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今日は第1火曜日につきアセットフォーはお休み。
月初めの連休なんです。
先日、ある事をふと思い出しました。
皆さんも昔、理科の授業で『光合成』について習いましたよね?
覚えているでしょうか?
うろ覚えの方もいらっしゃると思うので、念の為・・・。
光合成とは、植物の葉が太陽の光を受けてデンプンなどの養分を作る働き。
そして光合成には水と二酸化炭素が必要です。
また光合成の際には、酸素が発生することも教えてくれた筈。
そのメカニズムを簡単に表すと、次のようになります。
①光合成により水が分解されて酸素が発生。
②空気中から吸収した二酸化炭素は固定され、デンプンなどの有機物に。
よって光合成とは『植物が光によって水を分解して酸素を発生し、二酸化炭素を有機物に固定する反応』ということになります。
最近『脱炭素社会』という言葉をよく耳にするようになったでしょ?
人類が多くなり過ぎ、文明の発展と共に地上の二酸化炭素が増えてしまった!
二酸化炭素は地球温暖化の原因物質と言われている為、このまま増えていったら大変です。
だから二酸化炭素を増やさないようにしよう!
そして『森の重要性』に注目が集まりつつあります。
樹木は光合成により、二酸化炭素を酸素に変えてくれます。
だったら、どんどんと樹を植えればいいじゃん!
という訳です。
でも、話はそんなに単純ではないんです。
学校では教えてくれなかった事が、たくさんあるんですよね。
例えば、木は二酸化炭素を吸収し酸素を供給してくれる訳ではないんです。
陽が陰れば、光合成は行われません。
光合成が行われなければ、動物と同じように酸素を吸収し二酸化炭素を排出します。
つまり吸収量と排出量の差し引きが問題になる訳です。
樹の多くは若いときに二酸化炭素を多く吸収する傾向にあるそうです。
若い樹は、脱炭素効果が高いと言えます。
でも歳をとった樹は、脱炭素に効果を発揮することが出来ないんです。
だから苗木を定期的に植える必要があります。
こんな話、教えてもらった覚え有ります?
光合成が地球を救う!なんて簡単な話ではなかったんです。
だって苗木を植えたら、老木を伐らなきゃならないでしょ?
森林が無尽蔵にある訳ではありませんから!
そもそも陽当りが悪ければ、光合成をしてくれません。
だから定期的に枝打ちや間伐を行う必要もあります。
下草だって刈らないといけないし、樹木を育てるのって大変なんです。
しかも間伐材や大きく育った樹を、そのまま捨てる訳にもいきません。
だって樹を育てるには膨大なコストと人の手が必要です。
当然人の手にもコストが掛かります。
その為に製材して材木として販売したり、薪やペレット等の燃料にしたり・・・。
だれが、樹を育てるの?
だれが、樹を採取するの?
運ぶの?
加工するの?
それって、儲かるの?
わからない事だらけですよね・・・。
だって身近に、こんな職業の方は見当たりません。
もちろん、材木屋さんなら大勢知っていますが・・・。
それだけ林業とか製材業という職業が、縁遠いものになっているんですよね。
そもそも山からふもとの製材所に運ぶのも大変だし、製材所から消費者の元に運ぶのも大変でしょ!
日本の山って険しくて交通の便が悪いから、とにかく輸送コストが高いんです。
そして険しい山では仕事の効率も良くありません。
当然、外国に比べると割高になります。
だから外国産材を買った方が安かったりします。
わざわざ燃料費を掛けても、外国産材の方が国産材より安く仕入れる事ができるんです。
そんな訳で、戦後国産材の使用率は下がる一方でした。
でも、ウッドショックと脱炭素社会へのシフトで風向きが変わりつつあります。
変わって欲しいと思います。
いえ、変えなくてはならない・・・。
その為には、とにかく木を使う事が重要です。
なぜなら、日本の山にはたくさんの老木が生えているからです。
これらの老木は、残念ながら脱炭素社会に貢献する事が出来ません。
しかもお金が掛かるから、捨てることも出来ません。
ただ野晒しにして朽ちるのを待つだけなんです。
これらを活かし、お金に変えないと新しい苗木を育てることも出来ません。
植林→下刈り→間伐→育林→間伐→伐採→加工→利用
こうした営林を行う事が出来ないんです。
廃退した林業や製材業を立て直すには、たくさんの資金と若い力が必要です。
また、その為にも夢が必要となります。
少しずつではありますが、林業に携わる若者が増えているという話を聞きました。
森林大国と言われる我が国の、国土面積に占める森林面積をご存知でしょうか?
なんと、7割を超えているんです。
その森林率は主要国中、フィンランド・スウェーデンに次いで第3位なんだとか・・・。
木材自給率も2011年から10年連続で増加していて、2020年には41.8%にまで上がったそうです。
でも、その利用先の大半は燃料なんだとか・・・。
残念ながら、材木としての利用はまだまだ外国産材に負けているようです。
木材を燃料として利用する事を悪く言うつもりはありません。
でも製材された木材は、その身に二酸化炭素を固定し続ける事が出来ます。
燃料として燃やされるまでは・・・。
植林から30~50年で木材に生まれ変わったら、せめて50年位は木材として二酸化炭素を固定して欲しいと思います。
燃料になってしまったら、すぐに蓄えた二酸化炭素を地上に戻すことになってしまいます。
それでは、あまりにも勿体ないでしょ?
ちなみに1人の人間が呼吸により吐き出す二酸化炭素は、年間320~360kg(約1㎏/日)と言われています。
30坪の木造住宅1棟に使う内装用木材を仮に2.74㎥とすれば二酸化炭素固定量は2.5t-CO2になるそうです。
これって、6.8人分の年間呼吸量に相当する二酸化炭素です。
薪にして燃やせば、固定する事は出来ません。
だって燃焼時に二酸化炭素が大量に出るでしょ?
あくまでも、薪としての利用は最終手段だと思うんですよね・・・。
地球温暖化や海水位の上昇による陸地の消失は、誰にとっても一大事だと思います。
でも、まだまだ絵空事と考える人が多いんですよね。
化石燃料の利用を減らす。
その為に、省エネ化を図る必要があります。
構造材・内装材に木材を利用する。
そして、長く利用する。
これも、非常に重要だと思います。
だって解体された木材は、ほぼ燃料として活用されていますから・・・。
こうした点からも、30年程度で建て直しているという我が国の現状は、明らかに間違っています。
少しづつ手を加えつつ、おじいちゃんの建てた家を子供そして孫が使い続ける。
こんな事が世界では普通に行われています。
これが日本でも、当たり前になるといいなぁーと思います。
その為にも、学校で木材の事や住まいの事を学ぶ必要があるのでは?
知らないって事は罪だったりするんですよね・・・。
木育・住育の必要性を改めて感じました。
posted by Hoppy Red
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