横胴縁で外壁通気層をつくる場合の注意点

いつもは外壁にスイス漆喰をお勧めしている弊社ですが、ガルバリュウム鋼板もしくはガルスパンを採用する事がたまにあります。

窯業系サイディンクは使いたくありませんが、ガルバなら耐久性的に問題ないと思えるからです。

特にシーリングの耐久性が問題なんですよね。

その点、ガルバ系の外壁材はシーリングが表面に出ませんから・・・。

練馬区土支田3丁目の『FPの家 T邸』が、コレに当たります。

お客様のたっての希望で、外壁にガルスパンの縦張りを採用しました。

本当は横張りにしたいんですけどね・・・。

だって縦張りの場合、胴縁を横に取り付けなければなりません。

でも普通に胴縁を横に取り付けてしまえば、通気層にはなりません。

胴縁が空気の流れを止めてしまいます。

メーカーの施工マニュアルから抜粋しました。

横胴縁を施工する際には、イラストのように1.82m以内に巾30mmの隙間を確保しなければならないんです。

この隙間が問題なんです。

隙間を明けて胴縁を留めるには、その下に釘を留めるための下地が必要となります。

ちなみに下地は、柱もしくは間柱です。

外壁合板も下地になりそうですが、メーカーでは認めてくれません。

でも間柱の巾は30mm、釘を留める事は出来ないんです。

だから1.82m以内に柱を入れる必要があります。

しかも1・2階の柱を通さなければ、イラストのように隙間が通らなくなります。

隙間が千鳥であっても、通気は出来そうですが・・・。

いずれにしてもこの施工法、縦胴縁に比べて明らかに通気量が少なそうなんですよね。

そこで弊社では、こんな胴縁を以前は採用していました。

随分前の現場です。

当時は遮熱エアテックスを使っていたんですね・・・。

良く見ると、胴縁に空気の通り道となる穴が明いてるでしょ

これ、エアホール胴縁という製品です。

横胴縁でも、ちゃんと空気が流れるように工夫されているんです。

その分、良い値段なんですけど・・・。

実際に使って見ると、やはり通気量が少ない気がします。

通気層工法の通気量が少ないのは、色々と問題があるんですよね・・・。

壁内結露が発生しやすくなるし、雨漏りも増えるそうです。

そこで今回は、こんな施工を行いました。

縦胴縁を455mmピッチで取付け、その上に横胴縁を455mmピッチで取付けます。

これなら縦張りガルバの下地になるし、通気も十分採れそうでしょ

配管回りも、問題無く施工出来ます。

ただし管周りの補強には、少しだけ手が焼けそうです。

土台水切上は問題なし・・・。

材料費と手間は余計に掛かるけど、通気不足で問題を起こす心配はなさそうでしょ

弊社が何より気にするのは、その点ですから・・・。

今後は、この施工を標準にしようと思います。

と言っても、縦張りガルバなんて、滅多に採用しないんです。

工期が短くて魅力的なんですが、傷に弱いのが珠に疵なんですよね・・・。

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