施工に先んじて、下葺き材の葺き方のポイントを挙げたいと思います。

板橋区で工事中の『FPの家 H邸』では、本日『下葺き材』の施工が行われます。

そもそも屋根の勾配は、屋根仕上げに応じて屋根材製造者の指定する適切な勾配を確保する必要があります。

木造住宅の場合、屋根材による一般的な最小勾配は以下の通りです。

①瓦葺き・・・4/10

②化粧スレート葺き・・・3/10

③横葺き・平葺き・・・3/10

④アスファルトシングル葺き・・・3/10

⑤瓦棒葺き・・・1.5/10

長尺立ハゼ葺き・・・0.5/10

あくまでも目安です。

あっ、念のため書いておきます。

屋根勾配3/10とは、10行って3上がる勾配を意味します。

10寸(3.03m)で3寸(90.9mm)上がる勾配ですから、3寸勾配なんて言います。

ちなみに、当該現場はガルバの横葺きです。

その最小勾配は③の3/10となります。

でもメーカーでは、最小勾配を2.5/10と謳っていました。

実際の設計では3/10としていますから、特に問題はありません。

施工に先んじて、下葺き材の葺き方のポイントを挙げたいと思います。

以下

日本住宅保証検査機構 編東海大学名誉教授 

石川廣三 監修

防水施工マニュアル(住宅用防水施工技術)2021

技報堂出版 刊

からの一部抜粋となります。

 

 

①下地の野地板は下葺き材の破損を防ぐため、継ぎ目や釘頭などに段差が生じないように平滑に張る。

②下葺きに使用するアスファルトルーフィングは、一般財団法人日本防水材料協会企画ARK04(改質アスファルトルーフィング下葺き材)に適合またはこれと同等以上の防水性能を有するもの、およびJIS A6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合アスファルトルーフィング940またはこれと同等以上の防水性能を有するものとする。

③下葺きに使用する透湿ルーフィングは、JIS A6111(透湿防水シート)の屋根用透湿防水シートに適合またはこれと同等以上の透湿性能および防水性能を有するものとする。

弊社の採用している下葺き材は、ウルト社のハイムシールドルーフ2SKです。

③の透湿ルーフィングに該当します。

なおドイツの製品ではありますが、JIS A6111の適合品となっているので安心です。

仮留めの際の注意点も挙げておきましょう。

①ルーフィング類は、材料の長手方向を屋根の流れ方向に対して垂直になるように広げ、軒先から施工を始めて水上側へ葺き始める。上下(流れ方向)は100mm以上、左右は200mm以上重ね合わせる。

②たるみ・しわ・波打ちなどが生じないように、下地になじませて敷き込む。

③必要に応じてステープルを用いて仮留めを行い、ステープルの打ち込みは必要最小限とする。アスファルトルーフィング葺きのステープルの打ち込み間隔は、下葺きの重ね部分は300mm程度、その他は900mm程度とする。

④透湿ルーフィングおよび粘着層付改質アスファルトルーフィングの葺き方は、下葺き材製造者の指定とする施工方法を順守する。

⑤「軒先」と「けらば」の葺き方は、屋根材製造者の指定する施工方法を順守する。

下葺き材って、屋根の防水性を担保する上でもっとも重要な部材です。

当然、その施工も最重要ポイントとなります。

これらがキチンと順守されているかどうかをチェックするのが、現場担当者の業務なんです。

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