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連休明けの木曜日。
ダメだ~、頭が回らない・・・。
という事で、鉄板ネタを書いてみようと思います。
コレです。
住宅ストックの断熱性能を示した、令和4年の資料です。
そもそも住宅ストックとは、その名の通り『住宅の在庫』です。
現在建てられている住宅をまとめて、こう呼んでいます。
上グラフによれば、その29%は無断熱もしくは無断熱に近い住宅。
36%がS55年基準を満たした住宅。
22%がH4年基準を満たした住宅。
そして13%が現行基準を満たした住宅なんだそうです。
と言っても、わからないですよね。
それぞれの基準を比較している図を挙げてみます。
コレです。
それぞれの基準を、壁・天井の断熱材の厚さで示しています。
ちなみに、温暖地におけるロックウールの厚さです。
結構違いますよね?
でも重要なのは、この違いが建物内の温度環境に、どんな違いを与えるかだと思います。
コレです。
盛岡の住宅の自然室温と外気温を、各基準ごとに比較しています。
ちなみに自然室温は、冷暖房を掛けていない状態の室温と考えてください。
例えば朝7時の外気温は、4℃。
この時、S55基準の家の自然室温は6℃ちょっとです。
これがH4基準になると、8℃弱になります。
H11基準では、11℃。
断熱材を厚くした効果が出ているような、出ていないような・・・。
なんとも微妙な結果ですよね?
でも、とりあえず10℃は超えている訳ですからヨシとしましょう。
本当は18℃以上欲しいところなんだけど、無暖房で11℃なら暖房入れれば18℃以上になるでしょ?
ちなみに上図によれば、室温が5℃を下回ると低体温症を発症するリスクが高まるそうです。
9~12℃で、血圧上昇や心臓血管疾患のリスク大。
16℃で呼吸器系疾患に影響あり。
18℃が許容室温、21℃が推奨室温との事。
これ、英国保健省の2009年次報告書に記載されています。
寒さは健康の大敵なんですよね。
だから寒い家をつくってはいけません。
最低でもH11年基準の家をつくるべきなんです。
そして、ようやく2025年4月に省エネ基準が義務化されます。
昨年の10月に決まりました。
上図の等級4(H25基準相当)が、義務基準になります。
そして2030年には、等級5(ZEH基準相当)が義務基準になる予定です。
ちなみにH25基準って、H11基準とたいして変わりません。
14年も経過しているのに。
進歩ないですよね・・・。
それでも推奨基準が義務基準に変わったのは、凄いことだと思うんです。
この基準を満たして欲しいなぁー
から
この基準を満たさないとダメだよ!
に変わったんですから・・・。
最後に、このグラフを見てもらいましょう。
S55基準が施工されたのは、ショルダーフォン登場の5年前なんだそうです。
そして、その2年後にNTTの携帯電話サービスが開始されています。
H11基準施工時には、iモードのサービスが開始されています。
その後モバイル機器は、FOMA7→i-Phoneと変わり現在に至ります。
凄い進歩ですよね。
それに引き換え省エネ基準は、ほぼ変わっていません。
中身は変わらないのに、名前だけがH11基準→H25基準→H28基準と変わっただけ・・・。
なんとも情けない話ですよね?
長く住宅業界に身を置く人間の一人として、本当に申し訳ないと思います。
以前にも、このグラフを使わせてもらいました。
なかなか、面白い比較ですよね。
住宅の省エネ基準も、見違えるような進歩をして欲しいと思います。
posted by Asset Red
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