空気には乾き空気と湿り空気があります。

 

 

 

 

 

今日は水曜日、アセットフォーはお休みです。

先日、拙ブログにこんな写真をアップしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

現場巡回に使っている軽ワゴンの車内に吊るした、WBGT計の写真です。

表示を見ると、気温44.9℃/湿度21%となっています。

ここで云う湿度とは『相対湿度』を指しています。

気温44.9℃/相対湿度21%って聞くと、空気が乾燥している気がしませんか

 

梅雨もあと20日くらいでしょうか

まだまだ湿度が気になる時期が続きます。

という事で、今回は湿度について書いてみようと思います。

 

今回は、ちょっと話がカタクなるかも知れません。

ご覚悟を・・・。

 

 

 

 

空気には乾き空気湿り空気があります。

空気を構成しているのは、窒素・酸素・水素・二酸化炭素・アルゴン・ヘリウム、そして水(水蒸気)です。

 

この空気のことを『湿り空気』と呼びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的に空気と言えば、コレを指します。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、空気から水蒸気を取り除いた空気のことを『乾き空気』といいます。

でも、湿り空気の中の水蒸気量はマチマチですよね

その量を表すのが『湿度』なんです。

 

ここで覚えて戴きたい言葉がいくつかあります。

➀飽和水蒸気量・・・1.0㎥の空気中に含むことが出来る水蒸気量を質量(g)で表したもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空気中に含むことの出来る水蒸気量は、グラフのように温度によって異なります。

例えば、気温25℃の時の飽和水蒸気量を23.06g/㎥。

気温10℃であれば、飽和水蒸気量は9.41g/㎥になります。

②露点温度・・・湿り空気を冷却した際に凝結が始まる温度(℃)を言います。

また、この際に起こる現象を結露と言います。

 

 

 

③相対湿度・・・一般的に『湿度』と言えば、コレを指します。

 

 

 

 

ある温度における湿り空気中の飽和水蒸気量に対する、その時の空気中の水蒸気量の割合を『%』で表した値です。

例えば、気温25℃の時の飽和水蒸気量を23.1g/㎥。

この時空気中の実際の水蒸気量が18.0g/㎥であれば

18.0g/23.1gで、相対湿度は77.9%になります。

また、相対湿度100%時の温度が露点温度です。

④絶対湿度・・・容積絶対湿度と重量絶対湿度の2つがあります。

 

 

 

 

 

容積絶対湿度は、湿り空気1.0㎥中の水蒸気量を『g/㎥』表します。

また重量絶対湿度は、乾き空気1.0g中の水蒸気量を『g/㎏DA』表します。

一般的には前者を絶対湿度と言うことが多いそうですが、建築業界では後者の方が多いように感じています。

まとめてみます。

仮に気温20℃と仮定しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

湿り空気1.0㎥の中に雫ちゃんが8人座っています。

雫ちゃん・・・空気中の水蒸気(体重1g)

椅子  ・・・飽和水蒸気量(耐荷重1g)

図中の雫ちゃんが空気中の水蒸気量を示しています。

黄色い椅子が飽和水蒸気量、図では16脚あります。

この時の相対湿度は、16脚中8人ですから50%になります。

また枠内の湿り空気体積を1.0㎥とすれば、容積絶対湿度は8g/㎥になります。

仮にこの時の乾き空気重量を1㎏とすれば、重量絶対湿度は8g/㎏DAになる訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は気温16.5℃の場合です。

図中、雫ちゃんは6人います。

黄色い椅子は12脚ですから、この時の相対湿度は50%になります。

このまま室温を25℃まで上げてみましょう。

雫ちゃんの数は変わりません。

でも温度が上がったので、椅子の数は18脚に増えました。

この時の相対湿度は33%になります。

これが、暖房による乾燥のイメージです。

絶対湿度は同じでも、相対湿度は50%から33%に変わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は25℃33%を3℃まで下げてみましょう。

雫ちゃんは6人のままですが、黄色い椅子は4脚しかありません。

温度が下がったので、飽和水蒸気量も減ってしまいました。

その結果、2人が椅子から零れてしまいます。

この時の相対湿度は、なんと129%。

これが結露の状態です。

椅子から零れた雫ちゃんは、そのまま結露水になってしまいます。

これが、冷たい外気による窓ガラスの結露のイメージです。

絶対湿度は同じでも、相対湿度は33%から129%になった訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめると、グラフのようになります。

20℃、絶対湿度17.3g/㎥の露点温度は20℃です。

つまり、相対湿度は100%。

この空気を15℃に冷やせば、4.5g/㎥の水蒸気が結露します。

また25℃まで温めれば、飽和水蒸気量が増えるので相対湿度は75%まで下がります。

これが結露の仕組みです。

では冒頭の問題はどうでしょうか

気温44.9℃/相対湿度21%って聞くと、空気が乾燥している気がしませんか

この空気の絶対湿度は、13.66g/㎥(容積絶対湿度)/12.55g/kgDA(重量絶対湿度)となります。

これって気温が25℃であれば、相対湿度63.4%くらいに相当します。

ちょっと湿度高いかも・・・。

もう少し、低くしたいですよね。

相対湿度って、温度の高低で変わってしまいます。

だから、誤ったイメージを持たれやすいんです。

数字の大小で湿り具合はわかりません。

あくまでも温度と湿度のセットが基本なんです。

でも絶対湿度であれば、数値だけで判断が可能です。

夏であれば12~11g/kgDA以下を目安にすれば良いと思います。

温度/相対湿度で言えば

25℃/61~56%

26℃/58~52%

27℃/54~49%

28℃/51~47%

くらいが目安になると思います。

湿度って、わかりにくいですよね

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posted by Hoppy Red

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