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06月07日付のアセットフォー日記となります。
練馬・板橋の天気は曇り晴れ。
とにかく蒸し暑い1日でした。
とりあえず、板橋区の『FPの家 K邸』の透湿防水シートを張りました。
毎度お馴染みの黒いシート。
ウルトのハイムシールドです。
良い機会なので、今回はウルトのカタログより、透湿防水シートネタを抜粋してみます。
『透湿防水シートの劣化問題』というコラムです。
とてもデリケートな問題なので、私自身これまでも積極的に取り上げていません。
でも先日、大工から、こんな質問を受けたんです。
「この黒い防水シート、他ではあまり見ないけど良いの?」
「最近は、チラホラ見掛けるようになったよね。」
良い機会なので、耐久性の事や界面活性剤に対する耐性の話等を簡単に話しました。
防水シートと言えば10年保証が当たり前だけど、このシートは80年相当の耐久性能が確認出来ている事。
シートに防蟻剤に含まれる界面活性剤が付着すると、耐水性が著しく低下する事。
その他もろもろを30分ほど掛けて、お話したんです。
すると、顔色を変えて聞いて来ました。
「えっ!そんな事ってあるの?」
「建築関係者は、みんな知ってるの?」
当然の話ですよね・・・。
大工仲間は、みんな知らないそうです。
もし知っていたら、一般的なシートなんて怖くて使えないよ!
とも言っていました。
という事で、書いてみようと思ったんです。
近年、透湿防水シートの劣化が問題となっています。
問題の原因の一つは界面活性剤による防水・耐久性の低下です。
この界面活性剤は防蟻薬剤や防腐処理された木材等に含まれており、これらから染み出した界面活性剤がシートの防水性能を劣化させるリスクが指摘されています。
こうした問題を受けて、透湿防水シート協会から2011年6月に『防蟻・防腐材による透湿防水シートの影響について』として、告知が出されています。
告知では防腐防蟻処理された通気胴縁使用時の注意事項として
①施工中、雨水で濡らせない。
②通気胴縁施工後は、外装材を速やかに施工する。
の2点が挙げられています。
この問題に対してウルトは界面活性剤への優れた耐久性能を持つウートップ ハイムシールドを開発しました。
公的試験期間でのテスト実施により、界面活性剤による劣化ゼロを確認済です。
防水性能や物理的なシート強度も従来品と比べて、大幅に強化されています。
高性能と共に長寿命化も求められている、今後の住宅建築に、ハイムシールド(家を守る盾)をお勧めします。
そして、こんな試験結果が挙げられています。
試験体は、左から
ハイムシールド(46kp)
比較品A(18kp)
比較品B(24kp)
()内の値は、含侵前の防水性能を示しています。
そもそも、含侵前の防水性能にもかなりの開きがある事がわかります。
そして、これらを界面活性剤水溶液に3日間含侵させた後の防水性能を比較すると・・・。
ハイムシールド(46kp→52kp)
比較品A(18kp→0kp)
比較品B(24kp→7kp)
比較品A・Bともに、見事に低下しています。
この結果を見ると、ハイムシールド以外は使えません。
だって、防水シートの役目を果たしてくれそうもないでしょ?
もっとも、界面活性剤の付着が無ければ問題ないんです。
つまり防蟻処理後、完全に乾燥してから張ればいいんです。
途中で雨に降られたら、乾くまで待って張ります。
防腐胴縁を使用しなければOK。
でもホウ酸を利用している場合、躯体や耐力面材を濡らすとOUTなんですよね・・・。
だから、ついつい早めにシートを張りたくなります。
だったら、ハイムシールドを張った方が安全でしょ!
大工にも、そう話しました。
そもそも、10年で雨漏り保証が切れるというのも問題だと思います。
外壁からの漏水って、実は防水シートが担保しています。
だから防水シートの防水性が心配ならば、防水シートを張り替える必要があります。
その為には、外装材を剥がすしかありません。
10年経過すれば、漏水も瑕疵ではなくなります。
修理をしようと思えば、有償工事です。
だから10年持てばOK!
という話でも、ないと思うんです。
この話も、大工は納得してくれました。
「だからアセットフォーは、黒いシートを使っているんだね。」
「ところで、この話、どの位の人が知ってるの?」
「いつ頃から知ってるの?」
知っている人って意外といるはずです。
10年以上前から、話題になっていましたよ。
ガッカリしていました・・・。
でも、まだまだ知らない人って多いと思います。
でも、なんで知らないんだろう?
敢えて告知を積極的にしていないのかも知れません・・・。
現場の話に戻ります。
シートの留付部を撮ってみました。
弊社では、一般的なステープルではなくハンマーキャップ付ステープルを使っています。
青いのがハンマーキャップです。
樹脂製のお皿を挟んで針を留め付ける事で、普通の針よりもしっかりと留める事が出来ます。
しかも針孔から侵入する雨水を減らす事が出来ます。
施工中の強風で、針孔周りからシートが破れる可能性も低くなります。
こんなお皿を挟むだけで、色々と建物にとって良くなる訳です。
紙張り職人には評判良くないけど、止める訳にはいきません!
類似製品が出て、施工面・コスト面で良くなる事を願います。
下屋の屋根も葺き終えたので、下屋足場を設置しました。
これで、外壁や軒天・破風板の作業を安全に行うことが出来ます。
これで雨が降っても大丈夫!
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。