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弊社で建てるFPの家も、だいぶ仕様が変わりました。
色々な部分で進化している筈だけど、外壁も、そのひとつだと思います。
以前は、窯業系サイディング(以下、サイディング)ばかりでした・・・。
サイディングって、現在戸建て住宅で一番採用されている外壁なんじゃないかな?
乾式工法だから工期が短いし、デザインのバリエーションも豊富!
価格帯も巾広いから、ロープライスな建物から中・高級グレードの建物にも採用できます。
でも色々と問題もあると感じ、弊社では採用を辞めました。
今回は、サイディィングのリサイクルについて書いてみようと思います。
窯業(ようぎょう)系サイディングとは、セメントと木材繊維などを薄い板状に加工した外壁材です。
その製造過程で窯の中で高熱処理されるため、『窯業系』と呼ばれています。
国内の新築住宅で使われている外壁材で、そのシェアは約8割に及ぶんだとか・・・。
凄いですよね?!
想像をはるかに超えていました。
一般的に言われている弱点は、こまめなメンテナンスや塗装が必要であること。
10年に1度は塗装が必要で、1回の塗装工事につき約80万~120万円程度の費用がかかります。
最近では、メンテナンス頻度が少ない高耐久塗料が塗布してある製品も増えました。
でもサイディングの耐久性を上げても、目地に使われるシーリング剤が劣化すれば意味ありません。
そこで耐候性の高いシーリングが登場したり、シーリング不要のサイディングが登場しました。
一般的なシーリング剤は、10年もちません。
でも高対候シーリングであれば、15年くらいはもつようです。
こうした製品を使えば、こうした弱点をカバーできる訳です。
でも、かなり高いんですよね・・・。
さて本題です。
サイディングの寿命って、どのくらいなんでしょうか?
塗装を繰り返していれば、ずーっと使い続けることが出来るの?
サイディングは寿命は30~40年と比較的長いようです。
でも7~10年周期でメンテナンスが必要となります。
これは、窯業系サイディング自体には防水性がなく、塗料で防水性を補っているからです。
7~10年程度で塗料の防水効果はなくなってしまうため、定期的なメンテナンスで防水効果を取り戻す必要がある訳です。
反対に、このメンテナンスを怠ると寿命は短くなります。
寿命が30~40年、7~10年ごとに80~120万円のメンテコストが掛かる訳です。
その費用は240~600万円!
しかも寿命が来れば、剥がして張り替えるしかありません。
剥がして張り替えれば、さらに300万円くらいかかりそうです。
カバー工法という手段もありますが、弊社ではあまりお勧めしません。
だってサイディングの下に張られた透湿防水シートも、寿命を迎えているから・・・。
躯体だって、劣化しているかもしれませんよ!
どうせなら、剥がして安全を確認しませんか?
でもサイディングを張り替えれば、当然ゴミであるサイディングが発生します。
ゴミの回収・運搬・処分費用だって、バカになりません。
そもそも、そのゴミってリサイクルできるの?
ちなみに住宅を新築・リフォームし、建築業者が出したサイディングは全て『管理型がれき類(外壁材)』に分類されます。
そして産業廃棄物としての処理が義務付けられています。
だから、一般ゴミで出すことは法律違反です。
必ず産業廃棄物として処理業者に依頼し、正規の手順で処分しなければなりません。
量の多寡は関係ありません。
しかも、これから張り替えるであろうサイディングには、アスベストが含まれています。
大丈夫なの?
現場で発生する端材に関しては、メーカーが回収して原料として再利用するシステムはあるようです。
工場でプレカットを行い、端材を現場で発生させない仕組みも試験的に運用されているそうです。
いずれにしても、端材を回収し、原料の一部に流用している訳です。
このシステムを流用すれば、剥がしたサイディングのリサイクルも出来そうですよね。
でも窯業系サイディングって、メーカーごとに製法や添加物に違いがあります。
これらをキチンと分別しなければ、原料として使えそうにありません。
でもサイディングの裏側には、製品情報が掛かれています。
これを読み取り、製造メーカーに戻すことが出来れば、再資源化の道は開けるんじゃないかな・・・。
メーカーに回収義務を負わせればいいのに。
問題は、そのコストですよね?
かなりの費用がかかると思われます。
その費用を価格に転嫁したら、かなり高級品になるのではないのでしょうか?
でも仕方ないですよね。
売りっ放しで、回収・廃棄コストは利用者負担っておかしいでしょ!
しかも大抵のサイディングには、べっとりと塗装が施されています。
この塗料の除去が厄介だと思うんです。
当然費用も掛かります。
そのせいか、ほとんどのサイディングは細かく砕かれ地中に埋められているようです。
つまり、再利用の放棄・・・。
しかも、こうした最終処分場は減るばかりなんです。
産廃業者も、かなり困っているようです。
1年ほど前に見学した産廃施設には、窯業系サイディングの引き取りを求めて全国からトラックが列を成していました。
国内にサイディングを引き取ってくれる施設は、確実に減ってきているらしい・・・。
でも、サイディングゴミは益々増えるんですよね?
どうするの?
そのうち誰かが、良い方法を考えてくれるよ!
新たなリサイクル方法を期待しつつ、呑気に使い続けることなんて出来ないですよね・・・。
しかも、メンテナンス費用が掛かり過ぎます。
産廃費用だって、結局建物のオーナーが負担することになるんですよね・・・。
みんな、承知の上でサイディングを使っているのかな?
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