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先日、見たこともない営業担当が新製品を持って弊社を訪ねてくれました。
新しい断熱材『エアロキープ』の売り込みです。
宇宙ロケットに使われている断熱材を使った『業界初の建築用断熱材』なんだそうです。
戴いたカットサンプルを撮ってみました。
厚さは、たったの3mmです。
スポンジの裏表に紙が貼られているような感じ・・・。
「もしかして、それってエアロゲルじゃないの?」
開口一番、質問してみました。
「ええ、そうです。」
(やっぱり・・・。)
「以前から、興味を持っていたんです。」
「よく、来てくれました・・・。」
手渡されたカタログを見ると、こんな事が書かれています。
宇宙技術で開発された画期的な新・断熱材。
有人宇宙ロケットの『内装断熱材』や『宇宙ステーション』・『宇宙服』にも使用されています。
また大気圏突入にも耐えられる耐火性も兼ね備えています。
参考に、エアロゲルについて書かれたページの中から一部を抜粋してみました。
もっと詳しく知りたい方は、下記ページをご確認ください。
エアロゲルとは – エアロゲル.jp (aerogel.jp)
エアロゲル(aerogel)はIUPAC GOLD BOOKにおいて”Gel comprised of a microporous solid in which the dispersed phase is a gas.”と定義されています。
一般的には超臨界乾燥法を用いて得られた低密度構造体(乾燥ゲル)のことです。
エアロゲルに対し、蒸発乾燥過程によるものをキセロゲル、凍結乾燥のものをクライオゲルと呼びます。
構造体の名称であり、特定の化合物を指す用語ではありません。
シリカ(SiO2)
有機ポリマーやその焼結体であるカーボン(C)
アルミナ(Al2O3)やチタニア(TiO2)をはじめとした金属酸化物など
さまざまな物質で作製され、断熱材、電極、触媒担体などへの応用研究が古くから行われています。
エアロゲルを利用した断熱材の製品名がエアロキープという訳です。
カタログには、こんな事も書かれていました。
エアロキープは、細かく均一な内部構造(細孔骨格)をもつエアロゲル構造体でつくられています。
骨格が空間をナノメートルのレベルで均一に仕切っているため真空に近い断熱性を得る事が出来ます。
高い断熱性を得るためには、大きい熱抵抗値が必要になりますが、その分厚みも増してしまいます。
エアロキープは一般的な高性能断熱材と比べて熱伝導率が低いので、薄くても十分な断熱効果を発揮します。
例えば熱伝導率0.020W/m・Kのフェノールフォームの場合、各厚さの熱抵抗値は次の通りです。
厚さ20mm・・・1.0㎡K/W
厚さ40mm・・・2.0㎡K/W
厚さ100mm・・・5.0㎡K/W
また熱伝導率0.036W/m・Kの高性能グラスウールの場合の、各厚さの熱抵抗値はこうなります。
厚さ50mm・・・1.3㎡K/W
厚さ100mm・・・2.8㎡K/W
ちなみに弊社の採用しているFPウレタン断熱パネルの熱伝導率0.019W/m・Kです。
厚さは105mmですから、熱抵抗値は5.5㎡K/Wになります。
そして、問題のエアロキープの厚さと熱抵抗値は次のようになります。
厚さ3mm・・・2.1㎡K/W(75.6mm)
厚さ6mm・・・4.2㎡K/W(151.2mm)
厚さ10mm・・・7.1㎡K/W(255.6mm)
なお()内の数字は、相当する高性能グラスウールの厚さを示しています。
確かに凄い性能ですよね。
わずか3mmの厚さしかないのに、写真のような事ができるようです。
他にも、色々な性能をもっています。
耐火性能はJIS規格A1(石膏ボードと同等の耐火・不燃性を有します。)
遮音性能はJIS規格D-45/Lr-30
(隣室のTV音や会話が微かに聞こえる程度。/上層階で飛び跳ねる音が微かに聞こえる程度)
また、消防服にも採用される程度の撥水性をもつそうです。
リフォーム用建材として開発されました。
既存壁を解体せずに、内側にタッカー等で貼り付け、小口に気密テープを貼ります。
その上に石膏ボードをもしくは内装仕上げを施せば、断熱補強完了です。
撥水性・不燃性もあるため、外張断熱にすれば付加価値も向上します。
真空断熱材と比べると、かなり施工性が良いようですね。
規格サイズは1500mm×910mm、厚さは3・6・10mmの3タイプあります。
1ケースに5枚入っているようです。
問題は価格ですね。
でも嵩張らないので、運賃は安くなります。
フェノールフォームと同程度の価格でしょうか?
さっそく使ってみたくなりました。
幅広く活用できそうな断熱材ですよね。
posted by Asset Red
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