blog
練馬区春日町6丁目で工事をしている『スケルトンリフォーム Y邸』の話です。
昨日、換気システムの風量測定を行いました。
このお宅では、NJKのダクト式第3種セントラル換気システム『ルフロ400』を採用しています。
第3種換気とは、ファンを回して建物内の汚染空気を強制排気する事で、建物内が負圧になり、外壁に設けた自然給気口から新鮮空気が入ってくるという最も一般的な換気方式です。
弊社では、1つのファンで排気ダクトを通じて家中の排気を行っています。
建物には、C値でいえば0.6㎠/㎡以下の気密性能が求められますが、それさえ満たしていれば省エネで健康・快適な空気環境を維持する事ができるというシステムです。
でも、その為にはしっかりとした換気設計と丁寧な換気施工が求められます。
そして、それを確認するために必要なのが『換気風量測定』です。
弊社では、写真のような風量測定器を利用して引き渡し直前に行います。
この測定器、マノメーターといいます。
ピトー管といわれる金属製のパイプの前端を排気口に設けられた穴に刺せば、排気風量を測ることができます。
ここからは、換気風量測定の進め方を簡単にご紹介しようと思います。
天井もしくは壁に設けられた排気口の写真です。
穴がたくさん開いているでしょ?
ここから汚染空気が吸われ、排気ダクトを通じてルフロ400に集まり、外に捨てられます。
真ん中のプレートを回すと、写真のように穴の面積が小さくなります。
小さくなると、排気風量が少なくなります。
これを開度調整といいますが、各設置場所ごとに、換気設計の段階で予め開度は設定されています。
測定するに当たり、まず行うのが、この開度調整です。
外壁の部屋側に設けられた自然給気口の写真です。
蓋が閉じられた状態を撮ってみました。
この状態では、外気はほぼ入ってきません。
季節を問わず、写真のように上側を開けるようにしています。
自然給気口からは、新鮮外気が入ってきます。
夏であれば高湿で暑い空気が、冬であれば低湿で冷たい空気が入ってきます。
だからといって、蓋を閉めてはいけません。
蓋を閉めても、別の隙間から外気は入ってくるんです。
どこから入ってくるかわからないよりも、自然給気口から入ってきた方が安心でしょ!
ここなら、花粉フィルターも付いているので清浄な空気を取り入れることができます。
すべての自然給気口を開け、排気口の開度調整を行ったら、いよいよ風量測定を行います。
ルフロ400のコントローラーです。
黒いダイヤルを回すことで、1~9までの17段階の風量調整が可能です。
運転中は、青いインジケーターが点灯。
これ、昔は赤い色が点灯していました。
歳を重ねると、赤よりも青の方が見やすいそうです。
まずは設計風量にダイヤルを合わせて、風量を測定します。
こんな風に、ピトー管の先端を排気口に刺し込み、マノメーターの値を読むだけ。
すべての排気風量を測定したら、パスカルで表示された値を㎥/hに換算して合計風量を算出します。
合計風量が設計風量に満たなければ、ダイヤルを回して風量を上げます。
そして、再度風量測定を行います。
合計風量が設計風量を上回ったら、次は個々の排気口の風量を調整します。
この時必要になるのが開度調整です。
穴を大きくすれば、風量は増えます。
反対に穴を小さくすれば、風量は少なくなります。
ダイヤルを回さなければ、合計風量は変わりません。
だから個々の風量を確認し、開度を大きくしたり小さくしてバランスを取ります。
個々の排気風量が、設計風量になったら作業完了です。
この時の風量を控え、報告書を作成!
これをお客様に手渡しする際に、運用方法を説明します。
これにて、換気風量測定終了です。
換気システムは、設置して完了ではありません。
様々な要因で、設計通りの風量が確保できるとは限らないからです。
建物の気密性能しかり、排気ダクトの長さや曲がりの数が、その要因となります。
不必要な継ぎ手やダクトの潰れ等も、大きな要因です。
これらを踏まえ、最終的に設計通りの風量を確保する。
これが設計・施工を行う者の責任だと思います。
でも、これだけじゃないんですよね。
維持管理は、住人の責任です。
換気システムのスイッチを切るのは、もっての他!
状況により風量を絞る事があっても、必ず元に戻す必要があります。
しかも換気風量って、排気口や給気口の汚れ具合にも影響を受けるんです。
排気口の清掃を怠っていれば、排気ダクト内に埃や塵が付着することになります。
気分が悪いでしょ?
捨てる空気だから、別に問題はないんですが・・・。
posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。