ホウ酸は害虫の体内に入らなければ殺虫剤として働きません。

 

 

 

 

 

今日は水曜日につき、アセットフォーはお休みです。

昨日の拙ブログにて、ピレスロイドについて書かせてもらいました。

ピレスロイドの事を書いたのなら、ホウ酸の事も書かないとね

という事で、さっそくホウ酸の説明を始めたいと思います。

 

ホウ素は原子番号5の元素です。

 

 

 

 

 

また、ホウ素と酸素と水素からできている化合物がホウ酸になります。

 

ホウ素は、私達の健康にとって無くてはならない微量栄養素です。

成人は水や食事から、1日当たり1~3gのホウ素を摂取します。

 

ホウ素は代謝や骨の健康、脳の機能向上に役立ちます。

また、植物にとってもホウ素は必須元素となっています。

特に野菜や果実の生育には欠かせません。

世界で肥料として使用されるホウ酸塩は年間6万トン。

日本では、毎年3千トンのホウ酸塩を果樹園や野菜畑に散布しています。

 

ではホウ素は、どのようにして生命の営みに関わるのでしょうか?

ここでは、ホウ素の正四面体構造が関与していると考えられます。

ホウ素の正四面体構造は、2個以上の水酸基(ーOH)をもつ化合物と反応して、強固なキレート結合を形成する性質をもっています。

キレートは、ギリシャ語でカニの鋏です。

カニが両手の鋏で丸い輪をつくるようにして、獲物をしっかり掴む意味です。

 

 

生体内では、糖とアミノ酸が重要な働きをします。

例えば食物をエネルギーに変える代謝反応では、糖・アミノ酸・リン酸などを要素とする多数の補酵素(コエンザイム)が働きます。

ホウ酸は、糖に由来する水酸基とキレート結合を形成し、補酵素の機能を失わせ、代謝をストップするのです。

代謝がストップすると、生物は即死します。

これがホウ酸ダンゴの原理です。

 

ホウ酸は害虫の体内に入らなければ殺虫剤として働きません。

このような薬剤を食毒といいます。

ホウ酸の毒性は、代謝という細胞の基本的な働きと関係しているため、ホウ酸に耐性をもつ害虫は出現しないと考えられています。

動植物の細胞中のホウ酸塩濃度は非常に低いのですが、このような条件では、ホウ酸塩はホウ酸の形で存在します。

ホウ酸塩の生理作用は、ホウ素原子あるいはホウ酸分子の濃度で決定すると考えられます。

この理由で、ホウ酸塩の濃度は、しばしばホウ素換算やホウ酸換算で表示されます。

哺乳動物が過剰のホウ酸塩を摂取すると、血液中のホウ酸濃度は上昇しますが、細胞に届く前に腎臓でろ過され、体外へ排出されます。

このため、ホウ酸塩は人・犬・猫などの哺乳動物に対する毒性は微弱です。

人やペットに優しく、昆虫やダニ・バクテリアなどに厳しいホウ酸塩は、理想的な殺菌・殺虫剤と言えるでしょう。

例えばイエシロアリは、体重の0.1%のホウ酸を摂取すると死滅しますが、ラットは体重の0.4%のホウ酸を摂取しても半数しか死にません。

ホウ酸は、ピレスロイドのようにシュー・コロリと害虫を殺すものではありません。

ゆっくり作用して繁殖を抑えるもので、静生物剤と呼ばれることもあります。

またピレスロイドのように揮発して、効果が無くなる事もありません。

水で流されない限り、ずーっと効果が続くんです。

ちなみに本分中にあった「ラットは体重の0.4%のホウ酸を摂取しても半数しか死にません。」という文に引っ掛かった人もいると思います。

えっ、死んじゃう人もいるの

私もそう感じました。

でも体重の0.4%と云えば、70kgの人であれば280gに当たります。

 

 

 

 

 

 

 

 

私の好きなクラフトビールの缶が350ml。

この位の量のホウ酸を飲めば、半数の人が死んでしまうようです。

ホウ酸水溶液ではありません。

ホウ酸そのものです。

これを水に溶いたら、どれ位の量になるんだろう・・・。

いずれにしても、こんな量のホウ酸を飲むおそれなんて無いですよね

本文中緑色の文章は、住まいの学校刊/シロアリはホウ酸でやっつけなさい!の一部を転載させて戴きました。

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posted by Hoppy Red

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