blog
今日は水曜日、アセットフォーはお休みです。
でも、お仕事関連のネタを書こうと思います。
とある現場の写真を挙げてみました。
躯体の外側に張られた耐力面材が写っているでしょ?
ちなみに耐力面材とは、柱・梁・土台を強化するために施工する面材のこと。
躯体に面材を打ち付けて施工します。
大きく分けると、木質系面材(以下、木質系)と無機質系面材(以下、無機系)の2種類に分けられます。
弊社の場合は、吉野石膏㈱のタイガーEXプログレ(以下、EX)という面材を採用しています。
せっこう板に様々な性能を付加した外壁下地用の耐力面材ですから、無機系に該当します。
一番の特長は、なんといっても火に強いこと。
せっこうで出来ているので、木質系と比べ、火に強く燃えにくいんです。
上記写真は、EXと木質系面材それぞれの表面にバーナーを3分当てた時のもの。
木質系は火が面材を貫通し、表面から炎が出ていました。
でもEXは火が面材を貫通することもなく、表面から炎も出ていません。
万が一、近隣住宅に火災が発生してもEXが延焼や類焼を防いでくれる訳です。
また透湿性が高いのも特長のひとつだと思います。
透湿性が低い面材の場合、面材同士をぴったりと突き合わせて張ることが出来ません。
隙間から水蒸気を逃がす必要があるからです。
でもEXは、隙間を明ける必要もありません。
ぴったりと突き合わせても、問題ないんです。
耐震性の向上については、書くまでもないでしょ?
敢えて書くとすれば、新築時の耐震性を長期に渡り担保できるということでしょうか。
透湿性が低ければ、壁内結露を起こす可能性が高まります。
そして壁内結露は、躯体の劣化を引き起こします。
腐朽菌やシロアリの食害を引き寄せるからです。
せっかく強い躯体にしても、こうした事態を招いたら意味ないでしょ?
寸法安定性の高さも、特長のひとつです。
吸水による寸法変化が小さいため反りが生じにくくなります。
寸法安定性が高いからこそ、面材同士をぴったりと突き合わせることができるんです。
その分、気密性や防音性を高めることが出来ます。
また目地から火が侵入することもありません。
でも、せっこうでできた面材ですから水に弱い気がするでしょ?
でも心配いりません。
上の写真は、一般的な石膏ボードとEXそれぞれの吸水性を比較した試験の様子です。
試験片の下端1cmをインク水に1時間浸漬しましたが、EXの方はインク水をほとんど吸い上げていませんでした。
せっこう板に高防水・高防カビ性能を付加し、耐水紙で被覆しているEXは水やカビに強いんです。
また防蟻処理の必要もありません。
なかなか良い面材でしょ?
でも欠点もあるんです。
とにかく重いんです。
せっこうの塊なんだから、仕方ないとは思いますが・・・。
ここで弊社の耐力面材の変遷を挙げてみたいと思います。
昔は厚さ9mmの針葉樹合板を採用していました。
910×3030サイズの面材×1枚の重量は19.8kg。
20年ほど前に厚さ9mmのノボパンに変更。
910×3030サイズの面材×1枚の重量は、約19kg。
その後透湿抵抗を考え、ハイベストウッドに変更しました。
910×3030サイズの面材×1枚の重量は、約19.3kg。
合板→パーティクルボード→MDFと木質系面材を使い続けていました。
重量的には、大差なかったんですね。
そしてEXボードに変更しました。
当時の製品名は、タイガーEXボードでした。
910×3030サイズの面材×1枚の重量は、ナント26kg!
無機系面材は、やはり重かった・・・。
1枚当たり7kgも重いと、運搬やハンドリングにも影響が出ます。
当初は、大工の反応も良くなかったのを覚えています。
その後、EXボードはEXハイパーになり、EXプログレに変わりました。
様々な点で改良が加えられましたが、一番の改良点は重量だと思います。
26kg→21kg→19.5kg。
かなり軽くなったでしょ?
ほぼ、木質系面材と変わりません。
これなら大工にも大きな顔が出来ます。
昔と違って荷揚げ屋を手配しているし、面材プレカットも採用しています。
作業効率は、絶対上がっている筈です。
木質系面材と違い、VOCの放散量が少ないのも魅力だと思います。
しかも他の無機系面材に比べると、比較的安価なんですよね・・・。
これに変わる面材は、なかなか出てこない気がします。
posted by HoppyRed
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。