温度が低く湿度も低い環境ではインフルエンザウイルスの生存率が高くなります。

今日は月初めの火曜日。

アセットフォーはお休みです。

だんだん冬が近づいてきたように思います。

最近は朝晩冷える事が多いでしょ

今年はインフルエンザが流行るかもしれませんね・・・。

という事で、インフルエンザネタを書いてみようと思います。

と言っても、以前にFPの家グループ南関東地区勉強会で発表する際にまとめたネタなんですけど・・・。

インフルエンザを感染させるウイルスは、宿主の細胞内で増殖します。

だから体外に排出されると長生きできません。

インフルエンザウイルスの寿命を調べた研究と言えば、G.J.ハーパーが1961年に発表した「ウイルスの生存実験」が有名です。

実験装置にインフルエンザウイルスを浮遊させ、温度や湿度を変えてウイルスの生存率の変化を見ています。

この実験結果から分かることは、温度が低く湿度も低い環境ではインフルエンザウイルスの生存率が高くなること。

だから、気温が低く空気が乾燥する冬にインフルエンザが流行するのです。

 

調べてみると、「絶対湿度6~10g/㎏DAを平均的に確保することで、ウイルス感染を防げる」という意見もありました。

その根拠として挙げられていたのが、以下の点です。

・インフルエンザの空気感染予防的見地から

・真菌(カビ等)の繁殖防止的見地から

・真菌(カビ等)に関する医療的見地から

・建物内部備品・保管品・建具等への劣化および腐敗の抑制的見地から

また、『建築衛生法での環境衛生管理基準』には以下のように書かれていました。

17~28℃において相対湿度40%~70%の範囲に収めること。

わかりにくい表現ですよね

ここで言いたいのは、

温度の範囲は17~28℃、そして相対湿度の範囲は40~70%。

なおかつ、図18の範囲の絶対湿度に納めることが重要です。

問題は、絶対湿度なんです。

図18は『容積絶対湿度』で示されています。

これは大気中に含まれる水蒸気の容積当たりの質量を示す値です。

比較出来るように、それぞれの温湿度を容積絶対湿度で示してみます。

17℃で相対湿度40%の絶対湿度は5.79g/㎥になります。

7g/㎥以下ですから、警戒レベルとなります。

17℃で相対湿度70%の絶対湿度は10.13g/㎥。

28℃で相対湿度40%の絶対湿度は10.89g/㎥。

どちらも7~11g/㎥以下ですから、要注意レベルとなります。

11.1~17g/㎥以下が安全レベルですが、この範囲に納めるためには以下の温湿度にする必要があります。

17.0℃であれば、78%以上。

18.0℃であれば、73%以上。

19.0℃であれば、69%以上。

20.0℃であれば、64%以上。

21.0℃であれば、61%以上。

22.0℃であれば、57%以上。

23.0℃であれば、54%以上。

24.0℃であれば、51%以上。

25.0℃であれば、48%以上。

26.0℃であれば、46%以上。

27.0℃であれば、43%以上。

28.0℃であれば、41%以上となります。

ちなみに、28℃相対70%の絶対湿度は19.05g/㎥。

17g/㎥以上ですから、非常に安全なレベルとなります。

なお絶対湿度を知るには、絶対湿度計が必要です。

また、温度と相対湿度から算出する事も可能です。

でも絶対湿度計なんて持ってないし、いちいち計算なんて面倒

という方が多いと思います。

そんな方は、図19が目安になると思います。

図中の黄色ゾーンが安全レベル、オレンジゾーンが非常に安全なレベルを示します。

『絶対湿度を11.1g以上を平均的に担保できる』建物ならば、インフルエンザに罹りにくいと言えそうです。

でも17g/㎥を超えると、カビが発生しやすくなります。

カビは人体に様々な影響を及ぼします。

カラダに優しく健康を維持・促進できる範囲と言えば、11.1~17.0gと言えそうです。

11.1~17.0g/㎥という値は、重量絶対湿度9.6~14.8g/kgDAに相当します。

どちらの値でも構いませんが、ひとつの目安にすると良いでしょう。

但し、湿度を高くし過ぎると結露を引き起こす場合もあります。

結露の発生しない程度に留めることも重要だと思います。

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posted by Hoppy Red

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