blog
今日は水曜日につきアセットフォーはお休みです。
先日、リフォーム現場でホウ酸水溶液をたっぷりと噴霧して来ました。
ホウ酸水溶液と書きましたが、正確に言えば少し違います。
ティンボワPCOという薬剤を温水で溶かし、一定の濃度にした水溶液です。
ティンボアPCOは、世界中で使用されている防腐・防蟻用のホウ酸塩。
木を腐らせる木材腐朽菌やカビ菌の生育を抑え、木材をシロアリから守ります。
無機物であるため効果が長期間持続するのが特長です。
公益社団法人日本木材保存協会より優良木材保存剤の認定
(JIS K1571:2010附属書A(規定))を受けています。
意外と知られていませんが、ホウ酸は濃度が低いと効果が期待出来ません。
だから濃い水溶液を使うか、薄い水溶液を何回かに分けて噴霧する必要があります。
でも後者の場合には乾いてから噴霧しなければならないので、作業に時間が掛かるんです。
いずれにしても、ケチらずたっぷりと掛ける事をお勧めします。
垂れてきた水滴が身体にかかる事もあります。
時には吸い込む事だってあるでしょう。
でも合成殺虫剤のように、人体に害を為すこともありません。
無味無臭なのでジャブジャブ掛けても大丈夫!
服や頭がが真っ白になるかも知れませんが・・・。
ところで、ホウ酸って何?
案外知らない人も多いんです。
そこで今回は、ホウ酸に関する事を少しだけ書いてみたいと思います。
ホウ素は原子番号5の元素です。
自然界には、酸素と結合したホウ酸塩として存在します。
代表的なホウ酸塩には、ホウ酸・ホウ砂・無水ホウ酸などがあります。
その用途は表のようになります。
ホウ酸塩をガラスやセラミックに混合すると、溶融温度を低下する効果があります。
この性質を利用して、ガラスや釉薬をより低い温度で加工する事が出来ます。
またホウ素の過酸化物を洗剤に添加すると、洗濯物が白く仕上がります。
洗濯に温水を使用するヨーロッパでは、よく利用されているそうです。
ホウ素は植物にとって必須元素です。
特に野菜や果物は、ホウ素肥料がないと良く育ちません。
将来人類がホウ酸塩鉱脈を掘り尽くしてしまえば、食料危機が起こるかも知れませんね・・・。
またホウ酸塩は、難燃剤としても使われます。
住宅用のセルロースファイバー断熱材や防炎ふとん・難燃性プラスチックには、ホウ酸塩・ホウ砂・ホウ酸亜鉛などが使用されています。
原子力発電事故でも、有名になりましたね。
原子量10のホウ素原子は中性子を吸収するという珍しい性質を持っています。
これを利用して、核反応の暴走を抑えようという訳です。
また、この時に発生するアルファー線を利用したガン治療も注目されているようです。
ホウ酸塩には、カルシウムの吸収を促進し骨を丈夫にする効果もあります。
近年は、ホウ素サプリも販売されているんです。
ホウ酸って、凄いですよね。
しかも地球上のどこにでもあるんです。
ホウ酸塩換算で言えば、土壌中に15~20ppm。
海水中に20~25ppm、淡水中に0.01ppm程度のホウ酸が含まれています。
しかもこれらのホウ酸塩は、色々な理由で地球上を循環しているんです。
例えば・・・
海面から上昇気流に乗って海面へ・・・650~2300万トン/年。
雨が土壌から流し出す・・・200~650万トン/年。
火山の噴火で空中に噴上げられる・・・150万トン/年。
ホウ酸塩の採掘・・・200万トン/年。
日本の温泉で湧きだす・・・10万トン/年。
要するに、日常的に私達の回りにある物質なんです。
なんたって、野菜の中にも含まれているんですから。
だから防蟻・防腐処理に使っても、心配する必要が無いんです。
但し過剰に経口摂取するのは厳禁です。
コップ1杯のホウ酸塩水溶液を飲んでしまえば、さすがに体調を崩してしまいます。
摂取量が少なければ、腎臓が体外に排出するので問題ありませんが・・・。
ホウ酸って案外、身近にあったでしょ?
posted by Hoppy Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。