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とある現場の写真です。
天井・壁ともに下地材として強化石膏ボードを張っています。
この現場では、この上にパテ処理を行った上で紙クロスを貼り漆喰を塗って仕上げます。
今回話題に上げるのは、スバリ石膏ボードです。
そもそも石膏ボードは、石膏を芯材とし両面を石膏ボード用原紙で被覆成型した建築用内装材料です。
防火性・遮音性・寸法安定性・工事の容易性等の特徴をもち、経済性にも優れていることから「なくてはならない建材」として建築物の壁、天井などに広く用いられています。
イラストを見てもわかるように、石膏ボードの芯材は石膏です。
石膏は無機質ですから燃えることはありません。
ちなみに石膏には、約20%の結晶水が安定した形で含まれています。
例えば910mm×1820mm×12.5mmのボード1枚に含まれる結晶水の重量は、3kg!
これが火災時に高温にさらされると、結晶水が熱分解して水蒸気を発します。
水が水蒸気に気化すると、気化熱が奪われるでしょ?
アルコールを塗るとスースーするでしょ?
これも気化熱の影響です。
熱くなった石膏ボードも、気化熱で温度が下がります。
温度上昇が抑えられれば、発火を遅らせる事が出来ます。
また石膏そのものが、熱伝達を阻止するバリアの役割も果たします。
だから石膏ボードで躯体を被覆すれば、火災の延焼防止に効果を発揮する訳です。
弊社では一般的な2階建て(防火構造)の場合は普通石膏ボードを、3階建て(準耐火構造)の場合は強化石膏ボードを用いています。
強化石膏ボードとは、石膏ボードの芯材部分に無機繊維材料を混入したもの。
普通石膏ボードより耐火性能を有することから、耐火構造・準耐火構造・防火構造材料として使用されています。
JIS A 6901に定められている基準については、以下の通りです。
一方、普通石膏ボードは石膏ボード製品の標準的なもの。
主な用途としては、壁及び天井の下地材です。
JIS A 6901に定められている基準については、以下の通りです。
両者を比較すると、とにかく前者の方が重いことがわかります。
12.5mm×910mm×1820mmのボードの場合、15.6~20.5kg/枚に対して13.4~19.4kg/枚ですから1.1~2.2kg/枚ほどの差となります。
たかが2kgと思うかもしれません。
でも、この2kgが大きいんです。
厚くなったりサイズが大きくなれば、ますます重量差は広がります。
取り回しだけではなく、搬入にも関わる訳ですから大事なんです。
それでも難燃性または発熱性については、前者の方が高性能である事は間違いありません。
断熱性も若干ではありますが、前者の方が良いようです。
バリア効果も期待できる訳です。
防火をとるか?
価格&施工性をとるか?
悩むところだと思います。
そうそう、石膏ボードをプラスターボードというでしょ?
でも石膏は英語で「gypsum、ジプサム」であり、プラスターではありません。
でもプラスターというと「石膏プラスター」を指すのが一般的。
石膏にその他の添加剤を入れたもので左官壁の材料に使われています。
あながち間違いとも言えませんが、ジプサムボードの方が正解のようです。
ちなみにアメリカではジプサムウォールボード、 イギリスではプラスターボードと呼ばれているようです。
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