blog
困った事態が発生しました。
古屋付の土地を購入したお客様から、相談を受けたんです。
残念ながら、あまり地盤が良くない土地でした。
古い建物でも、柱状改良をしているようです。
柱状改良とは、セメント系固化剤に水を加えスラリー状にしたセメントを攪拌翼の先端から地盤に注入しながら攪拌し、柱円状の強固な改良体を築造する地盤改良工法です。
設計的に適用可能な地盤が多いため、全国的に一番多く採用されているそうです。
地盤改良を行っていたと聴いて
「すでに地盤改良をしているんなら、今回の工事費も圧縮できるのでは?」
と思っていたかも知れません。
でも、そうは問屋が卸さないんです・・・。
もちろん以下の条件に合致すれば、利用する事は可能です。
①既存改良体(以下杭頭)の天端高さが、新規基礎の耐圧盤レベルに合っている事。
②杭頭の位置が、必要箇所にある事。
③杭頭が、設計強度を満たしている事。
①に関しては、GL設定や基礎形状を杭頭に合わせることが出来そうです。
②に関しては、設計次第です。
好きな間取りを、所々妥協する必要もありそうです。
③に関しては、たぶん無理だと思います。
鋼管杭と違って、柱状改良は状況によって強度が変わります。
サンプルを採取して、破壊試験を行う事でクリアできるかもしれませんが・・・。
全ての杭頭を撤去するという方法もありますが、現実的とは思えません。
かなりの費用がかかると思いますから・・・。
また杭頭を削り、基礎に接触しないようにするという方法もあります。
削る代わりに、設計GLを上げても構いません。
この方法が妥当だと思います。
今回の場合は、設計GLを上げて杭頭に接触しないようにするつもりです。
でも問題が解決した訳ではありません。
建物を建て替えるに当たり、要所要所に新しい杭を入れる必要があるんです。
杭頭が邪魔になる場合も考えられます。
その場合は、新規杭の位置を変更する必要があります。
こうした計画を立てるために、全ての杭頭の位置やレベルを確認する必要もあります。
結局、地盤改良をしていない場合よりも費用が余計掛かってしまう訳です。
どうにも納得いかない話ですよね?
決して安くない費用を掛けて行った地盤改良なのに、家を建て直そうとした時に単なる邪魔者扱いなんて・・・。
ちゃんと施工してるんだから、利用するのがSGDs的だと思うんですよね・・・。
地盤改良業者にも、相談してみました。
「例えば杭頭を50cm程度削り、建物下を表層改良したらどうなの?」
回答はすぐ返ってきました。
「問題なさそうですが、保証はつけられません。」
「何かあった際には、ご自分で対応する事になります。」
これでは、意味ないですよね?
羽根付鋼管杭であれば、回転を加えて深く入れたり抜いたり出来るんですよね。
羽根付鋼管杭だったら、良かったのに・・・。
でも当時は、メチャクチャ高かったんです。
こんな事態を経験すると、今後は羽根付鋼管杭の一択かもしれませんね・・・。
posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。