得率が58%のガラス。

Ug値が0.56W/㎡で日射取得率が44%のガラス。

双方の逃げる熱と得ることの出来る熱を同じ条件で試算すると、こうなります。

それぞれから逃げる熱は305Wと280W。

それぞれの取得熱は6960Wと5280W。

合わせると、6655Wと5000Wになります。

ずいぶん違うでしょ

但し、日当たりの良い窓の場合です。

しかも、これは冬季の晴れた日に限った話です。

陽が照っていなければ、日射熱は期待できませんから・・・。

また夏季の場合は、日射熱がマイナスに働きます。

逃げる熱よりも入ってくる熱の方か多いんですから、暑くて仕方ありません・・・。

夏だけ出来る日射遮蔽対策、別途必要になる訳です。

 

どんなガラスを選べば良いんだろう

自然光の入り方だって違う筈

ガラスの色も、結構違うんですよね。

導入コストの比較、運用上の面倒臭さだって検討しなければなりません。

そもそも、年間を通じた燃費ってどうなの

結局、総合的な判断が必要になる訳です。

 

色々と難しい事を書いてしまいました。

でもガラスの選択ひとつで、色々と変わることをわかって欲しかったんです。

まずはガラスによる日射取得の違いを体感してみましょう

何種類かの省エネガラスを用意しました。

日当たりの良い場所にラジオメーターを置き、上にガラスを翳して戴きます。

羽根の回り方が、かなり違います。

そしてガラスの色や透明度も確認してください。

ガラスを選択する際の選択肢が増えると思います。

 

ご存知ですか

建物のUA値は小さい方が良いんです。

だからHEAT20のG2やG3グレードが、もてはやされます。

そして、これを小さくしたければ熱貫流率の小さいガラスを採用し、窓面積を小さくするのがセオリーです。

でも、そうすると燃費の悪い家になる場合もあります。

昼間なのに、照明を付けないと暗くて仕方ないなんて事もあったりして・・・。

やはりお日様の光を上手に使わないと、省エネ性の高い家にはならないと思います。

今回の見学会のテーマのひとつに、これを掲げてみました。

お日様の恩恵を可視化する

可視可しないとピンと来ない事って多いんですよね・・・。

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上記をご確認ください。

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