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弊社OBよりSOSメールが入りました。
築6年超のお宅です。
キッチンキャビネット内に黒いカビのようなモノが付着しているとの事。
臭いも気になると言います。
なんとなく、キャビネット内の湿度も高いような気がするそうです。
もしかして・・・。
ある原因が頭に浮かびました。
さっそく訪問日を決め、現地を確認してきました。
以下、その時の様子を簡単にまとめてあります。
キッチンキャビネット内を見るために引き出しを開けてみました。
引き出しの中は、きれいに空っぽでした。
点検しやすいように片づけてくれたようです。
有難い事です・・・。
作業がしやすいように引き出しを取り外し、キャビネット内の臭いを確認。
確かに臭いが気になります。
汚水の臭いかな?
よく見ると、コバエのような虫も数匹飛んでいます。
黒いススみたいな粉も、多数落ちていました。
「アルコールで拭き取ってるんですが、拭いても拭いても黒い粉が出てくるんです。」
「かびでしょうか?」との事。
さあ、実測です。
実は風速計を持って来ていたんです。
奥様にレンジフードを『強』運転にしてもらい、排水管回りの漏気量を測ってみました。
1.5m/Sを超える風が認められます。
やっぱり・・・。
弊社の建物で、こんな漏気がある筈ありません。
気密測定の際のC値、0.2㎠/㎡以下だったと思います。
おそらく排水ホースと排水管の隙間を埋める防湿キャップが外れていると思われます。
部品写真を挙げておきます。
汚水管にホースを挿し込んだ際に、ホースと汚水管の隙間を塞ぐキャップです。
ここが排水管から外れると、建物内が負圧になった際に排水管内部の空気を吸い込んでしまいます。
当然キャビネット内は下水臭くなるんです・・・。
でも防湿キャップは、配管スペースの中なので見えません。
さっそく配管スペースの点検口を開け、排水管回りを確認しました。
やっぱり防湿キャップ(赤丸内の部分)が外れていました。
ちなみに、この写真は現場のものではありません。
他の現場の写真です。
塩ビパイプが黒く煤けていて、あまりお見せできる状態ではなかったので・・・。
隙間風は、防湿キャップが外れた汚水管から出ています。
外れた状況をOBに見て戴き、防湿キャップを本来の位置に復旧しました。
「念のため、外れないように気密テープで固定しておきます。」
そして、配管スペース内を掃除機でクリーニング。
キンチョールを噴いて虫の死骸も除去しました。
黒い粉は、配管内側にこびり着いたヌルヌルが乾いた物だと推察されます。
点検口を元の状態に戻し、キャビネット内の臭いを嗅いでもらいました。
すでに臭いは無くなっています。
臭気の元はカビではなく、汚水配管の臭いだったんです。
原因はわかりませんが、何かの拍子に防湿キャップが外れてしまったと思われます。
もしかしたら先日の大雨の際に、下水が逆流し、空気で押し出されたのかもしれませんね?
「そう言えば、ゴボゴボしていました。」との事。
とにかく、原因がわかってホッとしました。
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