透湿防水シートやFPパネルには極力穴を開けないようにしたいと思います。

06月21日付のアセットフォー日記となります。

練馬・板橋の天気は雨

気温も24℃と、少し肌寒いくらいです

板橋区の『FPの家 K邸』の電気配線、ようやく終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は、外に面する壁の内側に設けられたコンセント配線を撮ったもの。

天井から降ろしたFケーブルが、スライドボックスに入っているでしょ

スライドボックスは、照明のスイッチやコンセントの裏側に埋め込まれているボックスのこと。

写真の黒い箱です。

配線と端末器具の接続や他のボックスの配線接続といった用途で使われています。

箱の上下に貼られたテープのお陰で、石膏ボードで隠れてしまってもボックスの位置がわかるようになっています。

優れものでしょ

間柱や柱に固定したボックスに直接コンセント金具を取り付け、その上にプレートを固定します。

だから挟み金具のように、経年でプレート周りの石膏ボードが傷む事もありません。

写真でスライドボックスが固定されている木材、実は柱や間柱ではありません。

これ配線野縁なんです。

弊社の断熱仕様は発泡プラスチック系断熱材の充填となります。

具体的に言えば、FPウレタン断熱パネルを柱間に充填します。

105mm角の柱が910mm間隔に立っていると、柱と柱の間は910mm-105mmで805mmになります。

ネダノン合板と梁下端までの距離は2700mm。

ここに厚さ105mm×2700mm×803mmのFPパネルを充填する訳です。

FPパネルの断熱材は硬質ウレタンですから、実は繊維系断熱材ほど電線を通すのが簡単ではありません。

繊維系断熱材であれば、断熱材の内側にFケーブルやスライドボックスを配しても、断熱材が潰れてくれるでしょ

でも硬質ウレタンの場合は、潰れてくれません。

だからFケーブルの通り道をウレタンを削って作らなければなりません。

これが面倒なんです。

しかも、削った分だけ断熱欠損となり断熱性能が低下する事になります。

もちろん配線後に発泡ウレタンを充填し、断熱補強&気密処理を行います。

でも現場発泡ウレタンって、FPパネルに比べると断熱性・気密性ともに劣るんです・・・。

 

 

 

 

 

 

 

そこで図のようにも一旦パネルの外にFケーブルを出し、通気層を使ってコンセントの高さまで配線するようにしていました。

パネル&透湿防水シートに孔を明ける際に注意しなければならないのは、水勾配を忘れない事。

そして外側の止水処理、内側の気密処理を徹底する事。

そして、配線は真っすぐ降ろします。

 

 

 

 

 

 

 

コンセントの裏までFケーブルを下ろしたら、再び透湿防水シート&パネルに孔を明け建物内に線を戻します。

この時の止水処理&気密処理も重要です。

またFケーブルはコンセントより10cm程度下まで下ろし、そこからUの字に線を上げ、水勾配をつけた孔を通すようにしています。

これなら通気層内に雨水が侵入し、Fケーブル伝いに流れてきても孔に水が入る事はありません。

でも、この方式もあまり採用しなくなりました。

通気層内にFケーブルが通っているのって、なんとなく心配でしょ

断熱材の中をFケーブルが通るのも、なんとなく不安・・・。

将来配線の更新をする事があれば、大掛かりな工事が必要となります。

だから今は、断熱材の内側に配線スペースを確保しています。

これなら、断熱材や透湿防水シートを傷めなくても良いでしょ

配線更新も簡単に行えます。

電線を落とすスペースがあるから、コンセントやスイッチの追加も可能です。

冒頭の写真に見られた木材、配線野縁って凄いでしょ

30×40の木材と30×105の木材を使い分けています。

その分、材料費&施工費が嵩みます。

壁厚が大きくなるので、部屋の面積も若干小さくなります。

その分、窓枠も大きくなるので、これもコストUPの要因となります。

それでも、配線野縁を省略しようとは思いません。

防水層・気密層の孔を減らし、断熱弱部も減らせるし、配線更新も容易になりますから・・・。

防水テープや気密テープによる防水&気密施工って、どんなに丁寧に行っても長い年月の間には劣化を免れないと思うんです

現場発泡ウレタンなんて、もっと信頼できません。(あくまでも個人的な考えです。)

だからこそ、透湿防水シートやFPパネルには極力穴を開けないようにしたいと思います。

 

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