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今回は、私のボヤキ&疑問を挙げてみたいと思います。
とある現場の写真をご覧ください。
屋根タルキ間にFP遮断パネルを充填した状態を撮っています。
銀色のパネルがFP遮断パネルです。
この上に野地合板が張られ、下葺き材&屋根材が葺かれます。
455mm間隔に巾45mmの屋根タルキが取付けられ、パネル上面に貼られた遮熱シートと屋根タルキに囲まれた空間が通気層となります。
通気層?という方がいるかも知れません。
念のため、説明しておきます。
以下、㈱ハウゼコのページより一部を抜粋しています。
最近の住宅は、在来木造住宅においても気密や断熱性能が著しく向上した結果、壁体内部での結露の発生が大きな問題となっています。
結露すると柱や間柱、土台等構造体の腐朽による耐久性能の劣化、断熱材の濡れによる断熱性能の低下をもたらすことになります。
多くの弊害をもたらす壁体内の湿気を滞留させない為の排湿を目的として設けるのが、外装材と躯体の間に防風材(透湿防水シート)により区画された〝通気層〟を設けた「通気構法」(通気工法)です。
また、最近では外壁仕上げ取り合い部などから浸入した雨水を速やかに排出する雨水浸入防止対策に有効な構法としても採用されています。
木造住宅の外壁の隠蔽された空洞部(柱部)には、室内からの湿気の侵入や仕込まれた断熱材の僅かな隙間が原因で建物内外の温度差による結露が常習化します。
外装材と躯体の間に設けられた通気層には常に気流が流れ、この気流により壁体内に滞留する湿気を吸出す事で湿気の飽和状態を抑制し結露を防ぐ仕組みが「通気構法」(通気工法)であり木造の耐久性向上に不可欠な条件とされています。
ご興味のある方は、元ページをご確認ください。
https://hauseco.jp/info/2017/07/4412/
ここには通気層の重要性が書かれています。
そして、こんな図も挙げられています。
図中の→が空気の流れを示しています。
土台水切から外壁通気層を通り
軒裏で軒天換気口からの空気と合流。
屋根通気層を通って換気棟から排出。
今では、当たり前の工法ですよね?
話を元に戻します。
弊社では、屋根の通気層厚を30mmとしています。
これって、一般的な層厚だと思います。
例えば住宅の省エネルギー基準の解説には
屋根断熱とした場合、断熱材の外側には通気層を設ける。
通気層の厚さは30mm程度を標準とし、屋根断熱の通気層への入気のため、軒裏等には換気口を設置する。
断熱材としてグラスウールを使用する場合には、断熱材と通気層との間に防風層を設ける。
とあります。
屋根の通気層と言えば、厚さ30mmは当たり前なんです。
これに対して、外壁の通気層厚って15~18mmが一般的です。
住宅の省エネルギー基準の解説には壁内結露を防止するため、断熱層の外側に通気層を設ける等の措置を講ずる。
通気層は上下端部を外気に解放し、厚さは18mm程度を目安とする。
通気層内に侵入した雨水が外部へ速やかに排出するような納まりとする。断熱材としてグラスウールを使用する場合には、断熱材と通気層との間に防風層を設ける。
厚さは18mm程度を目安にすると書かれているでしょ?
屋根の通気層厚が30mmであれば、外壁の通気層厚も30mmが良いんじゃないの?
私は、そう思います。
こんな意見もあります。
一般的に通気層の厚みは、通気胴縁の厚みとなります。
通気胴縁の厚みは、サイディングの留め付けに必要な保持力を確保できるものとして15~18mmが採用されています。
この選択に、通気層内の気流速度は加味されていません。
この話は、随分と昔にサイディングメーカーの開発担当者に聞いた事があります。
でも空気って意外と粘性があるので、狭い空間だと案外動かないんですよね。
当然15mmの通気層よりも30mmの通気層方が、通気層として機能する筈です。
だから弊社では、外壁通気層も30mmにしています。
写真を見れば、胴縁のゴツサがわかるでしょ?
でも一般的には、15~18mmが一般的なんです。
なぜ?
これが疑問です。
費用対効果を考えての判断なのかな?
誰か教えて~。
そして、ここからがボヤキです。
先日、取引先担当者と話す機会がありました。
その際に、こんな話が出たんです。
「屋根の通気層は30mmが一般的ですよね?」
「でも外壁の通気層は15~18mmが一般的でしょ!」
そうそう・・・。
外壁も30mmにすべきですよね!
私は、そう思いました。
でも、この後に衝撃の一言が続きました・・・。
「だから、屋根の通気層も15~18mmで十分なんです。」
えっ!?
思わず絶句しました。
とあるローコストビルダーから聞いた話らしい。
何か根拠があるのかな?
聞いてみましたが、答えは聞けませんでした。
通気層を小さく出来れば、木材費を圧縮する事は出来ます。
材が細くなれば、施工も楽になります。
狭小地を商圏にする弊社です。
壁面後退50cmを遵守するのが大変・・・。
通気層が小さくなれば、その分建物を大きく出来ます。
斜線制限だって厳しいんです。
通気層分だけ軒先高さが低くなれば、設計の巾も広がります。
もしも通気層の機能に差がないのであれば、弊社だって15~18mmにしたいと思います。
実際のところはどうなんだろう・・・。
遮熱性能や防水性能を加味すれば、絶対30~40mmにすべきだと思うんですよね。
通気層って、30mm必要なんじゃないの?
相変わらず、モヤモヤしています。
posted by AssetRed
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