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昨日『FPの家 K邸』にて行われた、構造見学会のヒトコマです。
来場者に向けて、㈱FPコーポレーションのO氏が一生懸命説明をしています。
これ、『ウレタン発泡実演』を行っているところなんです。
そもそも『ポリウレタン(以下、ウレタン)』とは、ウレタン結合を含む高分子化合物の総称です。
ポリエチレン
ポリプロピレン
ポリスチレン
ポリ塩化ビニル
といった合成樹脂(プラスチック)の仲間になります。
クッションや寝具等に使用される柔らかいスポンジ状のもの(軟質フォーム)
冷蔵庫等の断熱材に使用される硬いもの(硬質フォーム)
あるいはゴム状と多種多様な製品があります。
その主原料はポリイソシアネートとポリオール。
そして反応を調節するための触媒や製造時に泡の状態を調節するための整泡剤。
HFO・CO2・フロンなどの発泡剤。
物性向上のための架橋剤。
燃えにくくするために添加する難燃剤や、充填剤・着色剤が使われる場合もあります。
また紫外線・空気中の亜硫酸ガス・窒素酸化物・熱等による劣化を防止するために各種耐候安定剤も添加します。
1941年ドイツのバイエルン社により開発されました。
我が国では1955年に軟質フォーム、そして1957年に硬質フォームの生産が開始されています。
硬質ウレタンフォームは接着剤を使用しなくても、金属・合板・コンクリートなどの対象物表面に直接発泡する事で対象物と強く接着する『自己接着性』という優れた特長をもっています。
この特長を活かして建築物・冷蔵庫・各種プラントなどの断熱材として広範に使用されるようになりました。
代表的な製造方法は次の3つになりますが、FPウレタン断熱パネルの製造方法はいずれにも該当しません。
①スラブ発泡法
②連続ラミネート法
③モールド発泡法
注入成形(多段プレス法)に分類されるそうです。
工場内に設置された加圧プレスの中に表面材と枠材を組立て、枠組内部にウレタン原液を注入・発泡させる製法です。
当然、他の製法でつくられたウレタンとは色々な点が違います。
例えば最近よく見かける『現場発泡ウレタン』とも違うんです。
その違いを説明しながら、O氏は実験を進めていきました。
O氏の手にある2本のボトルには、それぞれポリオールとポリイソシアネートが入っています。
これを別のボトルに順番に注入し、数回シェイク!
シェイクした原料を迷路の入口に注入すれば、迷路内でウレタンは発泡を始めます。
発泡が進めば、迷路の中を上に上がっていき上にある穴から噴き出す仕組みです。
ちなみに、シェイクし過ぎると反応過多でウレタンが異常発泡します。
穴から噴き出したウレタンが、来場者に降りかかる可能性もあるんです。
またシェイクが足りないと、反応不足でウレタンはあまり発泡しません。
上の穴からウレタンが噴き出なければ、実演は失敗!
シェイクの具合が、全てを決める訳です。
なお、この実演で採用しているウレタンは空気中に含まれる水蒸気を触媒に発泡します。
だから湿度の低い日は、あまり発泡しません。
また気温が低いと、同様に発泡しないんです。
今回の実演は、失敗でした。
あと、ちょっとでゴールだったんですよね・・・。
O氏の読み違いです。
この実演を10年以上続けている筈なのに・・・。
現場発泡の難しさが、ここにあります。
オペレーターの経験に期待するしかないんですよね。
原料の成分や分量が正しくても、気温や湿度が違えば発泡の具合が異なるからです。
また木材などの非着物が冷たい場合、ウレタンの接着力は落ちてしまいます。
一見ウレタンが非着物に付着しているようでも、後で剥がれてしまう事もある訳です。
でも大抵は、硬化・収縮する前に見えなくなってしまいます。
大丈夫なのかな?
結局、作業員の人柄や経験を信じて頼るしかありません。
その点、FPパネルは安心です。
専用工場では、温度や湿度の管理をキチンと行っています。
適した環境になるように、整備されている訳です。
硬化・収縮した製品をひとつひとつ、検品しているし・・・。
こんな話をしながら、実演は終わります。
割と評判良いイベントです。
子供達にも大うけなんです。
posted by AssetRed
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電話:03-3550-1311
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