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弊社の階上音対策について、書いてみようと思います。
全ての建物で行っている標準的な施工です。
外皮の断熱性能や気密性能を高めると、外からの音が聴こえにくくなります。
車の音や人の声が気にならなくなるというメリットが生まれる訳です。
同時に家の中の生活音が、外に漏れる事も少なくなります。
騒音を気にして生活するのって、結構ストレスを感じるんですよね・・・。
でも急な雨に気が付かず、洗濯物を取り込み忘れるなんて事もあります。
また外からの音が気にならない分、隣室の音や階上音が気になる事もあります。
ドンドンという足音(重量衝撃音)、スリッパのパタパタ音や物を落とした際のカンコン音(軽量衝撃音)等です・・・。
畳やカーペットで仕上げられた床であれば、さほど気にならない音。
でもフローリング床だと、かなり気になるんですよね。
一般的に重量衝撃音は、構造を硬くしたり重量の大きな緩衝材を挟んだりするのが有効と言われています。
また軽量衝撃音は、軟らかい緩衝材を挟むのが有効です。
写真は、2階床に敷かれた制振ゴムを撮ったもの。
厚さ28~30mmの構造用合板の上に厚さ6mmの制振ゴムを敷き並べるのが、弊社の標準的な階上音対策です。
随分と前から、自動車のエンジン回りに融着され『遮音・制振』に使われる『合成ゴム系基材』と衝撃を吸収する『特殊繊維フェルト』で出来た複合製品『ユニフェルト6R』を採用しています。
階上音がどれだけ小さくなるのかを示す値を軽量衝撃音低減量や重量衝撃音低減量と言い、db(デシベル)で表します。
たとえば上グラフは中心周波数と、それぞれの衝撃音レベルを示したもの。
500Hzにおける厚さ12mmのフローリングの衝撃音はおよそ70dbでした。
フローリングの下にユニフェルト6Rを敷き込めば、これが56db程度まで低減します。
10db低減すれば音は半減するそうですから、この違いはかなりのものだと思います。
またクッション性が高まるので、膝裏への負担が軽くなり疲労の軽減にも役立つと言われています。
転倒時の衝撃から、あなたの身を守ってもくれるそうです。
日本建築学会床工事WGでは、転倒時の安全性のために『JIS A6519「床の硬さ試験」』の推奨値(G値)を100G以下としています。
ちなみにG値は小さいほど安全性が高くなるとされています。
例えば厚さ55mmの畳床のG値は50~60、合板の上にCFシートを張った床のG値は130~150です。
合板の上にカーペットを張った床のG値は120~140。
捨て張りの上に厚さ15mmの無垢フローリングを張った床のG値も123といいますから、大差ないですよね。
畳床以外は、みんな100を超えているんです。
つまり推奨値を超えている訳。
これがユニフェルトを採用すると、こうなります。
弊社の施工に近いのは、試験体番号4番です。
捨て張り合板9mmが28~30mmになるので、G値は少し大きくなると思われます。
でも、その値は86.0です。
全然問題ないと思われます。
実際の現場見学会の際にも、体感しています。
弊社の建物は、2・3階にユニフェルト6Rを敷き込みますが、1階には敷き込みません。
1日中会場内を歩いているだけでもかなりの歩行距離になりますが、1階に待機している場合と2・3階に待機している場合では、足腰の疲労が全然違うんです。
恐らく、G値の違いだと思います。
コスト面を重視して、合板と床板の間に石膏ボードを敷き込む工務店もあります。
階上音対策としては、それなりに有効でしょう。
でもG値は、さほど向上しません。
どうせコストを掛けるなら、G値向上も図った方がいいとおもうんですよね・・・。
制振ゴムの上には、無垢フロアーをフロアタッカーで留め付けます。
この時フロアー同士をぴったりとくっ付けないように張ることが重要です。
無垢フロアーって、季節により伸び縮みを繰り返します。
ぴったり張ると、フロアー同士が干渉する事があるからです。
樹種や木目、床厚や床巾により隙間の大きさは異なります。
当然、床材の乾燥度合いによる違いも影響します。
これらを踏まえて、隙間の大きさを決めなくてはなりません・・・。
写真の緑色のプレートは、スペーサーです。
これを挟みながらフロアタッカーを留め付ける事で、必要な隙間を確保する事が出来ます。
張り終わったら、1枚1枚抜かなければなりません。
面倒でしょ?
でも、仕方ないんです。
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